かりそめ夢ガタリ

鳴烏

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9話

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 テナエとのショッピングが決定してから約1週間──ソレが実行に移される日がやって来た。

 ビィズはいつもの『フリフリ』ではなく、『ふわふわ』や『モコモコ』と表せる…淡いピンクの可愛らしい服を着て行ったが。
 テナエはいつも通り、上から下まで黒の地味で目立たない服を着て来た。
 こちらの服装を絶賛してはしゃぐテナエを見つめながら。ビィズは、彼女の格好は己への挑戦状だと受け取った。

 冬でも人通りの減らない大きな道を行き、列車に乗り、時々声をかけて来る中年女性や子供に手を振って。
 2人は、ビィズの知っている服屋──撮影に来た事がある…つまり娯楽番組で紹介した事がある店──を訪れた。

「まずは絶対!! 白っ!! 白は可愛い系からシンプル&綺麗系まで外れず似合うと思うんです!!」
「え、し…白…!? あ、あぁぁ、私、が…?」

 戸惑うテナエを引っ張りつつ、ビィズは大股で、鼻息荒く、店内を進む。
 途中でパーティに加わって来た店員の「何をお探しでしょうかー?」という言葉など耳にも入れず、進み続ける。

「あった、コレ! 前に来た時、可愛いなって思ってた奴なんですけど!」

 勿論、自分が着る事を想像して覚えていたのだが。
 ふと思い出してみると『ビィズ』より『テナエ』に似合う気がして、見に行ってみようと決めていた。

「う…うぅ…! そんな、フリルが沢山の…可愛らしい服を…!? ほ、本当に私が…!?」
「似合いますって! この、ぜぇんぶ真っ白なコレと! セットのヘッドドレスと! あ、タイツも白にして靴も白で揃えて!」
「お似合いだと思います、お客様ぁ~!」
「そうだ、首元のとかヘッドドレスのサイドにあるリボンは付け替え注文受け付けてるはずだから、ソコだけ赤にしてみてもいいかも! あぁでも白のままも捨てがたい…!」

 興奮気味にペラペラ喋りまくるビィズと、作り笑顔で定型文を挟んでいる店員の間で、テナエが小刻みにプルプル震えていたが。
 彼女の心情は気にせず──と言うよりも、気にすると遠慮され押し切られてしまうので「それはさせない」と言わんばかりの勢いで──ビィズは言った。

「とにかく試着っ!! してみて下さいっ!」
「えぇ…!?」

 ほぼ「あぁ」と「うぅ」と「えぇ」しか言っていない神友族を側にあった試着室に押し込み、ビィズは荒くなっていた鼻息を更に荒げ、待つ態勢に入った。
 …流石に試着室に付いて行って手伝ったりはしない。女性を騙っているが、ビィズは男だ。女体に対して一切興味が無く、欲情もしないとは言え。男なのだ。

 そして、しばらくの間。
 試着室から漏れ出て来るモゴモゴ声──変わらず「うぅ」やら、「服が勿体無くないか」やら「大丈夫か」やら──を聞きながら待機をし。
 着替えと覚悟を決める事に使ったのであろう時間…合わせて30分程が過ぎてから。

「ほ、本当に待たせて…すまない…」

 ビィズ──と店員──は、テナエ登場の瞬間を迎えられた。

「──え!? わ…! 凄い、本当にとてもお似合いですね!?」

 …先に感想を言ったのは店員だった。
 今、この時まで「貴方が着た方が良いのでは?」と言いたげな…嫌味にも見える笑顔でビィズを見ていた彼女は、驚きで頬を紅潮させている。

「見立て通りっ!! めっちゃイイです、テナエ……様っ!!」
「そ、そうか…? うぅ…本当に…?」

 ビィズが興奮し、褒め、店員が何度も頷き、褒め。テナエは顔を真っ赤にしてモジモジし始めた。

「髪をもう少し伸ばしてみても可愛いかもしれませんね、アタシ程じゃなくても腰の少し上くらいまでとか!」
「あぁ! それもいいですねぇ! でも今くらいの長さもいいと思います、どっちも有りですよぉ!」

