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第8話 恩返しは婚約破棄で
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煌びやかなパーティー会場の中を、クライド殿下とミランダ嬢が歩いて行く。
王太子殿下の隣で、さらにその腕を取るミランダ嬢の存在に、周りは怪訝な表情をしつつも、道を開けていた。
おそらくここにいる者たちの中で、ミランダ嬢を知る者などいないだろう。けれど道を開けるのは、相手がクライド殿下であり、王太子だったからだ。
さらにいうとクライド殿下は、婚約者である私を救うために、ケイティ王女様をファンドーリナ公爵家に送り込み、兄と義母の悪事を暴いたこと。そしてファンドーリナ公爵という地位にまで添えたのは、全てクライド殿下が、私を愛しているからやったこと。
そう世間では言われている。いやそうなるように仕向けたのだ。ケイティ王女様の名を傷つけないための処置として。
また、私がファンドーリナ公爵になる名目をでっち上げた、というわけである。
それによって、クライド殿下の名声はうなぎ登り。婚約者を救った功労者として、人気を博していた。
けれどやってきたクライド殿下は、婚約者ではない女性をエスコートしている。それも婚約者である私の公爵拝命の祝いのパーティーで。
私は臆せず、クライド殿下とミランダ嬢の前に出る。皆が開けてくれたお陰で、まるで舞台に立っているかのようだった。
「ようこそお出でくださいました、クライド王太子殿下」
クライド殿下が私につけてくれた護衛騎士であるデニス様を従えて、カーテシーをする。おまけにニコリと微笑んで見せた。
「ヘイゼル嬢。この度はファンドーリナ公爵となったことに、祝いの言葉を述べる。おめでとう」
「ありがとうございます。それで、そちらのご令嬢はどなたでしょうか?」
名前は知っているが、会うのは初めてだから、真っ赤な嘘ではない。
茶色い髪に薄緑色の瞳の可愛らしい令嬢。いや、貴族ではないため、令嬢という敬称はおかしかった。しかし、ここにいる者たちはミランダ嬢が平民だとは知らない。
だから敢えて知らない振りをして、令嬢と聞いたのだ。
「こちらはミランダ・ロブレード」
「まぁ、ロブレードと言ったら、首都でも有名な商団ではありませんか。まさかっ!」
「そう、彼女はそこの一人娘であり、いずれはロブレード商団を率いていく者だ」
だからクライド殿下は平民に下るしかなかった。クライド殿下ほどの人物なら、裏でミランダ嬢を高位貴族の養女にすることができる。
けれどミランダ嬢は、実家であるロブレード商団をこよなく愛する人物であったため、クライド殿下を選ぶことができなかったのだ。
『ロブレード商団は私そのものです。それを含めて受け入れてくださるのなら、クライド殿下の愛を受け入れます』
彼女は堂々と言い放ち、クライド殿下はその言葉を受け入れた。もしかしたら、クライド殿下が平民となっても、自分を愛してくれるのか、試したのだろう。
またクライド殿下も、『王太子でも、王子でもない僕を受け入れてくれるのならば』とかなんとか言ったらしい。
そうして結ばれた後、今、私の目の前にいるのだ。だからミランダ嬢は、周囲から好奇な目で見られても、私を前にしても、堂々としていた。
愛する人が近くにいるだから、何も怖くはないわよね。だって、私もそうだから分かる。後ろでデニス様が見守ってくださっている、というだけで、逃げずにいられるのだから。
私はクライド殿下を見据えて、この場を設けた目的の言葉を待った。
「そしてミランダは、僕の想い人でもある。だからヘイゼル・ファンドーリナ公爵。僕と婚約破棄してほしい」
「……ミランダ嬢もそれをご承知なのですね」
私がミランダ嬢に視線を動かすと、周囲から「なんてことなの!」「きっとあの平民が王太子殿下を誑かしたのよ」「ファンドーリナ公爵様の晴れの舞台に、こんなことをするなんて、なんて浅ましいのかしら」
そんなミランダ嬢を侮辱する言葉が飛び交った。
