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決別
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そのあと、シフトが被ってもアプローチできるわけもなく、かといって変にどぎまぎしたわけでもなかった。それでも彼女と話すときはいつもよりどもってしまうけれど、それに気づいているのは僕だけだ。今も、未来もないフリーターと今を生きる彼女と釣り合うわけがないのは僕が一番わかっていたし、恋をした僕が何をすればいいのかわからなかった。
あの日から何か月か経った後、二人だけで締め作業をする機会があった。本当は三人だったはずが、風邪を引いたからと休んでしまった。インフルエンザが流行る季節ですもんねと言ったきり、軽口をたたくわけでもなく淡々と業務をこなす彼女。一緒に帰れるかな、なんて期待していたわけでもないけど、休憩中に発泡酒を買い込む自分がいた。
忙しかったから、今日も一人で帰るかなと携帯電話をいじるふりをしていると、それじゃあ帰りますかと彼女が言う。普段なら誰かに帰ろうと誘われる機会なんかなかった。それなのに恋をした人にそう言って貰えている事実が信じられなかった。急いで帰る準備をしていると、僕の感情を詰め込んだ缶が鞄から落ちてしまった。
「結構お酒好きなんですね」へこんだ缶を見ながら意外そうに言う彼女に、前の出来事を覚えていてくれたのかなとドキドキしながら今日は忙しかったから飲もうと思ってと言う。
「いいですね、私も今度こそ買おうかな」
理由もなしに一本あげるよなんて言えるはずもなく、自分の情けなさを恥じながらどうしても舞い上がりつつホームへ向かう。僕と同じく気分がいいのか鼻歌を口ずさむ彼女はなんて愛おしい。思わず見とれていると、目が合ってしまう。彼女は誰かに気分上々の訳を話したかったのか、僕の目をまっすぐに見ながら嬉しそうに今度ライブがあるんですと言った。
「へえ、な、何のライブ?」
「私が歌います、バンド組んでて」
驚いた、まさかバンドを組んでいて、ライブまでやってしまうなんて。でも、彼女の小さな体から発される少年誌に似たエネルギーに納得がいった。そうか、音楽が好きなのか。
また嫌な記憶がフラッシュバックしそうになる。そんなことは露知らず、綾瀬さんは音楽聴くんですかと尋ねてくる。
「あ、あんまりかな、詳しくなくて」偽りの理由もバレはしない。バイト内でも無口で無趣味なぷー太郎と評されているのは知っている。控室でそう陰口をたたかれていても、傷つく資格だってなかった。
楽しそうにおすすめのバンドや、僕の少年時代に流行っていた音楽の話をしてくれても、僕は何の反応もできなかった。
気を使ってくれる彼女に申し訳なくて、どうしたら音楽から話を逸らせるかと考えていると、とうとうあの記憶を鮮明に思い出してしまう。
極度の緊張しいだった僕は、親の離婚で中学進学を機に引っ越すことになった。周りには方言で喋る人間なんか一人もいなくて、何かしゃべるたびに僕の訛りを笑われている気がした。すると次第に人見知りが加速しただけでは収まらず、言葉が上手く口を飛び出さなくなり、吃音へと変わっていった。三年かけて吃音が板についたころ、僕に友達はいなかった。でも、そんな僕とでもしゃべってくれる人も何人かはいたんだ。勉強の良くできるクラス委員長は僕に国語の教科書を貸してくれた。育ちの良い葉山さんは隣の席になった僕を嫌がらず、田舎の生活について興味深そうに質問してくれた。だから、優しさを向けてくれた彼らと父の機嫌を損ねないために卒業式の打ち上げには行った。それがまずかった。中学校という抑圧がなくなり、性悪説を豊満に含んだ思春期の男女にとって僕は格好のおもちゃだった。クラスの全員が参加したカラオケでは、僕がつっかえずに一曲歌い切れるまで終われないというゲームが始まっていた。どもるたびに巻き戻されるループ&ループ。つまらなそうに携帯電話を眺めるあいつと、帰りたいからちゃんと歌ってよと言ったあの子。音楽が好きだったか嫌いだったかも、もう思い出せない。その日以降、リズミカルに耳を震わせる音のすべてを拒絶した。
