探偵君の憂鬱な恋愛 ─惚れた相手は運び屋でした─

夜野綾

文字の大きさ
21 / 44

21 お前の過去を聞かせてくれ……るのはいいが、俺のことアホタレって言ったか?

しおりを挟む
 今野は青森の街を南へ抜け、国道を通って東北自動車道に乗った。
 高速道路は人がいないところを通っている。車の中から見る限り、時宗には北海道との違いがあまりわからない。青森の方が「山の中を通っている」という感覚が多いぐらいだろうか。
 ただ、どちらも空が広い。頭の上に、薄い青空がずっと広がっている。キンと澄んだ色は吸い込まれるような透明感に満ちていた。
 後ろがいなきゃ最高の旅なんだがな。
 例のセダンは、やはり後ろにいた。料金所を抜けた今野はバックミラーで後ろを確認し、溜息をついている。それでも運転にブレはなく、常にきっちりと交通ルールを守っていた。
 しばらく走り、状況に動きがなくなったころ、時宗は切り出した。
「なぁ、後ろからついてきてるのって、何者なんだ?」
 今野は再びバックミラーをちらりと見た。
「……」
「答えないつもりか? あんなにあからさまなのに」
 無言のまま真っ直ぐ前を向き、今野は唇を引き結んで黙り込んでいる。
 溜息をつき、時宗は続けた。
「言っていいか?」
「……なんだ」
「ここは高速道路だ。あの車にドつかれるとか、普通に事故ったりとか……何かトラブった時、俺はお前と一緒に死ぬことになる。それに、お前が背中の積み荷とトンズラすれば、俺も、とばっちりを食らうことになる。俺はその可能性を含めてお前に『乗った』。東京まで、お前は文句つけるなと言った。でもひとつ言わせろ。俺はお前が『自分も東京に行く』と言ってくれた時、嬉しかった。だから一緒に車に乗ると決めた。お前と運命共同体になる覚悟でな。なのに俺はまだ、自分がいつどんなふうにお前と運命共同体になるのかを何も知らない」
 唇を引き結んだまま、今野はしばらく答えなかった。
 白い景色は続いている。どこまでも続く道の両側は、風を避けるための林や丘で見通しは悪い。それでも、雪原の果てへ2人は一緒に走り続けている。
 今野。会ったばかりだとお前は思うかもしれないけど、俺はお前に信頼してもらいたいんだ。乱暴に拒絶するんじゃなく、笑ってほしいんだ。俺は自分の事情を脇に置いて、お前のために笑う。お前が手を伸ばしたパンに、俺も手を伸ばす。小さいことだけど、そういうのがきっと人生を作っている。
 時宗はじっと待った。
 今野はもう一度バックミラーを見て、ぼそっと言った。
「……色々、あったんだ」
「しゃべる時間はあるだろ」
「だな」
 そう返事をすると、今野は前を向いたまま力なく微笑んだ。
「でもオレ、説明下手くそなんだ」
「知ってる。お前がしゃべりやすいところから、ゆっくり始めればいい」
 今野は、どこから話し始めるか考えている顔になった。時宗はその横顔を眺める。時間はあるんだ。なぁ、お前のことを教えてくれよ。俺に何かできることはあるかもしれない。
「……じいさん、東京のどこに住んでんだ?」
 だいぶ遠くから始めたな。時宗は笑いそうになった。いいさ。とことん付き合ってやるよ。
「俺は聞いてないんだ。肺ガンが悪化して、病院にいるってファイルには書いてあった」
「そうなんか」
 今野はバックミラーを見ると、ぽつぽつ続けた。
「母さんが東京出身だってのは聞いてた。札幌に仕事で来て1年住んでた時に、父さんと知り合ったんだって。父さんは札幌で、自動車整備の会社やってた。車が好きで、オレも子どもの頃、いっぱい教えてもらったし、カート乗りに連れてってもらったりしてた」
 生まれた時から車と一緒だったのか。子どもの頃の今野を想像する。きっと可愛かったに違いない。車に目を輝かせる少年を思い浮かべて、時宗は微笑んだ。
「運転歴長いんだな」
「うん。カート面白かった。学校から帰ってきたら、父さんの仕事見てた。母さんは事務室で仕事したり、中古車売ったりしてた」
 今野の目が暗くなる。
「でも、オレが高3の時に母さんがガンで死んで、全部変わった。オレは高校は卒業したんだけど、金ないから大学には行かないで、父さんのとこで仕事を始めた。
