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彼氏と喧嘩した
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──ドン!
お腹を押えながら勢いよく閉められたドアを睨みつける。
「翔のわからず屋」
ボソッと吐き捨てるようにつぶやき、ベッドへと移動して腰を下ろす。
手ぐしで髪をとかしながら風魔法で髪を乾かし、さっき言われたことを思い出してブツブツと独り言をつぶやく。
「なんで私が自己中って言われなくちゃいけないのよ。女子と遊んでたのはあっちなのに、私をほっといて他の女子と遊んでたくせに!」
イライラした私はといていた髪の毛を掻き乱してしまう。
「それになによ、首筋にキスの痕が綺麗に残ってるって。抓られたとか思わないわけ?あっちも私を疑ってるじゃない!」
これは本当に抓られたやつなのに……。
そっと首筋を触りながら遠い目で数時間前のことを思い出す。
《男にチヤホヤされていい気になってるんじゃないわよ!》《ちょっと魔法が使えるだけでいい気に乗らないで!》《なんとか言いなさいよ!》
放課後、複数の女子に呼ばれて素直について行った。
呼ばれた時にはもう気づいていたのだけど、そうでは無いことを願った。だけど結果は予想通りになってしまった。
罵倒や暴言、挙句の果てには暴力まで振られる始末。
多分そのせいなんだと思う。私がここまで冷静じゃなかったのは。
私はその気持ちを抑えようと遠回りして家に帰る途中に見てしまった。
翔が他の女子と一緒にいるところを。
信じたくなかった。翔が浮気をしていたことを。
でも家に帰ってきた翔は作った笑顔を浮かべていた。
それで私は確信した。確実に浮気している、と。
いじめられて、彼氏にも浮気されて、そんな状況に陥ったら自分が自分ではなくなってしまう。
だから強い言葉を使ってしまった。
でも私は悪いとは思っていない。
浮気してきたあっちが悪いと思っている。
なのに……それなのに……!
「何が自己中よ!!」
髪を乾かし終えた私は枕に顔を埋めてそう叫ぶ。
翔が謝るまで絶対に許さない!!
お腹を押えながら勢いよく閉められたドアを睨みつける。
「翔のわからず屋」
ボソッと吐き捨てるようにつぶやき、ベッドへと移動して腰を下ろす。
手ぐしで髪をとかしながら風魔法で髪を乾かし、さっき言われたことを思い出してブツブツと独り言をつぶやく。
「なんで私が自己中って言われなくちゃいけないのよ。女子と遊んでたのはあっちなのに、私をほっといて他の女子と遊んでたくせに!」
イライラした私はといていた髪の毛を掻き乱してしまう。
「それになによ、首筋にキスの痕が綺麗に残ってるって。抓られたとか思わないわけ?あっちも私を疑ってるじゃない!」
これは本当に抓られたやつなのに……。
そっと首筋を触りながら遠い目で数時間前のことを思い出す。
《男にチヤホヤされていい気になってるんじゃないわよ!》《ちょっと魔法が使えるだけでいい気に乗らないで!》《なんとか言いなさいよ!》
放課後、複数の女子に呼ばれて素直について行った。
呼ばれた時にはもう気づいていたのだけど、そうでは無いことを願った。だけど結果は予想通りになってしまった。
罵倒や暴言、挙句の果てには暴力まで振られる始末。
多分そのせいなんだと思う。私がここまで冷静じゃなかったのは。
私はその気持ちを抑えようと遠回りして家に帰る途中に見てしまった。
翔が他の女子と一緒にいるところを。
信じたくなかった。翔が浮気をしていたことを。
でも家に帰ってきた翔は作った笑顔を浮かべていた。
それで私は確信した。確実に浮気している、と。
いじめられて、彼氏にも浮気されて、そんな状況に陥ったら自分が自分ではなくなってしまう。
だから強い言葉を使ってしまった。
でも私は悪いとは思っていない。
浮気してきたあっちが悪いと思っている。
なのに……それなのに……!
「何が自己中よ!!」
髪を乾かし終えた私は枕に顔を埋めてそう叫ぶ。
翔が謝るまで絶対に許さない!!
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