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その2
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領地に戻るとさらにエアシルの町が発展していた。
田舎へ行ってたせいでエアシルの町と城が余計に素晴らしく見える。
「クライフ、ルーレット、今まで苦労したんだな」
「はい、私も頑張ったものですな」
「ええ、立派です。兄上、私も誇りに思います」
自分たちの手で作り上げた素晴らしい町を眺め、感慨にふける。
城大門から城内に入り、兵士とメイドの達のお出迎えを受けた。
「「エルヴァン様おかえりなさいませ!」」
「うむ、クライフ、ルーレット。これが本当の騎士だよな」
「はっそうありたい物ですな」
「ええ、ターン家とは全然違いますねぇ」
クライフとルーレットの目が満足そうに輝いた。
「ターン家はメイドと執事はいなかったのか」
「はい、姪と羊ならいたんですけどね」
「ははっ悲しいなぁ」
「はい……」
「ええ……」
二人がすっかりしょげてしまった。
「だが、これからは九騎連もガラッと変わるぞ。冒険者養成学校も急がないとな」
実はまだ出来ていないのだ。というか計画も図面も何もない。
もちろんこれから作るつもりだ。
「そうですな、優秀な者が増えれば村も変わっていくでしょう。もう借金(利息)も無いのですから」
「そうですよ、兄上。治水もしましたし、耕作面積も増えましたからね。未来は明るいですよ」
食事部屋で会食しながら報告会をした。
「……という訳で、エアシルの町に冒険者養成学校を作る事にした。もちろん校長はミランダにやってもらうつもりだが、大丈夫かな」
「はい! ありがとうございますエルヴァン様、学校が出来るなんて嬉しいです!」
ミランダが喜んで返事をした。
「仕組みはルーレット達と相談してくれ、基本的には無料で、困ってる小さい子供を優先的に何とかしてやりたいと思っている」
「素晴らしいです! 頑張りますね」
「ああ、無理せず皆を頼ってくれ。手が空いてる者は率先して手伝って欲しい。なぁウエス、オスマン」
常に手が空いてそうな二人を見る。
「俺は忙しいんだぞ! だが、学校は賛成だ。俺達も苦労してきたからな、なあオスマン」
「本当。そんな学校があったら行きたかったなー」
「そうだろ、皆がこうだったらいいな。と思う事を考えてやってくれ、頼んだぞ」
「応!」
「はーい!」
皆も大きくうなずいた。
「メルケルン、留守番ご苦労だったな。何か問題はあったか」
「いえ、特に問題も無く順調でした。ただ人が増えすぎて処理が大変なだけでしたね。クライフ殿の苦労が少しだけ分かりました」
少し疲れたような顔に見えるメルケルン。
アルフィーにヒールしてもらおうか。
「そうか、だが立派にこなせたようだな、城主代理代行。そうだ、メルケルンはいずれ騎士になりたくないか?」
「騎士ですか……正直今は考えておりません。私は領地経営には向いてない気もしますね」
「そうか、いやご苦労だった」
「はい」
「もし騎士になりたい者がいる場合は、実力があれば考慮する。遠慮せずに言ってくれよ」
その言葉に食事室がザワザワした。
「ちょっとエル、そんな大事な事、簡単に言っちゃダメないんじゃないの?」
シルフィーが心配する。
「そうかな、考慮するだけで本当にするとは言ってないぞ」
それを聞いてシルフィーがカクンとなる。
「なんだ、それらないいわ」
「じゃあエル。俺は騎士になりたい!」
ウエスタンが手を上げる。
「おお、さすがウエス。それでこそ男だ。本気なのか」
「ああ、本気だ。俺も白衣が欲しい。(わかっていない)」
俺がカクンとなった。
ダメだこりゃ。
「オスマンはどうなんだ」
「えーあたしー? じゃあ、あたしは準男爵になるー!(わかっていない)」
うーん、これは絶対駄目なやつだな。
「よし、頑張れ!」
「応!」
「頑張るー!」
何を頑張るのかは分からないが、こいつらはやっぱりペットだな。
「では、明日から俺達はイチゴ村への道路工事だな」
