都市伝説解決いたします!〜四季さんは不思議な人〜

ニイロ

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花子さん

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 「すみません!! 部長、遅れました!! 」

  ある学校のある部室に少女が駆け込んでくる。

 少女の名前は秋宮 楓。オカルト部の部員で、この学校、如月高校の1年生である。

 「楓ちゃん!遅いよぉ!! ほら、はやくはやく! 」

 そして、このとてとてと付きそうな足取りでこちらに向かってくる小さい少女が四季しきいろどり、オカルト部の部長だ。他にも部員はいるのだが、今は2名でこのオカルト部は運営されている。

 「それで、部長。新しい噂ってなんですか?」

 噂の調査、解決を行う活動をするオカルト部。そんなオカルト部に舞い込んできた新たな噂。それを解決すべく、楓はこうして部室に足を運んでいた。

 「今まとめてたところだよぉ。今回の噂はコレ。」

 いろどりがパソコンの画面をこちらに向ける。画面には文字が羅列られつされていた。

 「花子さん…? 」

 よく聞きなれたその噂は、旧校舎または校舎の3階のトイレに現れるとされる都市伝説だった。

 「そう、花子さん。有名だよねぇ。でも、うちの高校では花子さんの噂なんて今まで無かったんだけどなぁ。」

 検索サイトに文字を打ち込みながら、いろどりはそう答えた。

 「えっ、今までなかったんですか? 」

 「そうだよぉ。うちの高校は比較的新しい高校だからねぇ。それこそ、花子さんとか、都市伝説的な噂って最近でてきたんだよぉ。」

 「へぇ、そうなんですね」

  相槌を打ちながら楓も検索画面を覗き込む。花子さんを呼び出す方法は至ってシンプル。校舎3階トイレの奥から三番目の扉を3回ノックと「花子さん、遊びましょ」の声掛けだけ。そうすると、花子さんが返事をしてくれるらしい。

 「呼び出し方も確認できたねぇ。それじゃあ校舎の3階トイレに行こっかぁ。」

 いろどりがそう言うと、楓が「えぇ!! 」と声を上げた。

 「なぁに楓ちゃん。もう慣れたでしょぅ? 」

 「ちょ、ちょっと待ってください!! まだ心の準備ができてないです…!! 」

 焦った様子でそう答える楓の顔は真っ青だ。

 「もう」

 呆れた顔で人差し指を立てる。

 「御札もあるし、私も居るんだよぉ? 何が怖いのぉ」

 「だってぇ」と半泣きで楓はいろどりに訴えかけた。

 「怖いもんは怖いんですもん」

 楓はお化けや都市伝説という類のモノは苦手だ。でも、こうしていろどりという命の恩人がいるからオカルト部にも属せている。

 「ほらぁ、行くよぉ! 」

 いろどりは楓を引きずりながら3階へ向かっていった。

 「とうちゃーーく!!」

 3階トイレに着いた途端トイレのスリッパを履くと、いろどりは奥から3番目のトイレへ進んでいく。

 「ちょ、ちょっとぉ!!待ってくださいって!!」

 「待たないよぉ」

 コンコンコンと3回ノックすると、「はーなこさん! あーそびましょ」

 シーンと沈黙が訪れる。

 「は、はぁぁぁぁ。やっぱり噂だったんだ。花子さんなんて」

 「はーぁーい」

 「ひっ」

 誰の声でもない、女の子の声が聞こえてきた。

 3番目のトイレの扉がきぃーと開く。

 「あそぼ」

 ひゃひゃひゃひゃひゃと気味の悪い笑い声を上げながら花子さんが出てくると、周りが赤く染まっていく。

 「おぉ、あなたが花子さんねぇ? 」

 いろどりが問う。

 「そうよ。そうよ。私が花子。あなたたちの噂の花子。」

 「や、ややややっぱり!!花子さんは実在してたんだ!! 」

 楓が叫び声をあげる。

 「楓ぇ、落ち着いてよぉ。まだ、こっちは危害も加えられてないんだからぁ。」

 「あなた、随分肝が据わっているのね。」

  ひゃひゃひゃと笑いながら後ろで手を組む。

 「いいわ、いいわ。思い切り遊びましょぉ!! 」

 左右から水弾が飛んでくる。

 「きゃっ」

 楓が悲鳴を上げた。

 対して、いろどりは腕を真っ直ぐに伸ばし手のひらを上に向け、何かを呟いている。

 「ひゃひゃひゃひゃひゃ! 」

 「ぶちょぉ!!!」

 花子さんが笑い、楓が悲鳴をあげる。

 「あなたの力、貸していただきます!!」





『河童』





 その呼び名をあげた途端、いろどりは1本の銃を握っていた。

 そう、いろどりの能力は過去に祓った都市伝説を武器に変換できるというもの。今回の河童は水属性のサブマシンガン。

 「部長!」

 「楓ちゃんは下がっててぇ。いっくよぉ!! 」

 地面を蹴り上げ花子さんの方へ一直線に進んでいく。銃が水をまとい始め、いろどりが構えると引き金を引いた。銃声音が辺りに鳴り響き、水弾が発射される。

 「甘いわね。そんなのじゃ、私を倒すことはできないわよぉ!!」

 「甘いのはそっちじゃないのぉ?」

 パチンと指を鳴らした。その瞬間、水弾がはじける。

 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!! 」

周りの赤が去っていく。

「うぅ、うぅ。」

赤が居なくなったあとには花子さんが1人、すすり泣いていた。

「それでぇ、こんなことをした動機はなぁに? 」

いろどりが尋ねる。

「ただ、ただ。私、遊びたかっただけなのぉ」

「そ、それだけ??」

「それだけって何よぉ!!私、病気がちであまり遊べなかったから、皆と遊びたかったのよぉ!」

「それならさぁ、オカルト部来ない?オカルト部なら、あなたと遊んであげられるよぉ。」

「ほ、ほんと?」

ほおけた幼い顔の花子さんは理解が追いつくと、だんだんと笑みを浮かべる。

「ありがとう」

そう言って、花子さんは2人に抱きついた。

「よぉしよぉし、これにて花子さん、無事解決ってね!」



花子さん無事解決━━━━!!!
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