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「西川翔真さん、残念ですが、癌です。」
「どれくらい生きられますか?」
「持って一年でしょう…。」
最悪だ、世間ではクリスマスイブでお祝いムードなのに僕は21で癌で余命宣告をされるクリスマスプレゼントなんて…。
僕は失意の中、クリスマスで浮かれる町の中を歩いた。
楽しい声も明るいツリーの光も全然目に入らなかった。
僕は前もよく見てなかったため、僕の方に向かって歩いていた女の人に気がつかず、ぶつかってしまった。
「…。」
「大丈夫ですか?」
「はい…。」
「不幸そうな顔してるね、付いてきて!」と僕の手を引っ張って誰もいない公園に連れてきた。
「君はどんな歌が好き?」とギターケースからギターを出しながら聞いていた。
「ラブソング…。」
「じゃあ、知ってそうなラブソング歌うね。」
「…。」
彼女は歌を歌い始めると、押し潰されそうな心の内が軽くなり、僕は涙を流していた。
「どうした、何かあったの?」
「僕はあと一年しか生きられないんだって…。笑えるよね、クリスマスプレゼントに余命宣告されるなんて…。」
「そうなんだ、でも神様は越えられない壁を与えないんだって、越えられるよ。」
「余命一年を越えることですか?それを越えても空しいだけですし、苦しみが続くだけです。」
「余命一年っていうのはわからないでしょ?私はね、今ある命を全力で生きてる。明日を迎えるために今日を後悔しないように生きる。君もそれをやってみて、幸せですと言えるようになったら、今度はたっぷり聞いて。」
「はい…。」
彼女は僕に何かメモを渡して去ってしまった。
メモには彼女のSNSのアドレスが書いてあった。
僕は家に帰り、母に電話をした。
「もしもし、お母さん。大事な話があるんだけど、良いかな?」
「どうしたの、翔真。また、体調が悪いの?」
「実は癌なんだ、余命が一年しかないんだって…。ごめん、ごめんなさい。」
「翔真、なんでごめんなのよ。翔真の方が辛いのに…。」
「ごめん、もう切るね…。ごめんなさい…。」
翔真は電話を切り、一人で大声で泣いた。
涙が出なくなるほど泣いて、あの人が言っていた通り、1日に後悔することのないように生きようと誓った。
「どれくらい生きられますか?」
「持って一年でしょう…。」
最悪だ、世間ではクリスマスイブでお祝いムードなのに僕は21で癌で余命宣告をされるクリスマスプレゼントなんて…。
僕は失意の中、クリスマスで浮かれる町の中を歩いた。
楽しい声も明るいツリーの光も全然目に入らなかった。
僕は前もよく見てなかったため、僕の方に向かって歩いていた女の人に気がつかず、ぶつかってしまった。
「…。」
「大丈夫ですか?」
「はい…。」
「不幸そうな顔してるね、付いてきて!」と僕の手を引っ張って誰もいない公園に連れてきた。
「君はどんな歌が好き?」とギターケースからギターを出しながら聞いていた。
「ラブソング…。」
「じゃあ、知ってそうなラブソング歌うね。」
「…。」
彼女は歌を歌い始めると、押し潰されそうな心の内が軽くなり、僕は涙を流していた。
「どうした、何かあったの?」
「僕はあと一年しか生きられないんだって…。笑えるよね、クリスマスプレゼントに余命宣告されるなんて…。」
「そうなんだ、でも神様は越えられない壁を与えないんだって、越えられるよ。」
「余命一年を越えることですか?それを越えても空しいだけですし、苦しみが続くだけです。」
「余命一年っていうのはわからないでしょ?私はね、今ある命を全力で生きてる。明日を迎えるために今日を後悔しないように生きる。君もそれをやってみて、幸せですと言えるようになったら、今度はたっぷり聞いて。」
「はい…。」
彼女は僕に何かメモを渡して去ってしまった。
メモには彼女のSNSのアドレスが書いてあった。
僕は家に帰り、母に電話をした。
「もしもし、お母さん。大事な話があるんだけど、良いかな?」
「どうしたの、翔真。また、体調が悪いの?」
「実は癌なんだ、余命が一年しかないんだって…。ごめん、ごめんなさい。」
「翔真、なんでごめんなのよ。翔真の方が辛いのに…。」
「ごめん、もう切るね…。ごめんなさい…。」
翔真は電話を切り、一人で大声で泣いた。
涙が出なくなるほど泣いて、あの人が言っていた通り、1日に後悔することのないように生きようと誓った。
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