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第二章
第十一話「大事件!?」
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―― ザワザワッ
静かな森、キングビー達がせっせと金の蜜を作っている最中に事件が起こった。
キングビーが大切にしている、金の蜂の巣が奪われたのだ。
キングビー達は恩人でもある「和流」の店長、裕也こと俺のもとに向かっていった。
その頃……。
「んっ……お腹いっぱい……」
俺の寝床で布団にくるまりながら、眠り続けているフェイを横目に今日作るデザートの試作品の名前を考えていた。
俺の名前は裕也 25歳、これでも「和流」というスイーツ店の店長をしている。
だけど、あるときベッドですやすやと寝ているフェイにこの世界へ連れてこられた。
その時に初めてハーピーを倒してキングビー達から金の蜜を貰い、魔物に襲われている姫様を助けたことがあった。
あれは本当に大変だった。
いきなり専属のパティシエになってくれと言われたときは、体が凍りつくように固まっていた。
「そのおかげで今この店に客が来てくれるようになったんだよな……」
姫様たちと交友を深めたことにより、国の民が遠くのこの店まで足を運んできてくれたのだ。
本当にありがたいことだ。
ここの店の食べ物は高価なのに、それより低価格で食べれると噂されているらしい。
あとでキングビー達にチョコレートで作った、ボンボンショコラを持っていこうかと思っているくらいだ。
「よしっ、俺も寝るか……!」
背伸びをして、眠そうにあくびをしたあとフェイを蹴飛ばして寝ようとベッドにはいろうとした時だった。
自室の窓が大きく鳴り響き、揺れたのだ。
俺は一瞬で目が覚めた。
何があったのか急いでカーテンを開けると、キングビー達がお尻の針を向けて窓ガラスをつついていたのだった。
「なんだなんだ!」
俺は急いで窓を開けると、キングビーたちが一斉に部屋の中に入ってきた。
音が大きく鳴ったので、フェイも目をこすりながら起き上がってきた。
「どうしたの……?って、キングビー……?」
眠そうにふらふらしながら、ベッドの端に座り込みながらぼーっとした表情で見つめてくる。
俺もビービーと鳴くキングビー達を落ち着かせて、話を聞くことにした。
「タスケテ……、オレラノ、蜂の巣、ウバワレタ」
蜂の巣を奪われた?
俺は一瞬思考が止まり、一匹のキングビーを見つめた。
するとまだ話は続くようで、俺を囲みながらキングビー達が口々に叫んだ。
「アイツ、マタ、ヤッテクル!」
「ワレワレヲ、食べ尽くすツモリダ!」
「ユーヤ、タスケテ、ユーヤ、オネガイ!」
こんな夜遅くに最初は何事かと思ったが、キングビー達の蜂の巣が奪われたということは、金の蜜ももらえなくなるということだ。
それは大変だ!
金の蜜はよく売れるし、俺たちにとっても重宝されているもの。
それを取られてしまっては、民たちも安心できないだろう。
「キングビー達、どんなやつだったか覚えているか?」
俺は深呼吸をして、一旦頭と体を落ち着かせた。
自分が使っている椅子に腰をかけ、詳しく話を聴こうとした。
すると、キングビー達の女王様、クインビーがやってきた。
「……彼は、私たちの敵の敵です。クマよりも強く、龍よりも固く、鋭い爪を持っています。裕也様、どうかお助けください」
彼ということは、人間?いやクマより強くて龍よりも固いってことは、魔物か?と俺は深く考え込んだ。
そんな俺立ちの話を聞いていたフェイが口を出してきた。
「多分それ、シャドーアイスっていう盗賊だと思うよー」
足をバタつかせながら、下を向いて呟くフェイを見て俺は急いで肩を掴んだ。
コイツはなんで知っているんだという、目を見開き微妙に震えながら強く掴んだ。
「裕也、そんな怖い顔しないで?今の裕也は森の番人と呼ばれてもいいほど、森の動物や魔物に信頼されている。シャドーアイスっていう盗賊はね?この世界の食べ物を全部頂こうって考えてる奴らなんだ」
俺は落ち着こうとそっと隣に座って息を吐いた。
そして、フェイの言葉をもう一度思い出してみた。
「俺が森の番人?なぜ?森の主を倒したのは俺じゃない。ジェットだ。それなら、ジェットが番人なんじゃ……!?」
「違うよ、裕也が番人なんだ。確かに倒したのはジェットだけど、森の皆の心を掴んだのは裕也でしょ?だから、その裕也をあいつらは邪魔にしか思っていないんだよ。君を倒せば、自分たちの思い通りに出来るって思ってるわけだから……、次に狙うのは……」
次に狙ってくるのは、この俺か?
確かに今ジェットが動いてもこいつらは動かない。
いつも、俺がいると金の蜜を分けてくれる。
その代わりに俺も、プリンを届けに行っている。
それが絆になっているということなのか?