 可愛い、似合う、ああいう靴も良さそう、ああいう鞄を持ってみて欲しい、どこそこの日傘も持って欲しい……等々。
 ビィズ──と、ややビィズの同類だったらしい店員──が盛り上がる横で。
 テナエの目が試着室の中を振り返る。そこにある鏡をチラチラと見る。控えめに身体の向きや角度を変えて、映る物を確認している。
 まだ半信半疑なのかもしれないが…それでも、恥ずかしそうに、嬉しそうにしている彼女を見て、ビィズは一先ず満足した。

 そしてこの服は、「今日はそういう日だから」と言い張ってビィズがテナエに一式プレゼントし。
 2人は「本当に是非またお越し下さい!」という店員の言葉に見送られて、店を出た。
 次の店へ向かう道中、テナエはずっと。自分の物になった服が入っている紙袋を、大事そうに抱えていたのだった。





「着替えさせてもらっても全然良かったと思うのにぃー…」

 最初の1件も含め…3件程、服屋を回った後。
 空いた小腹を満たすため、渇いて来た喉を潤すため、少し休憩するため。2人は適当なカフェに入っていた。

 2件目では淡いイエローのとてもシンプルなワンピース──夏用──を購入し。
 3件目ではフリルで作られた薔薇が要所要所で咲き乱れる真紅のドレスを購入した。
 どちらもテナエによく似合っており、ビィズは店員共々大興奮して喜んだ。
 …そして、3件目の店では「ウチで買った物でなくても、着替えたければ試着室を使って下さい」と言ってもらえたのだが。テナエは真っ赤な顔で遠慮したのである。

「ワンピースやドレスはともかく、最初のは今でも着れましたよー!!」
「す、すまない…。でも流石にその、今日はそこまでの勇気が出せなかったと言うか…うぅ…」

 己の隣に置いた紙袋達に視線をやって、ボソボソと。テナエは続ける。

「だが…。ビィズさんや、店の方達のお陰で少しだけ…自信みたいな物を貰えた…。…近い内に、着てみたい…な」
「うんうんっ! もう絶対、是非、着て下さいっ!!」

 頷きまくるビィズに頷き返し、眼前のココアを1口飲んで。ほぅ…と息を吐きながら、テナエが虚空を見つめる。
 倣うようにビィズも温かいレモンティーを口へ運んだ。同じ様に息を吐く。

「…私のような、目ツキの悪い娘でも…。着ていい服の範囲と言うか…そういう物は、思っていたよりも狭くないんだな…」
「そうですよ。今度はお母様やお姉様方と洋服買いに行ってみたらどうですか? 喜んでオススメとかアドバイスとか、してくれると思います」
「確かに…それもいいな。…楽しそうだ」

 満足感が混じった、心地良い疲労感を癒す…心地良い時間。
 覇気も勢いも無い声をポツポツと零し合うだけの会話が、ゆっくり続けられる。

「けれど、そうやって素敵な服が沢山…自分の服になると…。用事も無いのに出掛けたい気分になる日が増えそうだなぁ…」
「えぇ? そんなの、用事なんて要りませんよ。それこそ、ほら。デートですよ、デートに誘ってみたらいいんです。…デートって程じゃなくても、一緒にお散歩~だとか」
「……」

 ふわふわと。気持ちが浮遊しているような感覚がある中で。
 おそらく似たような状態であろうテナエが、ぼんやり。虚空を見つめたまま、呟いた。

「…お見合い、とか…。…『お相手』を用意されたり、とか…。そういう事になるまで、なら…それも許されるかなぁ…」

 そして、彼女のその台詞を聞いた瞬間。
 ビィズは、以前テナエから言われた台詞を思い出した。

『私個人の意見としては、やっぱり。ビィズさんがそんなに好いているなら、ビィズさんにはその彼と上手く行って欲しいなぁ』

「………………」

 …そして。どうにもムズムズするような、モヤモヤするような。『不満』と表現するのが最も近いような気持ちになるのだ。
 近頃、度々。こういう状況・心境になる。テナエに対して、ロウセンに対して、言ってやりたい事があるのだが…何を言いたいのかはハッキリ形に出来ないような。

「きょ、今日貰った自信もあるしな…! それを使って、散歩に誘う勇気くらいは絞り出してみる…!!」

 ビィズの脳内状況など当然、知りもせず。虚空からビィズへ視線を移したテナエが、気合いを入れるように1つ鼻を鳴らした。
 考え事に気を取られていたビィズは、はっと我に返り。テナエの小さな決意に、ただただ──素直に、無意識に──頑張れと応援を送ったのである。





