国を変えた乙女

桐夜 白

文字の大きさ
4 / 8
第一羽 天誅!さらば姉よ

天誅!さらば姉よ 3

しおりを挟む


「ラーイラ!」


「リアラ御姉様」


「嗚呼!私の可愛い妹!ライラ!
今日も美しいわ」



黒い髪縦ロールに巻き、黒い瞳に透き通るような白い肌と美しい声を持つソノ白いドレスの女性は、リアラ・ヴェル・アリーデ・エデスティア。
ライラ・ヴェル・アリーデ・エデスティアの実姉だ。


彼女は奴隷制度を推奨している大一派のトップに立つ国の姫で、未来の女王と呼ばれていた。
エデス国ルルティア歴三五八年、時は正に奴隷制度の全盛期を迎えていた。
周辺諸国を領土とし、戦略で劣ることのない知能の素晴らしさを発揮したエデス国は、まさに大陸の覇者だった。
だが、周辺諸国から問題視されていたのが、例の奴隷制度だ。


ソレに異を唱えたのが、第二王女であるライラ・・ヴェル・アリーデ・エデスティアである。
彼女の声は周辺諸国にまで届き、支持を集めた。
だがソレは同時に、国を裏切るも同然のことであった。
何せ、奴隷制度で全盛期を迎え戦をも奴隷たちを使って勝利を収めてきたエデス国の兵は、指示を出す将軍くらいで高みの見物さえ出来たからだ。
ソレが、ライラ姫は納得いかなかった。



「また奴隷の遺品を見ているの?
そんなもの放っておきなさいよ」


「いえ、でも…、御姉様、わたくしは…!」


「私の奴隷たちを御覧なさい!
金髪に蒼い目、黒い肌に紅い唇、どれも不可思議でおかしな不細工どもよ?
やはり大陸で、いいえ、世界で一番美しいのは、神が御選びになったコノ私達の国、エデス国なのよ!
白く透き通るような白い肌に、間反対の黒い髪に黒い目、美しいわ!
ソノ象徴が、ア・ナ・タ!よっ!ライラ!

貴女は誰よりも美しく生まれてきた。
声も、容姿も、歌声も、何もかも。
だから御姉様は不思議なのよ?
どうして奴隷など庇うのかって?
こんなもの、いくらでも変わりを用意すればいいじゃない」



ライラは内心怒りがこみ上げあるのを感じた。
御姉様も、この考えを持つ民も、国も間違っていると。
でも、どうして誰もソレに気づきはしないのだろう。
どうして誰もソレに気づきはしないのだろう。
おかしなことだ、おかしなことだ、遺憾でしかない、悔しくて仕方ない。



なら動こう、権力を持つ、私が。
姫であり自国の未来を担うかもしれないわたくしが。
知能で勝るなら、知能で勝てば良い。
わたくし達には、言葉や対話という方法がある。
そうだ、言葉が、あるんだ、対話が出来るんだ。
なら、勝ちに行こうじゃないか。


 ──わたくしは、未来を変えてみせる。
コノ国の、未来の為にも…、そうコノ国の、未来の為にも…!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】悪の尋問令嬢、″捨てられ王子″の妻になる。

Y(ワイ)
ファンタジー
尋問を生業にする侯爵家に婿入りしたのは、恋愛戦略に敗れた腹黒王子。 白い結婚から始まる、腹黒VS腹黒の執着恋愛コメディ(シリアス有り)です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

No seek, no find.

優未
恋愛
経理部で働くアマラは結婚相手を探して行動を始める。いい出会いがないなと思う彼女に声をかけてきたのは、遊び人の噂もある騎士オーガスタで―――。

処理中です...