「音楽は嫌いなんだ、くだらない」
痛む脳みそを焼き切るつもりで思わず吐き捨ててしまう。
しまった。僕が大好きなその笑顔で話してくれた彼女に言っていいはずがないのに。言いたいことも言えないのに、余計なことばかり口走る自分が嫌いだった。
びくっと肩を揺らした彼女は僕より何倍も大人でたくましくて、すみませんと謝って、気にもしていないふうに窓の外を眺めはじめた。せっかく話せたのに、せっかく話してくれたのに。取り返しのつかない失敗をした僕は、謝りさえできなかった。やけに重い鞄に僕を押しつぶしてくれと願っていた。
沈黙のまま座る電車の中は永遠のようで、そんな永遠があっても繕うべき言葉は見つからなかった。
ようやく、二人にとってようやく、駅に着き改札を通る。このままでは駄目だとわかっていても、その時の僕にはどうしようもなかった。
彼女は無感情な顔を僕に向けて、顔通りの声色でお疲れ様ですと言って歩き出す。ピンと伸びた背筋がいつもよりこわばって見えた。
彼女が見えなくなっても言葉は口をつかず、諦めと失望にまみれ坂を上る。一段と重い脚は一向に僕を運んでくれない。言い訳ばかりが先を越し、立ち止まってしまう。最初から恋なんか釣り合ってなかった。こんな僕が恋をしていても、いつも息苦しかった。そうか、だから溺れるっていうのか。
ほろ苦いそれの味を知れただけで僕には十分だった。
やっとのことで見慣れたアパートの前に着く。心なしかくすんで見える気がした。そんな色が僕にはお似合いだった。いつもと変わらずペシミスティックに階段を上る。なんだ、いつも通りじゃないか。人生が良かった時なんて一日もないし、今日も普段通りの一日だった。そう考えれば心が楽になった。
どうせ傷付くだけだったし。
扉を開ける寸前、ふいに浮かんできた言葉こそ心の底から掬い上げたものだった。幼き頃から何度も唱えていた、挑戦から逃げるための魔法の言葉。そのはずなのに、そのはずだったのに、いくら反芻しようとも意味が理解できない。強烈な違和感がその言葉を受け入れようとしなかった。
理由は簡単だった。傷を畏れた僕は、人を傷つけることへの意識が希薄だった。彼女を傷付けたのはまごうことなく僕の方だった。気づいてすぐに引き返す。転がっていると言えるほど脇目も振らず駆け下りる僕はさぞかし無様だっただろう。でも、ここで自分の過ちを正せない方が何倍も無様で、苦しい。急げば急ぐほど頑なに変わろうとしない赤信号がただ憎たらしかった。
点滅する事もなくあっさりと変わった赤信号のふてぶてしさと僕を重ね合わせる。現実逃避に慣れた僕は過去を振り返る事もしてこなかった。けれど、今回ばかりは逃げられない。漠然とそう確信していた。恋とはそういうものなのだろう。
彼女が高石神社に通りかかる前に追いつかなければならない。会えたところでなんと喋ったらいいかなんて考えてもいなかった。どうせどれだけ考えようと思いつかないのだから、ただ長い坂を突き進む。
躓きそうになるたび背中を強打する発泡酒が、はち切れんばかりに膨れ上がるのを感じる。溢れ出る炭酸の勢いは僕を後押ししてくれるはずだ。無我夢中に最後の階段を駆け上がると、ついに呑気な面持ちをした月が照らす神社が見えてくる。そこに彼女はいなかった。やっぱり間に合わなかった。そう分かった瞬間、力が抜けてしまう。脱力感に抗う気力も無く身を任せていると、大方の予想通りそのまま倒れこみ身体を打ち付ける。つい先日、柔らかいぬくもりに包まれたはずの場所が、今はひどく冷たく感じた。ここで死んでしまえたら良いのに、こんな日に限って良く晴れた夜空がもったいないな。あの世ではどもらずに話せるのかな、あの世にほんやくこんにゃくがあったらいいな。
心の中 いつもいつも 描いてる 夢をのせた 自分だけの 世界地図
薄れゆく意識の中、ふと脳裏に咲いた歌を口ずさむ。思い出した、僕は音楽が大好きだった。
幼い頃から歌が大好きで、誰もいない家でテレビの音量をかき消すほどの大声でアニメの主題歌を歌う時間が何よりの楽しみだった。しかし、僕はそれを誰かに言えるほど強い人間でもなかった。
