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伝えたいお姫様
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昔、大きな城には結婚を控えたお姫さまがいました。
王様とお妃様はお姫さまの結婚を喜んでいましたが、お姫さまの気分は明るくなりませんでした。何故なら相手の王子様はお姫さまにとって好きになれない人物だからです。
王子様との結婚は王様とお妃様が勝手に決めたことで、お姫さまの気持ちは無視されていたのです。
お姫さまは二人に逆らうことができず、モヤモヤとした気持ちのまま結婚まであと二日という時まで迫っていました。
「どうしよう……私は結婚したくないのに」
昼食が終わり、お姫さまは自分の部屋で元気が無さそうに言いました。
そんな時でした。
「何やらお困りのようですね」
お姫さまの目の前には白い服の少女が現れました。
「あなたは?」
「わたしは神の使いです。あなたの悩みを解決するように神様に命じられました」
神の使いという言葉にはお姫さまには聞き覚えがありました。本当に困った時に現れて悩みを解決してくれる存在がいると。
この少女の言ってることはきっと本当のことだとお姫さまは思いました。
お姫さまは神の使いに悩みを打ち明けました。結婚したくないのにさせられることを。
お姫さまが話を終えると、神の使いは口を開きました。
「それは困る話ですね、私だっていやですよ」
神の使いは優しく言いました。
「そうでしょ」
「なら王様とお妃様にちゃんと言わないとだめです。結婚はしたくないと」
「でも……どうやって?」
お姫さまは考えるだけで不安になりました。二人に逆らったことがないからです。
「心配しないで、わたしがあなたに勇気を与えてあげましょう」
神の使いが杖を出し、宙をくるりと一回転させました。
「この者に何事にも恐れない勇気を与えよ!」
神の使いが叫ぶと、お姫さまの体に黄色い光が降り注ぎます。
するとお姫さまの心にある不安や恐怖といった感情が消えていくのを感じました。そして勇気が沸いてきました。
これなら二人にちゃんと言える。そんな気持ちになりました。
お姫さまは早速二人の元に行きました。二人はお姫さまの結婚に必要な準備をしていました。
二人には悪いなとは思いつつ、お姫さまは口を開きました。
「お父様、お母様、申し訳ないのですが私は今婚約している王子さまとは結婚したくはありません、私は別の国の王子さまと結婚がしたいのです」
お姫さまは言いました。
「そうか、分かった。婚約している王子にはわしから結婚の断りを伝えておこう」
黙って話を聞いていた王様は口を開きました。
お姫さまの気持ちが王様に届いたのでしょう。
「ごめんなさい、お父様、お母様」
「良いのよ、あなたが元気がないのが心配だったのよ、あなたの気持ちも知らずに勝手に結婚を進めてごめんね」
お妃様は言いました。
それからお姫さまは自分が選んだ王子さまとめでたく結婚しました。お姫さまはとても幸せな気持ちで一杯になりました。
新しい城に嫁ぎ、二週間たったある夜のこと、お姫さまは夢の中で神の使いと再び会いました。
「ここでの暮らしはどうですか?」
「とても楽しいわ」
お姫さまは満足げに言いました。
王子さまや城の人々はお姫さまに優しく、来て良かったと思えるほどです。
「あなたにはちゃんとお礼を言ってなかったわね、助けてくれて有難う」
「いいえ、わたしはあなたの背中を押しただけです。実際に行動したのはあなたですよ」
神の使いは言いました。
「あなたが幸せならわたしはそれだけで十分です。また困ったことがありましたらお会いしましょう」
神の使いはそう言うと、お姫さまの前から姿を消しました。
王様とお妃様はお姫さまの結婚を喜んでいましたが、お姫さまの気分は明るくなりませんでした。何故なら相手の王子様はお姫さまにとって好きになれない人物だからです。
王子様との結婚は王様とお妃様が勝手に決めたことで、お姫さまの気持ちは無視されていたのです。
お姫さまは二人に逆らうことができず、モヤモヤとした気持ちのまま結婚まであと二日という時まで迫っていました。
「どうしよう……私は結婚したくないのに」
昼食が終わり、お姫さまは自分の部屋で元気が無さそうに言いました。
そんな時でした。
「何やらお困りのようですね」
お姫さまの目の前には白い服の少女が現れました。
「あなたは?」
「わたしは神の使いです。あなたの悩みを解決するように神様に命じられました」
神の使いという言葉にはお姫さまには聞き覚えがありました。本当に困った時に現れて悩みを解決してくれる存在がいると。
この少女の言ってることはきっと本当のことだとお姫さまは思いました。
お姫さまは神の使いに悩みを打ち明けました。結婚したくないのにさせられることを。
お姫さまが話を終えると、神の使いは口を開きました。
「それは困る話ですね、私だっていやですよ」
神の使いは優しく言いました。
「そうでしょ」
「なら王様とお妃様にちゃんと言わないとだめです。結婚はしたくないと」
「でも……どうやって?」
お姫さまは考えるだけで不安になりました。二人に逆らったことがないからです。
「心配しないで、わたしがあなたに勇気を与えてあげましょう」
神の使いが杖を出し、宙をくるりと一回転させました。
「この者に何事にも恐れない勇気を与えよ!」
神の使いが叫ぶと、お姫さまの体に黄色い光が降り注ぎます。
するとお姫さまの心にある不安や恐怖といった感情が消えていくのを感じました。そして勇気が沸いてきました。
これなら二人にちゃんと言える。そんな気持ちになりました。
お姫さまは早速二人の元に行きました。二人はお姫さまの結婚に必要な準備をしていました。
二人には悪いなとは思いつつ、お姫さまは口を開きました。
「お父様、お母様、申し訳ないのですが私は今婚約している王子さまとは結婚したくはありません、私は別の国の王子さまと結婚がしたいのです」
お姫さまは言いました。
「そうか、分かった。婚約している王子にはわしから結婚の断りを伝えておこう」
黙って話を聞いていた王様は口を開きました。
お姫さまの気持ちが王様に届いたのでしょう。
「ごめんなさい、お父様、お母様」
「良いのよ、あなたが元気がないのが心配だったのよ、あなたの気持ちも知らずに勝手に結婚を進めてごめんね」
お妃様は言いました。
それからお姫さまは自分が選んだ王子さまとめでたく結婚しました。お姫さまはとても幸せな気持ちで一杯になりました。
新しい城に嫁ぎ、二週間たったある夜のこと、お姫さまは夢の中で神の使いと再び会いました。
「ここでの暮らしはどうですか?」
「とても楽しいわ」
お姫さまは満足げに言いました。
王子さまや城の人々はお姫さまに優しく、来て良かったと思えるほどです。
「あなたにはちゃんとお礼を言ってなかったわね、助けてくれて有難う」
「いいえ、わたしはあなたの背中を押しただけです。実際に行動したのはあなたですよ」
神の使いは言いました。
「あなたが幸せならわたしはそれだけで十分です。また困ったことがありましたらお会いしましょう」
神の使いはそう言うと、お姫さまの前から姿を消しました。
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