黒歴史

あるまじろ。

文字の大きさ
上 下
1 / 1

〇章

しおりを挟む
小さな世界があった。 
そこにはとても大きな木があると云われている。
生命がそこにいた。ヒトである。色んなヒトがいた。あるヒトは大きかった。大きなヒトは創造、破壊に長けていた。あるヒトは考えた。
考えるヒトは頭が良く、知的な分野に秀でていた。あるヒトは小さかった。小さなヒトは環境に適応することが、唯一できた。ヒトはどんどん増えていった。
ヒトビトは団結して暮らしを豊かにしていった。ムラである。
ムラはさらなる資源を求めて土地を広げた。
土地を広げていくと、別のムラがあった。
ヒトは考えた。奪うことにした。戦うのだ。
戦いに勝ちムラは大きくなった。
そうした略奪を続けていくと、ムラはやがてクニとなった。土地は資源であり、ヒトビトのタカラである。
ヒトビトはクニの資源ではいずれ足りなくなると考え、クニを囲っているものを越えようとした。
広大なウミである。天まで届くヤマである。果てしないソラである。
ヒトビトはそれらを乗り越えるためにフネを創った。フネはクニのタカラとなった。
そのフネでウミを越えた。
そこにはクニがあった。
そのクニもフネを創っていた。
そのフネでヤマを越えた。
そこにはクニがあった。
そのクニもフネを創っていた。
そのフネでソラを越えた。
そこにはクニがあった。
ヒトビトは恐怖した。
クニにフネが、別のクニのフネが来たのである。
ヒトビトは奪うことにした。戦うのだ。
フネを兵器へと創り変えた。
クニ同士の争いがはじまった。戦争である。
ヒトビトは戦った。ヒトビトは命を落とした。
ヒトビトは悲しみ嘆き、泣き出した。
泣くとナミダがでる。そのナミダはやがて高くにのぼる。
ヒトビトは泣いた。戦争の反動は大きかった。
やがて、ナミダは雲になり、雨を降らした。
雨は止まなかった。どのくらい雨が降ったのだろう。ウミがだんだん高くなってきた。
ヒトビトはタカラをウミから守ろうとした。
ヒトビトは考えた。
タカラを高いところへ持ち上げれば良いと思った。
ヒトビトはタカラを持ち上げた。
ウミはどんどん高くなり、ついにヒトビトの高さに達してしまった。ヒトビトは動けなくなってしまった。ヒトビトはそれでもタカラを守った。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...