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17 ホテルに一泊……見覚えあるホテルだなおい
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今野は青森の街の中のホテルを予約していた。フェリーターミナルからは20分程度。もう夜の12時を過ぎていて、辺りに車はほとんどなかった。
あの尾行、どうしてるんだろうな。
そうは思ったが、相も変わらずどこに誰がいるのか丸見えの状況だ。試合がいつ始まるのかさっぱりわからない心境だった。
やがてホテルに到着し、駐車場から建物を見上げて時宗は沈黙した。う~わ、見覚えありすぎるロゴ。
「……このホテル、取ったんだ?」
「? あぁ、ベッドがいいんだ。あと、夜中の3時頃までチェックインできるし」
それだけ言うと、今野は車からスーツケースを下ろし始めた。時宗も無言で手伝う。まさかね……。ここで自分に関係のある場所が出てくるなんて。いや、ここは青森、時宗の顔を知ってる奴なんかいないはず。
今野の後ろにくっついて、スーツケースのひとつを引っ張りながら玄関をくぐる。ロビーはすっきりしたデザインだが、それほど広いわけではない。
今野はすたすたと奥のフロントへ行くと、慣れた様子で宿帳を書き始めた。時宗の名刺をちゃんと財布から出して名前を書いている。そういや今は『南 時雄』の方だった。
時宗は自分の財布から現金を出して今野の脇に置き、周囲を見渡した。防犯カメラの位置をチェックして顔をそらす。
う~ん……なんていうか……。
ロビーの隅の電球が切れているのを見つけて、時宗は溜息をついた。東京に戻って今野の案件を処理したら、長期で手掛けている案件に戻らないと。弥次郎が反対するだろうと思って黙っているが、やっぱり相談した方がいいかもしれないな。
「部屋行くぞ」
今野に声をかけられ、時宗はスーツケースを押してエレベーターに向かった。スタイリッシュな内装だが、カーペットの掃除が行き届いてない感触なのが気になる。なんか全体的にどんよりしてんな。
エレベーターに乗り込むと、時宗はさりげなく今野に聞いた。
「このホテル、気に入ってるのか?」
「うん。今ちょっと評判落ちてるけど、オレは使いやすい。南条グループって、ホテル他にもあるから、会員になっとくとあっちこっちで割引使える」
「そうだな……プリンセス・ホテルは使うのか?」
「あっちは南条グループでも高級な方のチェーンだから使わね。ビジネスホテルのチェーンだけ」
「あ~、なるほど」
まぁそうだよな。あっちの系列に泊まるタイプじゃないし、仕事なら普通にビジネスホテルだろ。
今野はエレベーターの階数表示を見上げていた。少し眠そうだ。眠気覚ましのつもりなのか、今野はこの話題を続けた。
「南条ってあれだべ、ホテルだけでなくて、他もうまくいってないって、こないだネットのニュースで見た」
「……お前ニュース見るんだ」
むっとした顔で今野が視線を下ろした。
「オレだって一応見る」
「すまん。そうだよな」
謝ってから、時宗は考え事に戻った。ニュースになるほど、累積赤字は増えている。まぁそりゃそうだ、あんなやり方じゃ。東京を横断する鉄道路線の経営はなんとかなっているが、沿線の開発やデパートの方は……。
チン、と軽やかな音がしてドアが開き、今野が廊下に足を踏み出す。
大体、無駄遣いが過ぎるんだ。今どきゴルフ場なんかいらんだろ。自分がやりたいからって新設するか? あんな白亜の殿堂みたいなクラブハウスまで作って。どう考えたって兄貴が女連れ込むためのプライベート・ラブホじゃねぇか。
今野はスーツケースを引っ張って廊下を進み、一番奥のドアにカードキーを差し込んで開けた。時宗もくっついて入る。
どうでもいいけどこのスーツケース、マジで重いんだが。ほんっと、何が入ってんのか問い詰めたい。今野に倣って一番奥まで押していくと、時宗はほっと息を吐いた。
