黒白英雄戦記

1章白の英雄誕生

４

「着いた…。」
「雄牙、スラム街なのよね、ここ？」
「そうだけど、大丈夫…。僕が着いてるから。」
「頼りにしてるね。」とシホは雄牙の頬にキスした。
「任せて。」と言いながら、照れ笑いを浮かべていた。
スラム街に入っていた。
街に入るとぼろぼろの服を着た男が出迎えた。
「よう、ご両人。この街に何の用だい？」
「僕達はこの街を通り過ぎるだけだ。」
「おう、そうかい？迂回することを勧めるぜ、この街のドンに見つかったらそれで終わりだ…。」
「ご忠告ありがとう。」
「ヘヘえ、どういたしまして。」とナイフを出し、襲ってきた。
「おっと、シホ、こっちに！」
「はい！」
「かわしやがった…。なら、これでどうだ、フレイム！」
「サイレント…。」
「俺の炎が消えた…。どうなってんだ、これは…。逃げるしかねぇ、あばよ！」
「待って！」
「ぐわぁ！やめてくれ、命だけは…。助けてくれ！ぎゃあー…。」と突然の悲鳴と同時にその場に倒れた。
「なんだ、今のは…。」
「さぁ、なんだろうね？」と突然空から小さな妖精みたいなのが現れ、話しかけてきた。
「お前、何者だ！」
「悪魔さ、お前達も逃がさない。バインドチェーン！」
「サイレント！」
「無駄さ、悪魔の魔法は強大、止められないよ、銀髪の少年。そして、緑髪の少女、君も受けてもらう。」
「えっ、何これ気持ち悪い…。心の中が覗かれる、いやー…。」と意識を失った。
「刺激が強かったみたいだね…。君には人質になってもらうよ、チェンジ。」
シホと死んだ奴との場所が入れ替わった。
「緑髪の少女を返して欲しければ、バックファイトに出ることだ、じゃあね、エスケープ…。」と悪魔とシホは姿を消した。
「ちくしょう！」
(ゼロ、奴らはどこへ行った？)
(…。)
(ゼロ！反応がない…。奴の魔法の影響か…。)
「バックファイトの会場はあの大きな建物か…。」

どこか暗い部屋であの悪魔が誰かと話し始めた。
「マスター、次は銀髪の少年がチャレンジです。どうなりますかね？」
「楽しめれば良い…。この女は良い、緑の髪と良い、汚れを知らないこの雰囲気最高だ、でかしたぞ、アスモ…。」
「ありがたきお言葉…。」
(これで私の力が一番になる、悪魔の中では…。)
「お前達、銀髪の少年を迎えてやれ！」
「おうさ！」と数人がその場をあとにした。