それでも、少年の僕は、孤独な僕は大声で歌ってさえいればいつかヒーローは迎えに来てくれると信じていた。それすらも忘れてしまっていたよ。少年の僕に精一杯のごめんねを絞り出す。涙が出てきてしまった。ドラえもん、もう迎えに来てよ。
あの日から何か月か経った後、二人だけで締め作業をする機会があった。本当は三人だったはずが、風邪を引いたからと休んでしまった。インフルエンザが流行る季節ですもんねと言ったきり、軽口をたたくわけでもなく淡々と業務をこなす彼女。一緒に帰れるかな、なんて期待していたわけでもないけど、休憩中に発泡酒を買い込む自分がいた。
忙しかったから、今日も一人で帰るかなと携帯電話をいじるふりをしていると、それじゃあ帰りますかと彼女が言う。普段なら誰かに帰ろうと誘われる機会なんかなかった。それなのに恋をした人にそう言って貰えている事実が信じられなかった。急いで帰る準備をしていると、僕の感情を詰め込んだ缶が鞄から落ちてしまった。
「結構お酒好きなんですね」へこんだ缶を見ながら意外そうに言う彼女に、前の出来事を覚えていてくれたのかなとドキドキしながら今日は忙しかったから飲もうと思ってと言う。
「いいですね、私も今度こそ買おうかな」
理由もなしに一本あげるよなんて言えるはずもなく、自分の情けなさを恥じながらどうしても舞い上がりつつホームへ向かう。僕と同じく気分がいいのか鼻歌を口ずさむ彼女はなんて愛おしい。思わず見とれていると、目が合ってしまう。彼女は誰かに気分上々の訳を話したかったのか、僕の目をまっすぐに見ながら嬉しそうに今度ライブがあるんですと言った。
「へえ、な、何のライブ?」
「私が歌います、バンド組んでて」
驚いた、まさかバンドを組んでいて、ライブまでやってしまうなんて。でも、彼女の小さな体から発される少年誌に似たエネルギーに納得がいった。そうか、音楽が好きなのか。
また嫌な記憶がフラッシュバックしそうになる。そんなことは露知らず、綾瀬さんは音楽聴くんですかと尋ねてくる。
「あ、あんまりかな、詳しくなくて」偽りの理由もバレはしない。バイト内でも無口で無趣味なぷー太郎と評されているのは知っている。控室でそう陰口をたたかれていても、傷つく資格だってなかった。
楽しそうにおすすめのバンドや、僕の少年時代に流行っていた音楽の話をしてくれても、僕は何の反応もできなかった。
気を使ってくれる彼女に申し訳なくて、どうしたら音楽から話を逸らせるかと考えていると、とうとうあの記憶を鮮明に思い出してしまう。
極度の緊張しいだった僕は、親の離婚で中学進学を機に引っ越すことになった。周りには方言で喋る人間なんか一人もいなくて、何かしゃべるたびに僕の訛りを笑われている気がした。すると次第に人見知りが加速しただけでは収まらず、言葉が上手く口を飛び出さなくなり、吃音へと変わっていった。三年かけて吃音が板についたころ、僕に友達はいなかった。でも、そんな僕とでもしゃべってくれる人も何人かはいたんだ。勉強の良くできるクラス委員長は僕に国語の教科書を貸してくれた。育ちの良い葉山さんは隣の席になった僕を嫌がらず、田舎の生活について興味深そうに質問してくれた。だから、優しさを向けてくれた彼らと父の機嫌を損ねないために卒業式の打ち上げには行った。それがまずかった。中学校という抑圧がなくなり、性悪説を豊満に含んだ思春期の男女にとって僕は格好のおもちゃだった。クラスの全員が参加したカラオケでは、僕がつっかえずに一曲歌い切れるまで終われないというゲームが始まっていた。どもるたびに巻き戻されるループ&ループ。つまらなそうに携帯電話を眺めるあいつと、帰りたいからちゃんと歌ってよと言ったあの子。音楽が好きだったか嫌いだったかも、もう思い出せない。その日以降、リズミカルに耳を震わせる音のすべてを拒絶した。
「音楽は嫌いなんだ、くだらない」
痛む脳みそを焼き切るつもりで思わず吐き捨ててしまう。
しまった。僕が大好きなその笑顔で話してくれた彼女に言っていいはずがないのに。言いたいことも言えないのに、余計なことばかり口走る自分が嫌いだった。