「シャワー浴びるか?」
靴を脱ぎ捨てながら今野が聞く。
「あ~、浴びる……」
「んじゃお前先に浴びれ。オレ後でいい」
「いいのか? すまん」
今野は奥のベッドにバッグとリュックを置き、コートを脱いだ。どうやら時宗は入り口側のベッドということらしい。
バッグの中身を出して寝る支度を始めた今野をぼんやり見ながら、時宗は自分もリュックを下ろし、ダウンジャケットを脱いだ。部屋の温度はちょうどよく、ストレスなく眠れそうだ。
必要な物をリュックから出すと、時宗はシャワーに向かう。バスルームはひんやりしていたものの、清掃自体は行き届いていて清潔だった。まぁ……そりゃそうか。ここがダメならおしまいだ。
洗面台のアメニティをざっと見てから、時宗はシャワーを浴び始めた。
なんつうか、全体に貧乏くさいんだよな。
予算が足りていない感じがする。食事がどんなふうなのかも確認したかったが、今野はおそらく素泊まりで予約したはず。明日の朝は出発してから適当に食べるつもりだろう。
アメニティのシャンプーに手を伸ばし、小袋を破る。とろりとしたシャンプーを泡立てて髪を洗いながら、時宗は舌打ちした。やっすいシャンプー使ってんな。ギシギシじゃねぇか。
アホみたいなクラブハウス建てるなら、こういうとこにちゃんと金使えよ。
ネットの紹介動画で、新設のゴルフ場とその付属クラブハウスを最初に見た時には呆れかえった。
そもそもあのバカ兄貴は女にいくら注ぎ込んでんだ。志緒里さんも苦労してんだろな。
志緒里さんというのは、時宗の兄、時頼の妻だ。
この、出来損ないの歴史オタクがつけたような兄弟の名前は、時宗の曽祖父が始めた。曾祖父は中学校までしか出ておらず、祖父も大学出とはいえ歴史に興味がない。南条という名字から連想して、適当に過去の偉人の名前を探して子供の名前にしたそうな。
兄の時頼は名前は立派だが、しょうもない性格だった。高校時代から素行が悪く、高3にしてすでに後輩を妊娠させ、金でもみ消した過去がある。大学卒業後に家同士の政略で、ある会社の社長の娘である志緒里と結婚したのだが、時頼がそんなことでおとなしくなるはずもなく、周囲には常に複数の女がいた。本人は取り立てて能力があるわけではなく、ただ父親の威を借りて女を口説く以外に何もしていない。
志緒里さん、離婚する気はないんだろうか。いや……できないわな。会社ごと放り出されたら両親の人生が詰む。優香里ちゃん何歳になったんだっけ。
確か2歳だ。
時頼と志緒里との間には娘がいる。可愛い盛りだろうとは思うが、いかんせん時宗はその姪に一度も会ったことがない。
なんつうか、あいつら他人の人生を何とも思ってねぇんだよ。
父も兄も、常に他人を蹴散らして生きている。
トリートメントの小袋も大したことがなかった。イライラしながら体を洗い、残りの作業を終えてバスルームを後にする。
部屋の電気は穏やかな暗さに落とされ、今野は自分のベッドに寝転がり、うつらうつらしていた。
「終わったぞ~。先に使わせてもらって悪いな」
「ん」
今野は短く言うと、のっそり起き上がった。すでに裸足だ。眠気で目がとろんとしていて、背中が丸まっている。その姿を見ると、我知らず心がほぐれる気がした。
ぺたぺたと今野がバスルームに向かうのを見送って、時宗はベッドに横たわった。
いくら運転が好きって言っても、長時間は疲れるだろうに。先にシャワーを使わせてくれた今野は、父や兄とは違って、無言の思いやりをもっている。
俺が後にすればよかった。悪いことしたな。
そうは言っても、時宗も疲れていた。夕べは熟睡しないように壁に寄りかかり、ほとんど寝ていない。何もせず助手席に座りっぱなしというのも、運転とはまた違った気疲れがある。フェリーのカーペットは硬く、体はあまりリラックスできなかった。
要するに、時宗も眠かったのだ。
一族の問題はこの際どうでもいい。