なら、その絆を打ち切りたいと思っている盗賊どもは俺を狙ってくるのか。
ここに来て盗賊に狙われるって、俺どんな人生歩んでるんだよ。
「それにね?裕也は姫様と親交を深めたでしょ?それも彼らにとっては邪魔な存在。食べ物をすべて自分のものにしたい彼らは、いきなり現れた裕也を消したいって思ってるわけ」
なるほどなと俺は納得した。
コイツの言っていることは筋が通っている。
盗賊どもが本当に食べ物を独り占めしたいというなら、俺が消えて欲しい存在なのはわかる。
俺が現れたことにより、民は幸福を覚え始めたからだ。
その幸福を見るのがいやなどしたら、次に狙ってくるのは俺ってことなんだろうな。
またなんか厄介なのに絡まれそうだ。
「わかった……、キングビー達の金の巣取り返してやる!」
そんなこんなで俺は、キングビー達の金の巣奪還と自分の命を守るために盗賊と戦うことを決心したのだった。
静かな森、キングビー達がせっせと金の蜜を作っている最中に事件が起こった。
キングビーが大切にしている、金の蜂の巣が奪われたのだ。
キングビー達は恩人でもある「和流」の店長、裕也こと俺のもとに向かっていった。
その頃……。
「んっ……お腹いっぱい……」
俺の寝床で布団にくるまりながら、眠り続けているフェイを横目に今日作るデザートの試作品の名前を考えていた。
俺の名前は裕也 25歳、これでも「和流」というスイーツ店の店長をしている。
だけど、あるときベッドですやすやと寝ているフェイにこの世界へ連れてこられた。
その時に初めてハーピーを倒してキングビー達から金の蜜を貰い、魔物に襲われている姫様を助けたことがあった。
あれは本当に大変だった。
いきなり専属のパティシエになってくれと言われたときは、体が凍りつくように固まっていた。
「そのおかげで今この店に客が来てくれるようになったんだよな……」
姫様たちと交友を深めたことにより、国の民が遠くのこの店まで足を運んできてくれたのだ。
本当にありがたいことだ。
ここの店の食べ物は高価なのに、それより低価格で食べれると噂されているらしい。
あとでキングビー達にチョコレートで作った、ボンボンショコラを持っていこうかと思っているくらいだ。
「よしっ、俺も寝るか……!」
背伸びをして、眠そうにあくびをしたあとフェイを蹴飛ばして寝ようとベッドにはいろうとした時だった。
自室の窓が大きく鳴り響き、揺れたのだ。
俺は一瞬で目が覚めた。
何があったのか急いでカーテンを開けると、キングビー達がお尻の針を向けて窓ガラスをつついていたのだった。
「なんだなんだ!」
俺は急いで窓を開けると、キングビーたちが一斉に部屋の中に入ってきた。
音が大きく鳴ったので、フェイも目をこすりながら起き上がってきた。
「どうしたの……?って、キングビー……?」
眠そうにふらふらしながら、ベッドの端に座り込みながらぼーっとした表情で見つめてくる。
俺もビービーと鳴くキングビー達を落ち着かせて、話を聞くことにした。
「タスケテ……、オレラノ、蜂の巣、ウバワレタ」
蜂の巣を奪われた?
俺は一瞬思考が止まり、一匹のキングビーを見つめた。
するとまだ話は続くようで、俺を囲みながらキングビー達が口々に叫んだ。
「アイツ、マタ、ヤッテクル!」
「ワレワレヲ、食べ尽くすツモリダ!」
「ユーヤ、タスケテ、ユーヤ、オネガイ!」
こんな夜遅くに最初は何事かと思ったが、キングビー達の蜂の巣が奪われたということは、金の蜜ももらえなくなるということだ。
それは大変だ!
金の蜜はよく売れるし、俺たちにとっても重宝されているもの。
それを取られてしまっては、民たちも安心できないだろう。
「キングビー達、どんなやつだったか覚えているか?」
俺は深呼吸をして、一旦頭と体を落ち着かせた。
自分が使っている椅子に腰をかけ、詳しく話を聴こうとした。
すると、キングビー達の女王様、クインビーがやってきた。
「……彼は、私たちの敵の敵です。クマよりも強く、龍よりも固く、鋭い爪を持っています。裕也様、どうかお助けください」
彼ということは、人間?いやクマより強くて龍よりも固いってことは、魔物か?と俺は深く考え込んだ。
そんな俺立ちの話を聞いていたフェイが口を出してきた。
「多分それ、シャドーアイスっていう盗賊だと思うよー」
足をバタつかせながら、下を向いて呟くフェイを見て俺は急いで肩を掴んだ。
コイツはなんで知っているんだという、目を見開き微妙に震えながら強く掴んだ。
「裕也、そんな怖い顔しないで?今の裕也は森の番人と呼ばれてもいいほど、森の動物や魔物に信頼されている。シャドーアイスっていう盗賊はね?この世界の食べ物を全部頂こうって考えてる奴らなんだ」
俺は落ち着こうとそっと隣に座って息を吐いた。
そして、フェイの言葉をもう一度思い出してみた。
「俺が森の番人?なぜ?森の主を倒したのは俺じゃない。ジェットだ。それなら、ジェットが番人なんじゃ……!?」
「違うよ、裕也が番人なんだ。確かに倒したのはジェットだけど、森の皆の心を掴んだのは裕也でしょ?だから、その裕也をあいつらは邪魔にしか思っていないんだよ。君を倒せば、自分たちの思い通りに出来るって思ってるわけだから……、次に狙うのは……」
次に狙ってくるのは、この俺か?
確かに今ジェットが動いてもこいつらは動かない。
いつも、俺がいると金の蜜を分けてくれる。
その代わりに俺も、プリンを届けに行っている。
それが絆になっているということなのか?
なら、その絆を打ち切りたいと思っている盗賊どもは俺を狙ってくるのか。
ここに来て盗賊に狙われるって、俺どんな人生歩んでるんだよ。
「それにね?裕也は姫様と親交を深めたでしょ?それも彼らにとっては邪魔な存在。食べ物をすべて自分のものにしたい彼らは、いきなり現れた裕也を消したいって思ってるわけ」
なるほどなと俺は納得した。
コイツの言っていることは筋が通っている。
盗賊どもが本当に食べ物を独り占めしたいというなら、俺が消えて欲しい存在なのはわかる。
俺が現れたことにより、民は幸福を覚え始めたからだ。
その幸福を見るのがいやなどしたら、次に狙ってくるのは俺ってことなんだろうな。
またなんか厄介なのに絡まれそうだ。
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