びくっと肩を揺らした彼女は僕より何倍も大人でたくましくて、すみませんと謝って、気にもしていないふうに窓の外を眺めはじめた。せっかく話せたのに、せっかく話してくれたのに。取り返しのつかない失敗をした僕は、謝りさえできなかった。やけに重い鞄に僕を押しつぶしてくれと願っていた。
沈黙のまま座る電車の中は永遠のようで、そんな永遠があっても繕うべき言葉は見つからなかった。
ようやく、二人にとってようやく、駅に着き改札を通る。このままでは駄目だとわかっていても、その時の僕にはどうしようもなかった。
彼女は無感情な顔を僕に向けて、顔通りの声色でお疲れ様ですと言って歩き出す。ピンと伸びた背筋がいつもよりこわばって見えた。
彼女が見えなくなっても言葉は口をつかず、諦めと失望にまみれ坂を上る。一段と重い脚は一向に僕を運んでくれない。言い訳ばかりが先を越し、立ち止まってしまう。最初から恋なんか釣り合ってなかった。こんな僕が恋をしていても、いつも息苦しかった。そうか、だから溺れるっていうのか。
ほろ苦いそれの味を知れただけで僕には十分だった。
やっとのことで見慣れたアパートの前に着く。心なしかくすんで見える気がした。そんな色が僕にはお似合いだった。いつもと変わらずペシミスティックに階段を上る。なんだ、いつも通りじゃないか。人生が良かった時なんて一日もないし、今日も普段通りの一日だった。そう考えれば心が楽になった。
どうせ傷付くだけだったし。
扉を開ける寸前、ふいに浮かんできた言葉こそ心の底から掬い上げたものだった。幼き頃から何度も唱えていた、挑戦から逃げるための魔法の言葉。そのはずなのに、そのはずだったのに、いくら反芻しようとも意味が理解できない。強烈な違和感がその言葉を受け入れようとしなかった。
理由は簡単だった。傷を畏れた僕は、人を傷つけることへの意識が希薄だった。彼女を傷付けたのはまごうことなく僕の方だった。気づいてすぐに引き返す。転がっていると言えるほど脇目も振らず駆け下りる僕はさぞかし無様だっただろう。でも、ここで自分の過ちを正せない方が何倍も無様で、苦しい。急げば急ぐほど頑なに変わろうとしない赤信号がただ憎たらしかった。
点滅する事もなくあっさりと変わった赤信号のふてぶてしさと僕を重ね合わせる。現実逃避に慣れた僕は過去を振り返る事もしてこなかった。けれど、今回ばかりは逃げられない。漠然とそう確信していた。恋とはそういうものなのだろう。
彼女が高石神社に通りかかる前に追いつかなければならない。会えたところでなんと喋ったらいいかなんて考えてもいなかった。どうせどれだけ考えようと思いつかないのだから、ただ長い坂を突き進む。
躓きそうになるたび背中を強打する発泡酒が、はち切れんばかりに膨れ上がるのを感じる。溢れ出る炭酸の勢いは僕を後押ししてくれるはずだ。無我夢中に最後の階段を駆け上がると、ついに呑気な面持ちをした月が照らす神社が見えてくる。そこに彼女はいなかった。やっぱり間に合わなかった。そう分かった瞬間、力が抜けてしまう。脱力感に抗う気力も無く身を任せていると、大方の予想通りそのまま倒れこみ身体を打ち付ける。つい先日、柔らかいぬくもりに包まれたはずの場所が、今はひどく冷たく感じた。ここで死んでしまえたら良いのに、こんな日に限って良く晴れた夜空がもったいないな。あの世ではどもらずに話せるのかな、あの世にほんやくこんにゃくがあったらいいな。
心の中 いつもいつも 描いてる 夢をのせた 自分だけの 世界地図
薄れゆく意識の中、ふと脳裏に咲いた歌を口ずさむ。思い出した、僕は音楽が大好きだった。
幼い頃から歌が大好きで、誰もいない家でテレビの音量をかき消すほどの大声でアニメの主題歌を歌う時間が何よりの楽しみだった。しかし、僕はそれを誰かに言えるほど強い人間でもなかった。
それでも、少年の僕は、孤独な僕は大声で歌ってさえいればいつかヒーローは迎えに来てくれると信じていた。それすらも忘れてしまっていたよ。少年の僕に精一杯のごめんねを絞り出す。涙が出てきてしまった。ドラえもん、もう迎えに来てよ。
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