 ……父さんは、母さんがほんとに好きだったんだ。健康診断でガンが見つかって、それから母さんはあっけなく死んじゃって。父さんはそれで精神的にまいったんだろな。酒ばっかり飲んで、気を紛らわすのにパチンコ始めたんだ。のめりこんで、中毒になって……。気がついた時には、もう取返しのつかないことになってた。会社の土地も建物も、何もかも抵当に入ってて、父さんはヤクザにまで金を借りてて……」
 最後の方は、喉に引っかかったような声になっていた。しばらく黙ってから、今野は続けた。
「オレが20歳になる頃、父さんは死んだ。ヤクザどもに、風邪薬かなんか、変なのをいっぱい飲まされて、道端で。病気なのか転んだのか、さっぱりわかんない理由で死んだんだ。すごい額の生命保険がかけられてたけど、受取人はオレじゃなかった。オレは……保険がかけられてることも知らんかった。金がどこに行ったのかも知らね。
 会社がなくなって、オレはガソリンスタンドで働いてた。
 でもあいつら、がめついんだ。父さんの命を絞って金をふんだくったくせに、借金がまだあるって、オレんとこに来た」
「いくらぐらいだ?」
「あん時言われたのは、1000万だった。バカじゃねぇのか。保険で回収したくせに、まだ足りないなんて。嘘だと思った」
 闇金か。トイチ、トゴ。十日で一割、十日で五割などという、とんでもない利息で貸し出し、悪魔のように人の命を吸い尽くす連中は存在する。
「それでオレ頭にきて、車で逃げた」
「おいおい」
 すげぇな。今野ってもしかして、本当はけっこう強気の性格なんじゃねぇのか?
「農道とか、裏道通ってぶっ飛ばして、札幌から砂川あたりまで逃げたんだけど」
 バックミラーを見て、今野は顔をしかめた。その時のことを思い出したらしい。砂川がどこだか知らんが、だいぶ粘ったということか。
「あとちょっとで完全にまけるってとこでガス欠になって、捕まった」
 その硬い声音に、時宗はぞっとした。逃亡に失敗してヤクザに捕まるなんて、半端な恐怖じゃない。それが20歳の時だって?
「タコ殴りにされて、殺されるって時に、あいつらの事務所の上の方の奴がオレに話を持ち掛けてきた。運転がうまいから、殺すのはもったいない。借金返せるように金を出してやるから、運び屋やれって」
 そういう経緯ね。時宗は納得がいった。
「それから、あのアパートに住めって言われて、あそこにいる。あいつらが使ってる不動産屋があって、管理されてんだ。それまで持ってた物は全部取り上げられて、なんにもなくなった。仕事ない時はなんもすることないって言ったら、PCは買っていいって金渡された。あと、車は仕事道具だから、ちゃんとした車じゃないと嫌だってオレが言ったんだ。どうせならと思って乗りたい車言ったら、買っていいって。警察に足がつかないように、毎年取り替えてる。
 オレは一応、あのアパート扱ってる不動産屋の社員ってことになってる。でも仕事は……あっちこっちに、言われた物を運ぶこと」
「何運んでるんだ?」
「スーツケースは鍵かってて開かさんないから知らね。多分クスリとか銃とか、そんなん。……人も運んだことある。今、後ろに乗っかってんのは金だと思う。あいつらに言われた。警察には絶対に捕まるな。捕まっても雇い主のことは絶対に吐くな」
 だから足抜けができないのか。やめると言えば口封じに殺されるだけだ。
 今野は静かな声で言った。
「オレは、もうダメなんだ。この先はなんもない。あいつらに殺されるか、警察に捕まるか、それとも、どっかで事故るか。だから帰れって言った。誰か来たって、オレは乱暴に追い返すしかねぇ。あのアパートだって、あいつらが時々見に来る。仲良くしたら、来た奴に悪いことが起こる」
 それで最初に、こいつは俺の顔をドアでブン殴ったんだ。あの乱暴な出会いは、今野の精一杯の優しさだったんだな。……で?
「じゃあ、なんで俺は部屋に入れた?」
「今まで、なんかの用事で来た奴は何人かいた。でも、寒い外で何時間もオレを待ってたアホタレはお前だけだ」
「……アホタレって」
「あんなとこに立ってて、あいつら来たらヤバいことになる。夜中に凍死して警察に来られても困る。だから一晩泊めて、うまいこと言って東京に帰そうと思ったんだ」
 今野お前、俺のことをアホタレって言ったか?
「そしたら仕事入って」
「で、アホタレの俺を東京まで連れて行こうと思ったわけだ。……いつもああやって、お前が逃げないように見張ってるのか?」
