神子のピコタン

びっとのびっと

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はじめての台車はまっすぐしか動かない。

それでも紐をつけて、ポコッスが引っぱるには充分。

「外、楽しいかな?」

ポコッスがガラガラと連れだすと、ピコタンは泣いてしまった。


空は青く美しく、風はふんわり気持ちいい。
でも自分を守る壁がない。


おばさんがあわてて出てきて、抱っこする。
するとピコタンはすぐ泣きやんだ。


それから毎回、ポコッスはピコタンを抱っこしながら、台車を引いた。
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