誠実であることは難しい

びっとのびっと

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友人について

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久しぶりに高校時代からの友人の木屋町とメシを食べた。
最近になって俺がバイであることを教えた友人の一人だ。

きっかけは純と中華街デートをしていたときに偶然会ったことだった。

なんか、もう、その時はいろいろ性癖と人間関係について考えるのが面倒くさくなっていた時期で、開き直って「付き合ってる」と紹介した。
しかし木屋町には、ぜんぜん通じてなかった。親友くらいに思ってたらしい。

「えっ、お前、バイなの・・・」
「うん」
「俺は女の子が好きなんだけど・・・」
「だから、だよ。あとお前のこと別に興味ないから」

彼氏を含めてゲイ相手に女の子も好きなバイと言えない、と言うと「考えすぎじゃね?」と言われた。


「彼氏は元気?」
「・・・もう一ヶ月会ってない」
「だから、ヒマして俺を呼んだのか~。」
木屋町がニヤニヤしている。

「ちょっと質問していいか?」
木屋町が真面目な顔になった。

「いいよ」
「お前、ストレートの男を好きになったことある?」
「・・・そういえば、無いな・・・あれ?あるかな?」
「どっちだよ。」
「部活のコーチがいいなあ、って思ってた時期があった」思春期に割としんどかった思い出だ。忘れたかった。

そうだ、そうだ。それで、俺はホモじゃないかと思ったんだった。初めての恋心は恐怖心とセットだった。

「告白とかした?」
「いや、してない。できないってのもあるけど・・・俺・・・。そもそも俺は男でも女でも、俺のことを好き好きアピールする子が好き。こっちも好きになっちゃって付き合う。ほぼ」
「チョロいな。」
「まあな。だからストレートの男とどうこうってのは今まで無いな」
「・・・なるほど。」

木屋町は、しばらく考えてから言った。
「じゃあ、合コンしねえ?」

・・・なんで?
「俺、まだ別れてない・・・」
「別れてないもなにも、お前は二番目だろ。」

痛いとこ突かれた。

「別に、よくね?」
木屋町が言う。
「モヒカンこわい・・・」
「お前の見た目もこえーよ。」
「うーん」
「あのな、よくないと思うよ。二番目とか。幸せじゃない。」
「モヒカンが真面目なこと言ってる・・・」
「うるせえよ。」


過去1回だけ、したな。ぜんぜん楽しくなかった。なんか、学歴がぁ~みたいな感じで。

「お前が女の子連れてこいよ。」
木屋町が言った。
「えっ、それじゃあ意味ないじゃん」
「俺はお前に女を紹介するとは言ってない。」
「・・・」
「だって俺、彼女ほしいもん。」
「・・・やっぱりモヒカンは最低だ」

いいじゃん!いいじゃん!と木屋町がごねる。『じゃん』とか『もん』とか、お前が言ってもかわいくねーんだよ・・・


「なっ?なっ?俺の男友達誘うから、三対三で!」
結局、ゴリ押された。 
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