 夕刻。
 同じ道ではあるが、昼間と比べて本当にほんの少し人通りが減り、且つすれ違う人の種類もやや変わった中を2人は歩いていた。
 急げと叫びながらギルドに駆け込む冒険者。明日も遊ぼうと約束を交わしながら帰路につく子供達。今日のオススメメニューや安いメニューを大声で紹介する食堂の店員。
 全ての声が、耳に入りはするが右から左へ流れて行く。

「今日は楽しかったな…」

 どんな喧騒の中であっても、己の会話相手の声だけは他より少し聞き取れる。不思議な現象だと、どうでもいい事を思いつつビィズは頷いた。

「アタシも楽しかったです。…オシャレって、自分のでなくても楽しいんですねぇ」
「そ、そう言ってもらえると嬉しい。…誘ってもらえて良かった。ふふ…」

 棒になっている足も、後少しだからと悲鳴を上げずにいてくれている。
 大勢の人間の疲労感と解放感に満たされた、この時間・この場所は居心地が良い。ビィズは──ジュイは──非常に珍しく、そんな風に思えていた。
 ……しかし。

「あれぇ、君! もしかして、テレビに出てるあの?」

 突如、ビィズとテナエが作っていたほのぼの空間に乱入者が現れた。
 ビィズは一瞬で無表情になる。テナエは無表情と言うよりも、突然の事に素直に驚いた表情を見せた。

「ビィズちゃんだよ、ビィズちゃん!」
「っへぇ~! 近くで見るホンモノ、マジ可愛いじゃん! どうせ魔法装置か何かで補正かけてる可愛さだと思ってたわ~」

 …冒険者だ。
 明るい茶髪の、レンジャータイプと思われる派手な男が1人。やたらと質の良さそうな服を着た、濃い茶髪…吟遊詩人か何かと思われる竪琴を持った男が1人。
 そして美しい金髪で──雑に伸びている故ではなく意図的にセットして──片目を隠した、キザったらしい剣士の男が1人。男ばかりの3人組である。
 3人共、筋骨隆々ガチムチマッチョではなく標準的な細マッチョの若者だ。顔面も平均的…金髪の剣士だけ平均より僅かに上だろうか。

「…道、塞がないでもらえますか? 邪魔です」

 にっこりと満面の笑みで、ビィズはそう言った。相手には何も悟られないよう…念の為、少しだけテナエを背に隠す。

「ははは! 警戒しなくて大丈夫だよ、僕らは悪人じゃない。良ければ、どうかな? これから一緒に夕食でも」

 金髪の剣士が爽やかな笑みを返して来た。

「そうそう! 好きな物、何でもオゴるよ!」
「可愛い子と食うと飯が美味くなるしさ~。お互いに情報交換とかしながら、どーよどーよ!」

 竪琴男と派手男が流れるように続いて来る。

(鬱陶しいな、クソが)

 と思いつつ。ビィズは表情を変えない。
 いっその事、誘いに乗って。3人マトメて縛り上げ、男だとバラし、夕飯として美味しく頂いてやろうかと…鬱陶しさのあまり、そんな考えも過ったが。

「『良ければ』でしょ? 良くないので、お断りします。邪魔です。どいて下さい」

 真っ当に、お断りの返事を繰り返すだけにしておいた。
 だが3人組は引いてくれない。「そんな事言わず」と食い下がって来る。剣士にいたってはビィズの手を取ろうとして来た。勢い良く振り払ったが、それでも引いてくれる様子は無い。

「君、確かパーティを追い出されたんだろう? 今日、食事に付き合ってくれたら…テレビの仕事が終わった後、ウチに迎え入れてもいい。春まで待とうじゃないか!」
「…………」

