アイテムボックスだけで異世界生活

shinko

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第百一話.新たな拠点と新たな問題

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 地面を固めるためにまず基礎の工事を行った。皆で出来る所はどんどん手伝っていく。基本的に土壁レンガなら早く出来そうなので、ドンドン並べて作っていった。

 レンガ作りも皆慣れているので、ガンガン設置していくと数日でそれなりの物が出来てきた。

 段々楽しくなってきたので、頭に輪を出しながらノリノリで建築をする。

 とにかく先行して館の周りとなる大枠だけ先に作った。壁と屋根さえ作ってしまえば後は職人に任せればいい。さらに数日で外回りの壁と屋根が完成する。

 後は内装だ。床下に下水排水ルートを埋めて床を張る。部屋割りに合わせて壁をバンバン作っていく。また数日で大まかな壁が出来上がる。

 さらに数日経過した時点でエアシル館はほぼ完成した。広さだけはあるので一階立ての物凄いデカイ屋敷を建てたのだ。二百メートル×二百メートルの四万m2もある館だ。

 前の城よりも部屋数も増やしたうえに、当然王座の間も作っておいた。

 クライフ達、メルケルン達、ウエス達、ルーレット達 マルセイユ、ゴーゴン、キーリス達、イースタン達、スーラ達の幹部部屋の他、執事部屋、メイド部屋、近衛部屋、従士部屋、工作隊部屋、魔法隊部屋、食事部屋、会議室、男女大浴室、浴室、給仕部屋、研究部屋、訓練室、来客に対応できる大広間等を作った。

 そして城と同じように俺達の部屋が、王座の部屋の奥にある。

 メイドも近衛兵も従士も工作隊も皆泊まれるようにしたのだ。まだスペースが余りまくっている。

 ただ、エネルギー源がないので大浴室も浴室もトイレも共同にした。大浴場と浴場の風呂は水を張り、火魔法で温めてお湯にするのだ。ミランダとタニア、魔法隊が担当する。

 俺達の部屋と幹部の部屋はトイレも浴槽もあるので勝手に入れる。ただ湯水は各自で入れなければならない。

「ようやくそれなりに形になりましたな」

 ようやく完成したので、クライフ達と館の食事部屋で夕食を食べながら酒を飲みくつろいでいる。

「ああ、仮設は可哀そうだったからな。これならとりあえずはいいだろう。城に比べれば快適さは劣るが広さはあるし、十分暮らせるだろう」

「もちろんです、共同ですが皆の風呂もありますしな。我々は浴槽さえあれば魔法とマジックバッグでどうにでもなりますからな。この館なら、男爵どころか子爵でも伯爵としてでも十分でしょう」

 皆も満足げな表情をしている。

「そうね、皆で作ったし、これはこれでいいわよね」

「お風呂もあるし、ベッドもあるので全く問題ありませんね」

「主様と一緒にいられればオルは何でもいいんですの」

 嫁三人も文句はない。

「私達の部屋も前と変わりませんし、お湯と泡が少し手間が掛かるくらいですね。メイドと兵の部屋も増えましたしそんなには変わりませんね」

 ミランダがそう言うとメルケルンもうなずいた。

「兵の訓練部屋も広くなりましたし、今ではこの館の方が良い位かもしれません」

 他も同意見のようだ。結局安心して住める広い拠点があればいいのだろう。

「皆も落ち着いたようで何よりだ。オフ氏の事だからいずれは戻ってきてくれるだろう。俺達はいよいよイチゴの町までの道を作ろうと思う。皆も各自の仕事を進めて行ってくれ」