今野は明日何時に起きるんだろう? 手を伸ばしてスマホをいじる。朝……7時にアラームをセットしておけばいいだろうか。今野がシャワーから戻ってきたら、明日起きる時間を聞いて……俺も、ちゃんと振動で起きられるように……。
あの尾行、どうしてるんだろうな。
そうは思ったが、相も変わらずどこに誰がいるのか丸見えの状況だ。試合がいつ始まるのかさっぱりわからない心境だった。
やがてホテルに到着し、駐車場から建物を見上げて時宗は沈黙した。う~わ、見覚えありすぎるロゴ。
「……このホテル、取ったんだ?」
「? あぁ、ベッドがいいんだ。あと、夜中の3時頃までチェックインできるし」
それだけ言うと、今野は車からスーツケースを下ろし始めた。時宗も無言で手伝う。まさかね……。ここで自分に関係のある場所が出てくるなんて。いや、ここは青森、時宗の顔を知ってる奴なんかいないはず。
今野の後ろにくっついて、スーツケースのひとつを引っ張りながら玄関をくぐる。ロビーはすっきりしたデザインだが、それほど広いわけではない。
今野はすたすたと奥のフロントへ行くと、慣れた様子で宿帳を書き始めた。時宗の名刺をちゃんと財布から出して名前を書いている。そういや今は『南 時雄』の方だった。
時宗は自分の財布から現金を出して今野の脇に置き、周囲を見渡した。防犯カメラの位置をチェックして顔をそらす。
う~ん……なんていうか……。
ロビーの隅の電球が切れているのを見つけて、時宗は溜息をついた。東京に戻って今野の案件を処理したら、長期で手掛けている案件に戻らないと。弥次郎が反対するだろうと思って黙っているが、やっぱり相談した方がいいかもしれないな。
「部屋行くぞ」
今野に声をかけられ、時宗はスーツケースを押してエレベーターに向かった。スタイリッシュな内装だが、カーペットの掃除が行き届いてない感触なのが気になる。なんか全体的にどんよりしてんな。
エレベーターに乗り込むと、時宗はさりげなく今野に聞いた。
「このホテル、気に入ってるのか?」
「うん。今ちょっと評判落ちてるけど、オレは使いやすい。南条グループって、ホテル他にもあるから、会員になっとくとあっちこっちで割引使える」
「そうだな……プリンセス・ホテルは使うのか?」
「あっちは南条グループでも高級な方のチェーンだから使わね。ビジネスホテルのチェーンだけ」
「あ~、なるほど」
まぁそうだよな。あっちの系列に泊まるタイプじゃないし、仕事なら普通にビジネスホテルだろ。
今野はエレベーターの階数表示を見上げていた。少し眠そうだ。眠気覚ましのつもりなのか、今野はこの話題を続けた。
「南条ってあれだべ、ホテルだけでなくて、他もうまくいってないって、こないだネットのニュースで見た」
「……お前ニュース見るんだ」
むっとした顔で今野が視線を下ろした。
「オレだって一応見る」
「すまん。そうだよな」
謝ってから、時宗は考え事に戻った。ニュースになるほど、累積赤字は増えている。まぁそりゃそうだ、あんなやり方じゃ。東京を横断する鉄道路線の経営はなんとかなっているが、沿線の開発やデパートの方は……。
チン、と軽やかな音がしてドアが開き、今野が廊下に足を踏み出す。
大体、無駄遣いが過ぎるんだ。今どきゴルフ場なんかいらんだろ。自分がやりたいからって新設するか? あんな白亜の殿堂みたいなクラブハウスまで作って。どう考えたって兄貴が女連れ込むためのプライベート・ラブホじゃねぇか。
今野はスーツケースを引っ張って廊下を進み、一番奥のドアにカードキーを差し込んで開けた。時宗もくっついて入る。
どうでもいいけどこのスーツケース、マジで重いんだが。ほんっと、何が入ってんのか問い詰めたい。今野に倣って一番奥まで押していくと、時宗はほっと息を吐いた。
「シャワー浴びるか?」
靴を脱ぎ捨てながら今野が聞く。
「あ~、浴びる……」
「んじゃお前先に浴びれ。オレ後でいい」
「いいのか? すまん」
今野は奥のベッドにバッグとリュックを置き、コートを脱いだ。どうやら時宗は入り口側のベッドということらしい。