 笑顔が引きつってしまう。
 同時にビィズの全身から漏れ出た、怒りや困惑に気付いたのか。…後ろに居たテナエが、意を決したように1歩。前へ出た。

「迷惑だと言っている、分かるだろう! 大体ビィズさんは今、私の買い物に付き合ってくれている最中だ!」
「…うん?」

 剣士が首を傾げる。また続くように、竪琴男と派手男が「えぇ?」「はぁ?」と短い悪態を吐いた。
 …そして。

「なんだ、お前? ブスは引っ込んでろよ」

 派手男がそう言い捨てる。

「えぇぇ、なになに? アンタ、引き立て役としてビィズちゃんと一緒に居るわけ? ハハハ!」

 竪琴男が笑う。

「申し訳ないけど、そちらの不細工なお嬢さんには用も無いし…払う食事代も無いんだ」

 剣士が口元を歪め、鼻を鳴らす。

「……」

 黙ってしまったテナエが、どんな表情をしていたのか。ビィズは確認もしなかった。
 と言うのも、ビィズは彼女を方を振り向く事も無く手に在った紙袋──テナエの物の一部──を彼女に押し付け。
 素早く身を屈め、派手男の懐に入り込み、その顔…顎を、下から全力で殴っていたからだ。

「ほぁ」

 金髪剣士が間の抜けた声を出した。直後、吹っ飛んだ派手男が地面と衝突した音が鳴る。…一撃で気絶したらしい、彼が動く様子は無い。

「え、ちょ」

 状況を理解しようと、竪琴男が倒れた仲間の方を向く。
 その瞬間、ビィズは彼に近付いて同じく顎を…今度は、蹴り上げた。
 脚の形等で男と気付く人間が居てはまずい。そんな考えから今日も着用していたロングスカートが翻る。念には念をとドロワーズも着用しているので問題無い。何も見えはしない。

「あぇ、え…」

 1人目と同じように吹っ飛んで行った2人目を見送って、剣士が再び間抜けに鳴いた。
 1人目と同じく、2人目も。気を失って倒れっ放しだ。…その様子を見て現状が把握出来たらしい。剣士の顔がやや青くなる。
 が。もう遅い。

「…………」

 無言のまま、ビィズは剣士の首を横から掴む。ガチガチと、必死に、こちらを向く剣士の顔を確認する。

「あの…」

 か細い声で、その2文字が発された瞬間。ビィズは彼の首から手を離し、その手で思い切り口を掴み、塞いだ。
 怒りを隠さない目で、表情で、怯える剣士の目を睨む。塞がれた彼の口からは、声どころか最早空気すら漏れ出て来ない。

「謝れ」
「…っ?」
「────アタシの友達に謝れ、節穴野郎ッッ!!」

 手を離す。同時に叫び、同時に欠片の容赦も無い力で剣士の頬を殴った。
 地面に沈んだ剣士は──他2人より頑丈だったのか──何とか気を失わずに居られたようで、「ごめんなさい」と数メートル這って移動し、泣きながら立ち上がり、一応仲間達も引き摺って…走り去った。
 側を通る人々が、何人か。「良いぞー」「姉ちゃん、強いなぁ」と、無責任な野次や歓声を投げて行く。

「…ビィズさん」

 押し付けられた紙袋を抱えたままの状態であろうテナエが、震える小声で名を呼んで来た。
 傷付いてしまったのだろうと──彼らの暴言を全否定すべく──急いで振り返ったビィズだが。…そこに居たテナエは、真っ赤な顔で、嬉しそうに震えていた。

「と、友達…か…? わ、わわ、私は…」
「!!」

 つい、絶句してしまう。
 直ぐ頭に動けと命じ、回転させ、あーだこーだと言い訳のような物を考えてみるものの。結局、何も思い浮かばず。

「そ、そりゃあ…! 2人で一緒に買い物に行くのは友達でしょっ!! テナエは友達!! アタシの友達よっ!!」

 …と。ビィズは逆ギレした。
 対するテナエは、笑って見せて来る。ほんのり潤んだ目を細め、1度だけ目元を拭い、紙袋を抱え直した。

「今日は、本当に…嬉しい、が沢山の日だった!」
「…うぐ…」

 小さく呻って、心の中で白旗を振る。
 神友族のお嬢様だの、一応かつての恋敵だの、勘違いでとは言え嫌いだった相手だの、己の惨めさを痛感させて来た相手だの。あーだこーだと言い訳を考え、『認めていない』事にして来たが。
 遠慮も緊張も無くなって行き、最近は意識しなければ敬称も忘れそうになっていた。

 つまり、いつの間にか「テナエはビィズの友達だ」と認めてしまっていたのだ。だからこそ彼女が悪く言われれば、真っ先に顔を出すのは怒り1つだった。
 つまり…今、振られている白旗は。「友達だと認めている事を認めた」故、振られているのである。


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