しかし私は淡々と用意していた言葉を口にする。
「今の私はファンドーリナ公爵となった身。クライド殿下と婚約破棄をすることに異存はありません。そもそもこの地位はクライド殿下のお陰で得られたものですから、それで恩返しができるのなら本望です」
「ありがとう、ファンドーリナ公爵」
「しかし、それは私の意思であって、国王陛下の承諾ではありません。説得できるのですか?」
「なに、王子は僕だけではない。優秀な弟たちがいるのだ。父上も分かってくださるだろう」
「それでは、民衆はどうでしょうか? ここにいる者たちを説得できますか?」
ここにいるのは、私の侯爵拝命の祝いで来た貴族たちだ。いわば私の味方だと言ってもいい。だから尋ねた。
「そうだね。ここまでのやり取りを聞いていれば、僕たちの婚約破棄イコール王太子の廃位。並びに平民に下る、ということが分からない者たちではないはずだ」
「クライド殿下! それはいけませんわ! 平民になどと……」
会場にいた令嬢が悲痛の叫びを上げたが、クライド殿下は意にも留めなかった。
「しかし僕はミランダ以外を愛することはできないし、妻にもしたいとは思わない。だから今宵、ファンドーリナ公爵に婚約破棄を願い出たのだ。よって、この場で止めたからといっても僕は、どんな釣書も受け取る気はない」
「つまり、ミランダ嬢との婚姻を承諾してもらえなかった場合は、一生独身を貫き通すとおっしゃるのですね」
「あぁそうだ、ファンドーリナ公爵」
「それほどまでにミランダ嬢を。であるならば、ミランダ嬢の気持ちもお聞かせ願えませんか? この場にいる者たちの前だけでもいいので、クライド殿下に対するお気持ちを。王太子でも王子でもない、クライド殿下本人を愛しているとおっしゃっていただきたいのです」
そうすれば少なくとも、ミランダ嬢への醜聞が軽減されるかもしれない。王太子を誑かした平民だと、先ほども言われていたからだ。
「勿論です。私、ミランダ・ロブレードはクライド殿下を、いえクライドを愛しています。けして、王太子という地位に惹かれたわけではありません!」
「では、私だけではなく、この場にいる者たちが証人です。よろしいですね」
先ほど、誰が言ったのか分からないが、私は周囲を睨むように眺めた。しかし今はそれに異を唱える者はいない。
何故なら、ファンドーリナ公爵となった私の怒りを買いたくない者たちがここにいるからだ。
「しかし、それではあまりにもファンドーリナ公爵様がお可哀想です」
そんな者たちの集まりだったからこそ、私に同情の目が向けられるのも分かる。けれど私とデニス様にとっては好都合だった。
後ろにいたデニス様が、私の前に来てクライド殿下に一礼する。
「この場の無礼をお許しください」
「構わないよ、ヴェルダー卿。いや、むしろ遠慮をしないくれ」
「ありがとうございます」
そして振り返り、私と一瞬だけ見つめ合った後、その場で跪いた。
「ヘイゼル・ファンドーリナ公爵様。私はクライド殿下の命で貴女様の護衛騎士となり、傍でお仕えしてきました。しかし婚約破棄された以上、私はもうお傍にいることができません」
「……っ!」
分かり切ったことでも、デニス様の口から聞かされるのは堪える。けれど次の瞬間、デニス様に手を取られた。
「だから私、デニス・ヴェルダーと結婚してくださいませんか? これからもお傍で守らせていただきたいのです」
「このファンドーリナ公爵邸で辛い日々を過ごしてきましたが、デニス様の存在にどれだけ助けられたことか計り知れません」
兄の廃位と共に、私が公爵邸でどんな扱いを受けていたのか、この場にいる者たちは当然、知っていることだった。私はそれを逆手に取って、さらに同情心を煽った。
「兄や義母から守ってくださったデニス様と別れるのは、私も辛いです」
「ファンドーリナ公爵。いえ、ヘイゼル」
「っ!」
い、いきなり呼び捨てにするのは卑怯です! デニス様。
「それならば、これからもお傍にいさせてもらえますか?」
「勿論です」
その瞬間だった。皆が私とデニス様に注目をしている、この静寂の中。
チリン。