バッグの中身を出して寝る支度を始めた今野をぼんやり見ながら、時宗は自分もリュックを下ろし、ダウンジャケットを脱いだ。部屋の温度はちょうどよく、ストレスなく眠れそうだ。
必要な物をリュックから出すと、時宗はシャワーに向かう。バスルームはひんやりしていたものの、清掃自体は行き届いていて清潔だった。まぁ……そりゃそうか。ここがダメならおしまいだ。
洗面台のアメニティをざっと見てから、時宗はシャワーを浴び始めた。
なんつうか、全体に貧乏くさいんだよな。
予算が足りていない感じがする。食事がどんなふうなのかも確認したかったが、今野はおそらく素泊まりで予約したはず。明日の朝は出発してから適当に食べるつもりだろう。
アメニティのシャンプーに手を伸ばし、小袋を破る。とろりとしたシャンプーを泡立てて髪を洗いながら、時宗は舌打ちした。やっすいシャンプー使ってんな。ギシギシじゃねぇか。
アホみたいなクラブハウス建てるなら、こういうとこにちゃんと金使えよ。
ネットの紹介動画で、新設のゴルフ場とその付属クラブハウスを最初に見た時には呆れかえった。
そもそもあのバカ兄貴は女にいくら注ぎ込んでんだ。志緒里さんも苦労してんだろな。
志緒里さんというのは、時宗の兄、時頼の妻だ。
この、出来損ないの歴史オタクがつけたような兄弟の名前は、時宗の曽祖父が始めた。曾祖父は中学校までしか出ておらず、祖父も大学出とはいえ歴史に興味がない。南条という名字から連想して、適当に過去の偉人の名前を探して子供の名前にしたそうな。
兄の時頼は名前は立派だが、しょうもない性格だった。高校時代から素行が悪く、高3にしてすでに後輩を妊娠させ、金でもみ消した過去がある。大学卒業後に家同士の政略で、ある会社の社長の娘である志緒里と結婚したのだが、時頼がそんなことでおとなしくなるはずもなく、周囲には常に複数の女がいた。本人は取り立てて能力があるわけではなく、ただ父親の威を借りて女を口説く以外に何もしていない。
志緒里さん、離婚する気はないんだろうか。いや……できないわな。会社ごと放り出されたら両親の人生が詰む。優香里ちゃん何歳になったんだっけ。
確か2歳だ。
時頼と志緒里との間には娘がいる。可愛い盛りだろうとは思うが、いかんせん時宗はその姪に一度も会ったことがない。
なんつうか、あいつら他人の人生を何とも思ってねぇんだよ。
父も兄も、常に他人を蹴散らして生きている。
トリートメントの小袋も大したことがなかった。イライラしながら体を洗い、残りの作業を終えてバスルームを後にする。
部屋の電気は穏やかな暗さに落とされ、今野は自分のベッドに寝転がり、うつらうつらしていた。
「終わったぞ~。先に使わせてもらって悪いな」
「ん」
今野は短く言うと、のっそり起き上がった。すでに裸足だ。眠気で目がとろんとしていて、背中が丸まっている。その姿を見ると、我知らず心がほぐれる気がした。
ぺたぺたと今野がバスルームに向かうのを見送って、時宗はベッドに横たわった。
いくら運転が好きって言っても、長時間は疲れるだろうに。先にシャワーを使わせてくれた今野は、父や兄とは違って、無言の思いやりをもっている。
俺が後にすればよかった。悪いことしたな。
そうは言っても、時宗も疲れていた。夕べは熟睡しないように壁に寄りかかり、ほとんど寝ていない。何もせず助手席に座りっぱなしというのも、運転とはまた違った気疲れがある。フェリーのカーペットは硬く、体はあまりリラックスできなかった。
要するに、時宗も眠かったのだ。
一族の問題はこの際どうでもいい。
今野は明日何時に起きるんだろう? 手を伸ばしてスマホをいじる。朝……7時にアラームをセットしておけばいいだろうか。今野がシャワーから戻ってきたら、明日起きる時間を聞いて……俺も、ちゃんと振動で起きられるように……。
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