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第二十二話.イチリルの町 21 2人の狩り再び 

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 翌朝目覚めると、シルフィーは狩人いつものの格好をしていた。

 なるほど。見事におっぱいが隠れている。

 朝の陽ざしに照らされて、シルフィーが輝いて見える。

 やっぱり綺麗だな。

「おはよう。エル」

「ああ、おはよう。シル」

 おっそうだ。

「ご主人様に、朝の挨拶をするように」

「えっ今したじゃない」

「ここにだ」

 と口を指さす。

 シルフィーは、赤くなって、

「もう。おはようございます。ご主人様」

 と言って、ちゅっとキスをした。

 ……かわいいなぁ。

「シル。もう痛くないか?」

 シーツの上に手ぬぐいを置いていたのだが、少し血がついていたのだ。

「まだ違和感はあるけど、大丈夫よ」

 とOKサインをだした。



       ☆



 2人でおいしい朝食を堪能し、宿をでた。

 露店で昼食用にうどん玉スープ2つ4銅貨、黒パン2つ2銅貨で6ドロル支払う。

残金 80ドロル 大銅貨8枚

 宿でもそうだが、冒険者の男たちが、チラチラ、シルフィーを見るようになった気がする。

 綺麗になって(汚れが落ちて)、目につくようになったのだろう。

 男たちの目線を追うと、こんな感じだ。

 1.シルフィーの顔を見る。

 2.胸を見る。

 3.もう一度顔と全体をみる。

 4.見るのをやめる。

 わかる。わかるぞ。諸君。

 やはり、そうだ。

 おっぱいなのだ。

 しかし、君たちは間違っている。


 この服の下には、国宝が眠っているのだ。


 くっくっく。見せびらかしたいが。見せたくない。

 うーん。困ったな。


 道具屋へ行って手ぬぐい3銅貨3つと、懐紙3銅貨3つ、歯ブラシ4銅貨1つ(シルの分、だいぶ古くなっていたらしい)を買い、22ドロル払う。

残金 58ドロル 大銅貨5.8枚

 道具屋のお姉さんに、微笑まれた。

(昨夜はお楽しみでしたね)

 シルが赤くなる。

 月流しを買ったからな……。

 お礼を言って店をでた。

 門をくぐり、いつもの狩場へ向かう。

「シル。ちょっと思いついたんだけどさあ」

「うん」

「シルが先行して、俺が剣を落とすだろ。そのあと、俺じゃなくて、シルがナイフでとどめを刺したほうがいいんじゃないか?」

「うん。いいけどなにか違うの?」

「獲物の傷を減らしたいんだ。剣で刺した後止めを刺さずに、待っていたら死ぬ奴と逃げるやつを見極めてほしいんだ」

「うん。そうね、そのほうがいいかもね」

「じゃあそれで、一回やってみよう」



     ☆



 昼までにウサギ3羽、赤鶏2羽の成果を挙げた。

 木陰の下に座って昼飯を食べる。

「結局、5羽とも止めは、いらなかったな」

「そうね。ウサギも首元に刺さってるし、赤鶏は2羽とも首チョンパだったわね、剣が横を向くように調整してるの?」

「おっ分かった?」

「うん。どんどん上手くなってる気がするわ」

「シル」

「なあに」

「おっぱい触らせて」

「ぶっ何よ急に、いやよ」

 シルフィーが吹き出す。

「えっいやなの」

「これ、取るの大変なのよ。全部脱がないと外れないし」

「ああ、ごめん。そうじゃない。そのまま触りたかっただけ」

「なんだぁ。どうぞ。ご主人様」

 触ってみると、やっぱり硬い。

 両手でさわさわして胸当ての輪郭を確かめる。

 早めにサイズのあったものを買ってやりたい……。

 おっシルフィーの顔が赤くなっている。

「触られても感覚ないだろ」

「そうだけど……。はずかしいわ」

「ちゃんと体に合ったサイズのものを買ってやりたいからな」

「エル……」

 シルフィーの目がウルウルしている。

「まぁとにかくある程度、お金を貯めないとな」

「そうね。頑張りましょう。あっそうだ。エル。アルフィーさんとはどうゆう予定になってるの?」

「今日、冒険者ギルドに行ったら。そのまま一緒にパーティー申請して、挨拶をして回るつもりだけど・・いやだなぁ」

「えっいやなの?」

 シルフィーが驚いた表情をする。

「そりゃいやだよ。気軽に考えてたけど、男女でトリオになるのって結婚するようなもんなんだろ」

「そんな大それたもんじゃないけど……なんでいやなの」

「だってあの、美人看板(巨乳)受付嬢のアルフィーが、やめて冒険者になるんだぜ。そんでどこの馬の骨だかわからないFランクの、しかも臭い女連れの男とトリオになるって言ったら、俺なら絶対やめとけって言うぞ」

「くさいって言うな! でも、そういわれればそうね」

「そうだろう」

「しかも、小さなころから冒険者ギルドで働いてきたんだもんね。すごい美人で人気だし。いっつも男に誘われてたのよ」

「そうだろうなぁ」

 まわりも、あんなすごいおっぱいな人をほっとくわけがない。

「でも、誰に誘われても、うんっていわないのよ」

「へー」

「それが、なんでエルなのかねぇ」

 シルフィーがじと目で見てくる。

「そうなんだよ。自分でもなんでか、わからないんだよ」

 俺のおっぱいへの信念が通じたとしか思えない。

「私には、エルの良さが分かるから、アルフィーさんも分かったんでしょうね」

 ふふふ 俺には溢れ出るおっぱい愛があるからな。

「ああ、一目見てびびっときたらしいぞ」

 シルフィーがヤレヤレと言った表情をする。

「あーそうですか。ごちそうさまです。でも……。私もよ」

 シルフィーが抱き着いてきた。

   

       ☆



 昼からは石を落下させる練習をしたり、手のひらに剣の握る部分がくるように、アイテムボックスからだしてすぐ剣が振れる練習をした。

 今までも少しずつやっていたのだが、今日はいつもより調子がいい。

 精度が良くなった気がする。

 レベルがあがったのかもしれない。

 狩りをしながらも、手に石や剣をだしたり戻したりと練習した。


 俺にはこれしか能力がないからだ。


 ずっと考えていたのだが、剣や弓や魔法が使えるようになるとは思えない。

 この能力を磨いていくしかないのだ。

 アルとシルと3人でトリオになる以上、なんとか2人を守っていかなくてはならない。


 おっぱいは俺が守るのだ。


「これで、10羽だな。シル、帰ろうか」

「そうね、十分だわ」

 1日でウサギ6羽と赤鶏4羽で10羽、余裕を持って狩れれば十分暮らしてはいける。

 冒険者ギルドで挨拶するのは気が重いが、アルフィーに会えるのは楽しみだ。


 行くとするか。
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