「そうですね、頑張りましょう」
「ええ、そうね」
皆で楽しく食事した。
田舎へ行ってたせいでエアシルの町と城が余計に素晴らしく見える。
「クライフ、ルーレット、今まで苦労したんだな」
「はい、私も頑張ったものですな」
「ええ、立派です。兄上、私も誇りに思います」
自分たちの手で作り上げた素晴らしい町を眺め、感慨にふける。
城大門から城内に入り、兵士とメイドの達のお出迎えを受けた。
「「エルヴァン様おかえりなさいませ!」」
「うむ、クライフ、ルーレット。これが本当の騎士だよな」
「はっそうありたい物ですな」
「ええ、ターン家とは全然違いますねぇ」
クライフとルーレットの目が満足そうに輝いた。
「ターン家はメイドと執事はいなかったのか」
「はい、姪と羊ならいたんですけどね」
「ははっ悲しいなぁ」
「はい……」
「ええ……」
二人がすっかりしょげてしまった。
「だが、これからは九騎連もガラッと変わるぞ。冒険者養成学校も急がないとな」
実はまだ出来ていないのだ。というか計画も図面も何もない。
もちろんこれから作るつもりだ。
「そうですな、優秀な者が増えれば村も変わっていくでしょう。もう借金(利息)も無いのですから」
「そうですよ、兄上。治水もしましたし、耕作面積も増えましたからね。未来は明るいですよ」
食事部屋で会食しながら報告会をした。
「……という訳で、エアシルの町に冒険者養成学校を作る事にした。もちろん校長はミランダにやってもらうつもりだが、大丈夫かな」
「はい! ありがとうございますエルヴァン様、学校が出来るなんて嬉しいです!」
ミランダが喜んで返事をした。
「仕組みはルーレット達と相談してくれ、基本的には無料で、困ってる小さい子供を優先的に何とかしてやりたいと思っている」
「素晴らしいです! 頑張りますね」
「ああ、無理せず皆を頼ってくれ。手が空いてる者は率先して手伝って欲しい。なぁウエス、オスマン」
常に手が空いてそうな二人を見る。
「俺は忙しいんだぞ! だが、学校は賛成だ。俺達も苦労してきたからな、なあオスマン」
「本当。そんな学校があったら行きたかったなー」
「そうだろ、皆がこうだったらいいな。と思う事を考えてやってくれ、頼んだぞ」
「応!」
「はーい!」
皆も大きくうなずいた。
「メルケルン、留守番ご苦労だったな。何か問題はあったか」
「いえ、特に問題も無く順調でした。ただ人が増えすぎて処理が大変なだけでしたね。クライフ殿の苦労が少しだけ分かりました」
少し疲れたような顔に見えるメルケルン。
アルフィーにヒールしてもらおうか。
「そうか、だが立派にこなせたようだな、城主代理代行。そうだ、メルケルンはいずれ騎士になりたくないか?」
「騎士ですか……正直今は考えておりません。私は領地経営には向いてない気もしますね」
「そうか、いやご苦労だった」
「はい」
「もし騎士になりたい者がいる場合は、実力があれば考慮する。遠慮せずに言ってくれよ」
その言葉に食事室がザワザワした。
「ちょっとエル、そんな大事な事、簡単に言っちゃダメないんじゃないの?」
シルフィーが心配する。
「そうかな、考慮するだけで本当にするとは言ってないぞ」
それを聞いてシルフィーがカクンとなる。
「なんだ、それらないいわ」
「じゃあエル。俺は騎士になりたい!」
ウエスタンが手を上げる。
「おお、さすがウエス。それでこそ男だ。本気なのか」
「ああ、本気だ。俺も白衣が欲しい。(わかっていない)」
俺がカクンとなった。
ダメだこりゃ。
「オスマンはどうなんだ」
「えーあたしー? じゃあ、あたしは準男爵になるー!(わかっていない)」
うーん、これは絶対駄目なやつだな。
「よし、頑張れ!」
「応!」
「頑張るー!」
何を頑張るのかは分からないが、こいつらはやっぱりペットだな。
「では、明日から俺達はイチゴ村への道路工事だな」
「そうですね、頑張りましょう」
「ええ、そうね」
皆で楽しく食事した。
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