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第二章
第二十七話「試練を受けるべし」
しおりを挟む「人間の方よ……。その体内に秘めた力は……、レジアンス様の力ではないか……」
細々とした声がかすかに聞こえてくる。
俺は聞こえた方を見ると、先程まで目を閉じていたであろうエルフの王様が虚ろな目でこちらを見つめてくる。
「人間って俺の方……?」
人間は琢磨もいるため、よく分からずに自分を指でさした。
微かに顔を上下に動かしてこちらを見つめてくる。
レジアンス様って誰だろうと思ったが、すぐに理解した。
きっと、この森の神様の事を言っているんだと。
「ああ、その通りだ……。私はこの国の王のルゼと申す……。長老から話は聞いていた……。森の神に認められしものが我々を救ってくれると……」
「我が王よ、本当に彼なのですか?こんな弱そうな奴に本当に奴らを倒せるとは思えません」
忍者の格好をしたダークエルフの男性が睨みをきかせながら、静かに答えた。
弱そうは余計だと思いながらも、何も言い返せないのが腹が立つ。
そんな表情で忙しい俺を余所に、話を続けた。
「彼らで問題ないだろう……。長老は今まで予言してきたことで間違ってきたことがあっただろうか……」
か細い声だが、口調はしっかりしている。
外に居た無残な姿の人たちとは違って、まだ力は残っているようだった。
「ですが……」
「ミニストよ……、大丈夫だ……。そんなに心配なら試しに試練を与えてみればいい……」
試練という言葉に我に帰ったように二人を見つめ返した。
俺何か試されるのかと心の奥底で逃げたい気持ちを抑えながら、交互に見返すとミニストと呼ばれたエルフが何かを考え始めた。
「分かりました……。王が言うのであれば、やらせましょう」
話が勝手に進められてどうすればいいかわからないんだが……。
俺は頭にはてなを浮かべながらも、勝手に進んでいく話に耳を傾けた。
「すごいことになってるぞ……、いいのか?」
「なにがー?いいんだよ、だって、これで裕也が活躍できるかも知れないんだよ?」
嬉しそうに腕組をしながら自慢気な顔で何度も頷く、フェイの姿を見て一瞬殴りにかかろうかと思ったくらいだ。
俺は強く拳を握りながらも平然を装った。
「どんな内容かにもよりますけど……」
静かに鼻から息を吐いて、口を開いた。
すると、彼らはゆっくりと頷いて話を進めてきた。
「この森に妖精の館と言う場所がある。そこに向かえば次何をすればいいのかわかるだろう」
妖精の館?そんなところがあるのかと俺は今まできた道のりを思い出してみた。
だがそんなところがある様子はなかった。
「幻の館と呼ばれていて、真の強さを持った者のみが見ることが出来ると言われているんだ」
それってほぼ無理じゃないか!と叫びたくなったが、言葉を飲み込んでミニストを見つめた。
こんなことをしてていいのかとも思ったが、ここは彼らの信用を勝ち取らないと先に進めないのは確かだ。
俺はゆっくりと頷いた。
それが本当にあるのかどうかもわからないが、このまま引き下がるわけには行かないからだ。
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