あの小さな鐘がなったのだ。それはまるで私たちを祝福するような、美しい音色だった。
王太子殿下の隣で、さらにその腕を取るミランダ嬢の存在に、周りは怪訝な表情をしつつも、道を開けていた。
おそらくここにいる者たちの中で、ミランダ嬢を知る者などいないだろう。けれど道を開けるのは、相手がクライド殿下であり、王太子だったからだ。
さらにいうとクライド殿下は、婚約者である私を救うために、ケイティ王女様をファンドーリナ公爵家に送り込み、兄と義母の悪事を暴いたこと。そしてファンドーリナ公爵という地位にまで添えたのは、全てクライド殿下が、私を愛しているからやったこと。
そう世間では言われている。いやそうなるように仕向けたのだ。ケイティ王女様の名を傷つけないための処置として。
また、私がファンドーリナ公爵になる名目をでっち上げた、というわけである。
それによって、クライド殿下の名声はうなぎ登り。婚約者を救った功労者として、人気を博していた。
けれどやってきたクライド殿下は、婚約者ではない女性をエスコートしている。それも婚約者である私の公爵拝命の祝いのパーティーで。
私は臆せず、クライド殿下とミランダ嬢の前に出る。皆が開けてくれたお陰で、まるで舞台に立っているかのようだった。
「ようこそお出でくださいました、クライド王太子殿下」
クライド殿下が私につけてくれた護衛騎士であるデニス様を従えて、カーテシーをする。おまけにニコリと微笑んで見せた。
「ヘイゼル嬢。この度はファンドーリナ公爵となったことに、祝いの言葉を述べる。おめでとう」
「ありがとうございます。それで、そちらのご令嬢はどなたでしょうか?」
名前は知っているが、会うのは初めてだから、真っ赤な嘘ではない。
茶色い髪に薄緑色の瞳の可愛らしい令嬢。いや、貴族ではないため、令嬢という敬称はおかしかった。しかし、ここにいる者たちはミランダ嬢が平民だとは知らない。
だから敢えて知らない振りをして、令嬢と聞いたのだ。
「こちらはミランダ・ロブレード」
「まぁ、ロブレードと言ったら、首都でも有名な商団ではありませんか。まさかっ!」
「そう、彼女はそこの一人娘であり、いずれはロブレード商団を率いていく者だ」
だからクライド殿下は平民に下るしかなかった。クライド殿下ほどの人物なら、裏でミランダ嬢を高位貴族の養女にすることができる。
けれどミランダ嬢は、実家であるロブレード商団をこよなく愛する人物であったため、クライド殿下を選ぶことができなかったのだ。
『ロブレード商団は私そのものです。それを含めて受け入れてくださるのなら、クライド殿下の愛を受け入れます』
彼女は堂々と言い放ち、クライド殿下はその言葉を受け入れた。もしかしたら、クライド殿下が平民となっても、自分を愛してくれるのか、試したのだろう。
またクライド殿下も、『王太子でも、王子でもない僕を受け入れてくれるのならば』とかなんとか言ったらしい。
そうして結ばれた後、今、私の目の前にいるのだ。だからミランダ嬢は、周囲から好奇な目で見られても、私を前にしても、堂々としていた。
愛する人が近くにいるだから、何も怖くはないわよね。だって、私もそうだから分かる。後ろでデニス様が見守ってくださっている、というだけで、逃げずにいられるのだから。
私はクライド殿下を見据えて、この場を設けた目的の言葉を待った。
「そしてミランダは、僕の想い人でもある。だからヘイゼル・ファンドーリナ公爵。僕と婚約破棄してほしい」
「……ミランダ嬢もそれをご承知なのですね」
私がミランダ嬢に視線を動かすと、周囲から「なんてことなの!」「きっとあの平民が王太子殿下を誑かしたのよ」「ファンドーリナ公爵様の晴れの舞台に、こんなことをするなんて、なんて浅ましいのかしら」
そんなミランダ嬢を侮辱する言葉が飛び交った。
しかし私は淡々と用意していた言葉を口にする。
「今の私はファンドーリナ公爵となった身。クライド殿下と婚約破棄をすることに異存はありません。そもそもこの地位はクライド殿下のお陰で得られたものですから、それで恩返しができるのなら本望です」
「ありがとう、ファンドーリナ公爵」
