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ホタルバナ
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夜の森を妖精の男の子とカエルの女の子が移動していました。
カエルの女の子は目を瞑り、妖精の男の子が手を引いています。
「どんな花なんですの?」
「秘密さ、ケロロン姫がとっても喜ぶよ」
男の子はケロロン姫と呼んだ女の子を見て微笑みました。
「コッパ様のことだからきっと素敵なものでしょうね」
「へへっ、期待していてくれ」
ケロロン姫は嬉しそうに言いました。
コッパが住んでいる妖精の国は妖精同士で結ばれます。
コッパは他の妖精たちとは違い、カエルの国に住んでいるケロロン姫と結ばれたのです。
ケロロン姫は名の通りカエルの国のお姫様ですが、コッパがケロロン姫を救ったことにより一緒になることを許されたのです。
周りからは奇妙な目で見られますが、コッパはケロロン姫との仲を大切にしています。
コッパはケロロン姫を大切にしている証として、コッパだけの秘密の場所へと案内することにしました。
森を抜けると、そこには花のつぼみが一面に広がっていました。
どのつぼみも淡い緑色に輝いています。
「目を開けていいぞ」
コッパに言われ、ケロロン姫は目を開きました。
「まあ……なんて綺麗なんでしょう」
「これからもっと綺麗になるぞ」
コッパは雲のかかった夜空を指差しました。
「満月がつぼみに当たると花開くんだ」
「楽しみですわ」
「オイラもだよ、ケロロン姫がどんな顔するのか楽しみだよ」
コッパとケロロン姫は静かにつぼみの様子を見守りました。しばらくすると雲がゆっくりと晴れ、黄色い光が大地に注ぎます。
するとどうでしょう、閉じていたつぼみの群れが上に向き、いっせいに咲き始めました。
それだけではありません、花の中から淡い緑色の光が放出し、幻想的な光景が二人の目の前に広がります。
ケロロン姫は両手を頬に当てました。
「すごいわ、とっても素敵……こんな綺麗な花見たことがないですわ」
ケロロン姫の感激ぶりを見て、コッパは連れて来て良かったと思いました。
コッパがこの光景を最初に見た時は、この世界に産まれて来て一番感動したほどです。
「これは「ホタルバナ」って言うんだ。満月の夜にしか咲かない花で、咲く際には緑色の光を放つことからその名がついたんだ」
コッパは鼻をこすり、更に続けます。
「花言葉は「あなたが一番好きです」って意味なんだ」
「本当?」
「オイラはウソをつかないよ」
コッパはケロロン姫と目を合わせました。
最初は妖精一の美姫・フローラが好きで、ケロロン姫をうとましく思っていました。
しかしフローラの魔法によってケロロン姫が石化したことにより、本当はケロロン姫が好きだったことに気付き、ケロロン姫と結ばれたのです。
フローラは外見は美しかったのですが、ケロロン姫のようにコッパを一途に思ってはいませんでした。
「わたくしもコッパ様が好きですわ、どんなことがあってもコッパ様とは離れたくありません」
二人の間には緑色の淡い光が漂っています。
「みにくい外見で、あなたの仲間からはひどい事を言われますが、一緒にいてくれますか?」
ケロロン姫は訊ねました。
どれだけコッパがケロロン姫のことを思っていたとしても、周囲の人間の目により変わってしまうのではないのかと不安でたまらないのです。
しかし、コッパは自信を込めて言いました。
「そんなの当たり前だろ、ずーーーっと一緒にいるよ、気にすることないって」
コッパはケロロン姫の両手を優しく握りました。
どんな事があっても絆を断ち切ることは、コッパにはできないからです。
「時間はかかるけど、ケロロン姫のことは絶対に認めさせるよ、相手は外見じゃないからな
好きになる大切さを教えてくれたのはケロロン姫だけだからな」
「ありがとうコッパ様、あなたを好きになって良かったです」
「それはオイラも同じだよ、ケロロン姫の側にいられて幸せだ」
コッパはケロロン姫といられて、毎日がとても楽しいのです。
話すことや、食事することも、散歩をすることも。
そして今日、こうして花を一緒に見られたことも。
どれも大切な思い出なのです。
コッパは数本のホタルバナを摘んで家に帰りました。
二人と過ごした思い出を忘れないために……
帰りの際には、ホタルバナの光は絶えずに輝き、二人の未来を照らしているようでした。
カエルの女の子は目を瞑り、妖精の男の子が手を引いています。
「どんな花なんですの?」
「秘密さ、ケロロン姫がとっても喜ぶよ」
男の子はケロロン姫と呼んだ女の子を見て微笑みました。
