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いよいよ昨日へ
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「砂が完全に落ちたね、そろそろ力が発動するよ」
春佳は砂時計に目を向けると、金の砂は下に落ちきっていた。
突然砂時計が光りだし、宙に浮く。
「ソツギョウシキの時間をどうするかはハルカ次第だよ
仲直りか、キヨカズくんへの告白か
よく考えて選んでね」
ココは淡々と言った。
「ココは背中を押すだけだから、ハルカにとって悔いのない選択をすることを願うよ」
ココのその言葉を最後に、光の洪水が春佳を飲み込んだ。
春佳は瞼をゆっくりと開ける。
随分と長い夢を見た気がしたからだ。
「私ったら疲れてるのかな……女の子が現れて、昨日に戻すなんて……」
春佳は呟く。
卒業式の疲労が可笑しな夢の原因とも考えられるからだ。
『夢じゃないよ! 』
夢で聞いた声が春佳の耳元に響き、春佳は軽く飛び上がった。
「え……」
『スマ……なんとかっていうの見てよ!』
声は続いた。
何のことかすぐに分からなかったが、春佳の机に置いてあるスマートフォンを目にして、あれのことだと気づいた。
「もしかしてスマホのこと?」
春佳はスマートフォンに手を取って、声に訊ねる。
声は「そうだよ」と恥ずかしげに返事をした。
『長くて覚えられないんだもん』
声は続けて言った。
春佳は半信半疑で電源を入れて、今日の日付を確かめた。
二千××年三月二日となっている。
卒業式の日だ。
故障はあり得なかった。このスマートフォンは最近買って貰ったばかりだからだ。
「ウソみたい……」
『ココの力は凄いでしょ~』
ココは楽しげに喋った。
「気になったんだけど、どうして姿がないのにココの声がするの?」
『よく聞いてくれました! ココは願い主であるハルカがちゃんと願いが叶えられるかどうか見届けるの
過去の願い主もそうしたようにね
いわゆるユーレイみたいな感じだね
ちなみに今回は時を戻すことに力を使いすぎたため、見るだけに専念することになるよ』
「普段は力を使うのね?」
『そーだよ、時間を戻すのは久しぶりだったから疲れちゃった』
楽しさから一転、ココは不満げに言った。
『それよりソツギョウシキに行かなきゃ!』
「そうだったわね」
ココに言われ、春佳は身支度が整っていないことに気づいた。
春佳はスマートフォンを机に置き、朝食をとるために部屋を出ようとした矢先だった。
『あっ! そうそう!』
いきなりの声に、春佳はドアノブにかけようとした手を引っ込める。
ココは一々声が大きいと思った。
「何よ……」
『ココの声はハルカにしか聞こえないから気を付けてね』
「分かったわ」
春佳は今度こそ部屋を後にした。
目に見えない精霊と一緒に。
春佳は砂時計に目を向けると、金の砂は下に落ちきっていた。
突然砂時計が光りだし、宙に浮く。
「ソツギョウシキの時間をどうするかはハルカ次第だよ
仲直りか、キヨカズくんへの告白か
よく考えて選んでね」
ココは淡々と言った。
「ココは背中を押すだけだから、ハルカにとって悔いのない選択をすることを願うよ」
ココのその言葉を最後に、光の洪水が春佳を飲み込んだ。
春佳は瞼をゆっくりと開ける。
随分と長い夢を見た気がしたからだ。
「私ったら疲れてるのかな……女の子が現れて、昨日に戻すなんて……」
春佳は呟く。
卒業式の疲労が可笑しな夢の原因とも考えられるからだ。
『夢じゃないよ! 』
夢で聞いた声が春佳の耳元に響き、春佳は軽く飛び上がった。
「え……」
『スマ……なんとかっていうの見てよ!』
声は続いた。
何のことかすぐに分からなかったが、春佳の机に置いてあるスマートフォンを目にして、あれのことだと気づいた。
「もしかしてスマホのこと?」
春佳はスマートフォンに手を取って、声に訊ねる。
声は「そうだよ」と恥ずかしげに返事をした。
『長くて覚えられないんだもん』
声は続けて言った。
春佳は半信半疑で電源を入れて、今日の日付を確かめた。
二千××年三月二日となっている。
卒業式の日だ。
故障はあり得なかった。このスマートフォンは最近買って貰ったばかりだからだ。
「ウソみたい……」
『ココの力は凄いでしょ~』
ココは楽しげに喋った。
「気になったんだけど、どうして姿がないのにココの声がするの?」
『よく聞いてくれました! ココは願い主であるハルカがちゃんと願いが叶えられるかどうか見届けるの
過去の願い主もそうしたようにね
いわゆるユーレイみたいな感じだね
ちなみに今回は時を戻すことに力を使いすぎたため、見るだけに専念することになるよ』
「普段は力を使うのね?」
『そーだよ、時間を戻すのは久しぶりだったから疲れちゃった』
楽しさから一転、ココは不満げに言った。
『それよりソツギョウシキに行かなきゃ!』
「そうだったわね」
ココに言われ、春佳は身支度が整っていないことに気づいた。
春佳はスマートフォンを机に置き、朝食をとるために部屋を出ようとした矢先だった。
『あっ! そうそう!』
いきなりの声に、春佳はドアノブにかけようとした手を引っ込める。
ココは一々声が大きいと思った。
「何よ……」
『ココの声はハルカにしか聞こえないから気を付けてね』
「分かったわ」
春佳は今度こそ部屋を後にした。
目に見えない精霊と一緒に。
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