 今野は、極端に遅いトラックを追い越すためにウィンカーを上げた。危なげなく余裕を持って車線変更し、トラックを抜くと滑らかに元の車線に戻る。
「久しぶりだ。オレが……ヘマしたから」
「ヘマ?」
 今野は、ひどく寂しそうな顔をした。
「うん。ヘマした。お前のせいだ。お前が……」
 視線がこちらを向く。一瞬時宗を見据え、また車の進行方向に戻る。
「夢なんか持ってくるから」
 夢。
「オレはバカだ。一瞬でも、もしかしたらって思った。午前中に荷物を受け取りに行った時に、オレは言っちゃったんだ」
「何を?」
「『もしもの話だけど、もし足抜けするとしたら、いくら金が必要なんだ』って」
 あぁ……。
 時宗は目をつぶった。
 今野。お前はそれを夢って言うのか。
「どうしてオレは口に出したんだろ。あいつらは、オレが逃げる気だって思ったんだ。荷物を受け取ったところから、もうあいつらはオレの後をああやってつけだした。だから思ったんだ。お前を連れて行こうって」
 どうつながる?
 今野は静かだった。どこまでも静かだった。足跡のない雪原を見つめる、あの目だ。
「この仕事が最後だ。多分、今回の荷物を届け終わったら、オレは……殺される。だったら、せめて……ひとりじゃない方がいい。父さんが死んでから、オレには誰もいなかった。
 仲良くなった奴はお前だけで、オレに夢なんか持ってきた一番嫌いな奴も、お前だ。道連れにすんのにちょうどいい」
「それは……どうも」
 今野を見る。泣きそうな顔で、今野はバックミラーに目をやった。唇を噛みしめ、必死で何事もない顔を装っている。でも、途中で時宗の視線に耐え切れなくなったように、今野はむこうを向いた。
「今野。お前は俺が嫌いなのか?」
 ぐす、と鼻をすすり、今野は正面を見た。運転だけは丁寧なままだ。
「知らね。一緒にいたら楽しくて、友だちだったらよかったのにって思う。でもお前は、オレの人生を終わりにした。だから嫌いだ。好きな奴も嫌いな奴も、お前しかいねぇ」
「そりゃ……人手不足になると、友人も一人二役か。忙しいな」
 時宗はしばらく考えていた。
 過酷な人生に、適当な言葉は言えない。今野はずっと耐えてきたのだ。孤独に、恐怖に、人生に。
「今野」
「なんだ」
「人生が終わりにならなかったら、俺はお前の友だちになれるか?」
 この際だ。恋人なんていう贅沢は言わない。お前が生き延びてくれれば、俺の人生は大成功だ。
「……終わりにならない方法なんかない」
「あるかもしれないぞ? アホタレの俺でも、まぁ頑張って知恵を絞ってみるからさ。ダメなら一緒にバックレようぜ」
 軽い調子で言ってやると、今野は弱弱しく微笑んだ。
「どこにバックレんだ」
「俺んち。正確には、俺の叔父のうちだけど」
「お前、ほんとにアホタレだな」
 今野はぐすんと鼻を鳴らした。時宗は励ますように笑って見せる。
「言ったな。約束しろ。俺も一緒に考えるから。人生がこれで終わりにならなかったら、ちゃんと俺を友だち認定しろよ?」
 かなり長いこと鼻をすすりながら運転していた今野は、30分も経った頃、やっとティッシュで鼻をかみ、「わかった」と小さく答えた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

ある日、友達とキスをした

Kokonuca.
BL
ゲームで親友とキスをした…のはいいけれど、次の日から親友からの連絡は途切れ、会えた時にはいつも僕がいた場所には違う子がいた

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

聖者の愛はお前だけのもの

いちみりヒビキ
BL
スパダリ聖者とツンデレ王子の王道イチャラブファンタジー。 <あらすじ> ツンデレ王子”ユリウス”の元に、希少な男性聖者”レオンハルト”がやってきた。 ユリウスは、魔法が使えないレオンハルトを偽聖者と罵るが、心の中ではレオンハルトのことが気になって仕方ない。 意地悪なのにとても優しいレオンハルト。そして、圧倒的な拳の破壊力で、数々の難題を解決していく姿に、ユリウスは惹かれ、次第に心を許していく……。 全年齢対象。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...