「しかし、それは私の意思であって、国王陛下の承諾ではありません。説得できるのですか?」
「なに、王子は僕だけではない。優秀な弟たちがいるのだ。父上も分かってくださるだろう」
「それでは、民衆はどうでしょうか? ここにいる者たちを説得できますか?」
ここにいるのは、私の侯爵拝命の祝いで来た貴族たちだ。いわば私の味方だと言ってもいい。だから尋ねた。
「そうだね。ここまでのやり取りを聞いていれば、僕たちの婚約破棄イコール王太子の廃位。並びに平民に下る、ということが分からない者たちではないはずだ」
「クライド殿下! それはいけませんわ! 平民になどと……」
会場にいた令嬢が悲痛の叫びを上げたが、クライド殿下は意にも留めなかった。
「しかし僕はミランダ以外を愛することはできないし、妻にもしたいとは思わない。だから今宵、ファンドーリナ公爵に婚約破棄を願い出たのだ。よって、この場で止めたからといっても僕は、どんな釣書も受け取る気はない」
「つまり、ミランダ嬢との婚姻を承諾してもらえなかった場合は、一生独身を貫き通すとおっしゃるのですね」
「あぁそうだ、ファンドーリナ公爵」
「それほどまでにミランダ嬢を。であるならば、ミランダ嬢の気持ちもお聞かせ願えませんか? この場にいる者たちの前だけでもいいので、クライド殿下に対するお気持ちを。王太子でも王子でもない、クライド殿下本人を愛しているとおっしゃっていただきたいのです」
そうすれば少なくとも、ミランダ嬢への醜聞が軽減されるかもしれない。王太子を誑かした平民だと、先ほども言われていたからだ。
「勿論です。私、ミランダ・ロブレードはクライド殿下を、いえクライドを愛しています。けして、王太子という地位に惹かれたわけではありません!」
「では、私だけではなく、この場にいる者たちが証人です。よろしいですね」
先ほど、誰が言ったのか分からないが、私は周囲を睨むように眺めた。しかし今はそれに異を唱える者はいない。
何故なら、ファンドーリナ公爵となった私の怒りを買いたくない者たちがここにいるからだ。
「しかし、それではあまりにもファンドーリナ公爵様がお可哀想です」
そんな者たちの集まりだったからこそ、私に同情の目が向けられるのも分かる。けれど私とデニス様にとっては好都合だった。
後ろにいたデニス様が、私の前に来てクライド殿下に一礼する。
「この場の無礼をお許しください」
「構わないよ、ヴェルダー卿。いや、むしろ遠慮をしないくれ」
「ありがとうございます」
そして振り返り、私と一瞬だけ見つめ合った後、その場で跪いた。
「ヘイゼル・ファンドーリナ公爵様。私はクライド殿下の命で貴女様の護衛騎士となり、傍でお仕えしてきました。しかし婚約破棄された以上、私はもうお傍にいることができません」
「……っ!」
分かり切ったことでも、デニス様の口から聞かされるのは堪える。けれど次の瞬間、デニス様に手を取られた。
「だから私、デニス・ヴェルダーと結婚してくださいませんか? これからもお傍で守らせていただきたいのです」
「このファンドーリナ公爵邸で辛い日々を過ごしてきましたが、デニス様の存在にどれだけ助けられたことか計り知れません」
兄の廃位と共に、私が公爵邸でどんな扱いを受けていたのか、この場にいる者たちは当然、知っていることだった。私はそれを逆手に取って、さらに同情心を煽った。
「兄や義母から守ってくださったデニス様と別れるのは、私も辛いです」
「ファンドーリナ公爵。いえ、ヘイゼル」
「っ!」
い、いきなり呼び捨てにするのは卑怯です! デニス様。
「それならば、これからもお傍にいさせてもらえますか?」
「勿論です」
その瞬間だった。皆が私とデニス様に注目をしている、この静寂の中。
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あの小さな鐘がなったのだ。それはまるで私たちを祝福するような、美しい音色だった。
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