「コッパ様のことだからきっと素敵なものでしょうね」
「へへっ、期待していてくれ」
ケロロン姫は嬉しそうに言いました。
コッパが住んでいる妖精の国は妖精同士で結ばれます。
コッパは他の妖精たちとは違い、カエルの国に住んでいるケロロン姫と結ばれたのです。
ケロロン姫は名の通りカエルの国のお姫様ですが、コッパがケロロン姫を救ったことにより一緒になることを許されたのです。
周りからは奇妙な目で見られますが、コッパはケロロン姫との仲を大切にしています。
コッパはケロロン姫を大切にしている証として、コッパだけの秘密の場所へと案内することにしました。
森を抜けると、そこには花のつぼみが一面に広がっていました。
どのつぼみも淡い緑色に輝いています。
「目を開けていいぞ」
コッパに言われ、ケロロン姫は目を開きました。
「まあ……なんて綺麗なんでしょう」
「これからもっと綺麗になるぞ」
コッパは雲のかかった夜空を指差しました。
「満月がつぼみに当たると花開くんだ」
「楽しみですわ」
「オイラもだよ、ケロロン姫がどんな顔するのか楽しみだよ」
コッパとケロロン姫は静かにつぼみの様子を見守りました。しばらくすると雲がゆっくりと晴れ、黄色い光が大地に注ぎます。
するとどうでしょう、閉じていたつぼみの群れが上に向き、いっせいに咲き始めました。
それだけではありません、花の中から淡い緑色の光が放出し、幻想的な光景が二人の目の前に広がります。
ケロロン姫は両手を頬に当てました。
「すごいわ、とっても素敵……こんな綺麗な花見たことがないですわ」
ケロロン姫の感激ぶりを見て、コッパは連れて来て良かったと思いました。
コッパがこの光景を最初に見た時は、この世界に産まれて来て一番感動したほどです。
「これは「ホタルバナ」って言うんだ。満月の夜にしか咲かない花で、咲く際には緑色の光を放つことからその名がついたんだ」
コッパは鼻をこすり、更に続けます。
「花言葉は「あなたが一番好きです」って意味なんだ」
「本当?」
「オイラはウソをつかないよ」
コッパはケロロン姫と目を合わせました。
最初は妖精一の美姫・フローラが好きで、ケロロン姫をうとましく思っていました。
しかしフローラの魔法によってケロロン姫が石化したことにより、本当はケロロン姫が好きだったことに気付き、ケロロン姫と結ばれたのです。
フローラは外見は美しかったのですが、ケロロン姫のようにコッパを一途に思ってはいませんでした。
「わたくしもコッパ様が好きですわ、どんなことがあってもコッパ様とは離れたくありません」
二人の間には緑色の淡い光が漂っています。
「みにくい外見で、あなたの仲間からはひどい事を言われますが、一緒にいてくれますか?」
ケロロン姫は訊ねました。
どれだけコッパがケロロン姫のことを思っていたとしても、周囲の人間の目により変わってしまうのではないのかと不安でたまらないのです。
しかし、コッパは自信を込めて言いました。
「そんなの当たり前だろ、ずーーーっと一緒にいるよ、気にすることないって」
コッパはケロロン姫の両手を優しく握りました。
どんな事があっても絆を断ち切ることは、コッパにはできないからです。
「時間はかかるけど、ケロロン姫のことは絶対に認めさせるよ、相手は外見じゃないからな
好きになる大切さを教えてくれたのはケロロン姫だけだからな」
「ありがとうコッパ様、あなたを好きになって良かったです」
「それはオイラも同じだよ、ケロロン姫の側にいられて幸せだ」
コッパはケロロン姫といられて、毎日がとても楽しいのです。
話すことや、食事することも、散歩をすることも。
そして今日、こうして花を一緒に見られたことも。
どれも大切な思い出なのです。
コッパは数本のホタルバナを摘んで家に帰りました。
二人と過ごした思い出を忘れないために……
帰りの際には、ホタルバナの光は絶えずに輝き、二人の未来を照らしているようでした。
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退会済ユーザのコメントです
感想有難うございます。
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拝見しました。
とても素敵な物語でした。
児童文学にある、安定したオーソドックスな流れで最後の終わり方まで予想できるものの、そこが児童書の良い点でもあるのかなと思います。
大人としては、もっと姫様がお下劣であった方が話が盛り上がると思うのですが、児童に向けたものでは難しいのかもしれませんね。
感想有難うございます。
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