「「「はい!」」」

 王座の間に出来た新しい王の椅子に座り、メイドと挨拶をする。カーテンが無くなってしまったので最初から個室にした。個室なので好き放題できる。

 だが最初から飛ばすといけないので今までと変わらない挨拶にしたが、やはり二人っきりのため、メイドのほうが積極的だった。自制するのが大変だ。

 挨拶を終えて王の部屋に入りお風呂に湯を入れる。一応六人位は入れる様に浴槽を作ったのだ。お湯と泡は城の時に沢山入れてあるので問題ない。

 風呂に入って全身を伸ばした。

「あーーーー」

「気持ちいいですね」

「最高ねー」

「幸せですの」

 三人の巨乳色白美人妻に囲まれ風呂に入る。これで一日の疲れが吹っ飛んで行った。

 翌朝、食事部屋でゆっくりしていると、ニールゼン男爵から使いが来たようだ。

 近衛兵が依頼書を持って伝えに来た。

「エアシル男爵様。サンタマルタ辺境伯様からの依頼書です。城が無く、伝令鳥が戻ってきてしまったので直接依頼書を持ってまいられたそうです。こちらを確認してください」

「そうか、城が無いからな。俺達も困ったが、伝令鳥も困っただろう。ははは」

 思わず笑ってしまった。伝令鳥は場所を覚えて飛んで来るのだ。来たら城が無いので困って戻ったのだろう。

 皆が笑った後に、依頼書を確認した。どれどれ。

〔エアシル男爵殿へ ナイマール王国の銅竜山より銅竜の封印が解かれ、銅竜が暴れまわっている。同盟国の規定によりSランク冒険者へ援軍要請がなされた。これはネイマール国王陛下からの依頼である。至急ナイマール王国へ赴き、討伐に協力して頂きたい。移動、その他に関して王国が全面的に協力する。 返答を至急願う。 辺境伯サンタマルタ〕

「ぶぶっー!」

 なっなんじゃこりゃー!? あまりの急展開に俺はイチゴミルクを吹き出した。

 何だよ銅竜討伐って、Sランクってそんな義務があるんかい?

「何よエル、もう汚いわねぇ」

 シルフィーがかかったミルクを拭きながら文句を言う。

「エルヴァン様、何かございましたか」

 俺はクライフに依頼書を見せた。

 クライフが皆に説明するように依頼書を音読する。そしてその内容に驚いた。

「なっ何と、これは……」

 会場がザワザワした。

「銅竜がでたんですの! 五百年程前に、主様が封印したんですの」

 オルフィーが何事もないようにサラッと言う。

「「「ええーーーーーー!!」」」

 皆がその言葉に驚いた。

「オル、銅竜の事を知ってるのか」

「はいですの、昔、竜達が暴れて困っていたので主様が封印したんですの。それで人々が感謝して、主様をエル・ヴァン真の王と呼んで崇めたんですの。そしたら元々住んでいた周辺のヌシ達がお礼に来たんですの。でも悪いやつがいて騙してアルフィー様を連れ出して攫ってしまったんですの。悲しんだ主様は船を隠して、皆で転生したんですの」

 オルフィーの話に皆が愕然とした。これだけ聞くと何を言ってるんだお前は、となるところだが、この数日間一緒に行動を共にして何度もオルフィーの過去の話をしていたため、皆もオルフィーの事を信じているのだ。 

「えっまさか銅竜だけじゃなくて、銀竜と金竜も封印されたのですか、オルフィー殿」

 クライフが興奮してオルフィーに聞く。

「そうですの。他にも黒龍や白龍なんかも皆主様が封印したんですの。なのに金竜を封印した場所の小さな領主が騙してアルフィー様を攫って逃げたんですの。後で気づいた皆が必死に探したんですの。でも見つからなかったんですの。そのうちに死んだと聞いた主様が怒って、悲しんで……それで皆で転生したんですの」

「と言う事は今のネイマール国王の初代が金竜を封印したとの話は……」

「そんな訳無いんですの。そいつはアルフィー様を攫った極悪人ですの!」

 オルフィーが怒って言い放った。

「まっまさか。そんな……」

 皆がとんでもなくショックを受けている。それはそうだろう。生まれた時から、金竜を封印した英雄が立ち上げた王国だと信じて生きてきたのだ。

 それを違うと言われても、はい、そうですか。と納得出来る訳が無い。

 だが、そもそも本当の事なのか何も証拠がない。

 今の所はどうしようもないだろう。

 しかし、オルフィーの記憶はどうなんだろう、俺の薄っすらとある過去の記憶にはそんな大それた記憶なんてないんだぞ。

 もっと小市民の記憶しかない。UFOキャッチャーやしょうもない記憶しかないのだ。

 そう言えば海を割ってるような記憶があるな。あれはアイテムボックスなのだろうか。

 うーん、さっぱり分からん。

「まぁ考えてもしょうがない。陛下からの依頼だし、とりあえず行ってみよう」

「そっそうですな。戦力はいかがいたしましょう。エルヴァン様」

「今回は男爵としてではなく。SランクPTトライアングルとしての要請だ。飛行船で行けば早いし楽だろう。俺達とオルと四人で行く事にする。じゃあ、後は頼んだ。返答も頼むな」
 
「はっ、ではお気をつけて」

「行ってらっしゃいませ」

 皆に見送られて飛行船で館から飛び立った。
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