【完結】元・おっさんの異世界サバイバル~前世の記憶を頼りに、無人島から脱出を目指します~

コル

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第2章 無人島の日々

9・砂浜の探索

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 今度は大きさを間違いないように、シェルターの大きさを測ってすのこを作り直そう。
 作り直したら小さすぎたとか話にならんからな。
 ものさしやメジャーといった測る物が無いから、歩数で距離を測る歩測をするか。
 あいまいな長さになってしまうけど何もしないよりはましだ。
 スタート地点に線を引いて、1歩、2歩、3歩……縦は16歩よりちょっと手前。
 今度は横を向いて線を引いて、1歩、2歩、3歩……横9歩と10歩の間くらいか。

 今の歩幅の間隔を忘れない様に、次はすのこの縦横で歩く。
 ……うん、縦横共に2~3歩分大きい事が分かった。
 最初からこうすればよかったな。

「ふぅ~屋根もだいぶ出来て来たな~…………なあアンちゃん、ちょっと思った事があるやけどええかな?」

 すのこを直していると、ユキネさんに声をかけられた。

「なんですか?」

「これやと、強い風が吹いたら飛ばされてしまんやない?」

 あーこの作りだとそう思うよな。
 もっと強固に作りたかったが、シェルター作りに時間をかけていられないんだよな。

「そうですね、確かに今の状態ですと強風で飛ばされる可能性はあります……けど、他にも今日中にやりた事があるので、とりあえずここまでです。シェルターの強化は徐々にやっていこうと思います」

 強化をするとなると木の皮を剥いで上に乗せたり、木材を組んだりとか。
 まぁ今それを説明してもって感じだな。

「その時その時で、また説明しますよ」

「そかそか、わかったわ」

 ユキネさんは納得した様子で作業に戻って行った。
 あっちはもう終わりそうだし、俺もさっさとすのこを完成させないとな。



 直したすのこは若干隙間があったものの、シェルター内に無事に収まる事が出来た。
 後は、すのこの上に葉っぱを敷き詰めてクッション代わりにすれば床の完成だ。

「え~と……みんなで雑魚寝状態になりますが、我慢してくださいね」

「それならお嬢様と密着できっ――! ……こほん、わたくしは問題ありません」

「屋根がある所で寝られるんやから文句はないで」

「みんなでぇ仲良く寝ましょう~」

 若干1人、気になる事を言った様なきがするが……まぁいいや。
 反対意見が無くて良かった。

「あ、アンちゃん~籠ってこんな感じでいいのかなぁ?」

 ベルルさんが蔓で編んだ大き目のバスケットを俺に渡してくれた。
 おお、すごいな。
 若干不安そうだったけど、ばっちりな仕上がりだ。

「ありがとうございます! いい出来です!」

 これなら物を持ち運ぶのに便利だ。

「よかったわぁ~」

 さっそく使わせてもらうとしよう。

「では、次にこの拠点の周りを探索……」

『ウホッ!? ウホウホ!』

 なんだ? トモヒロが急に慌てだして、親指を自分の体に向かって何度もさして……あっ!

「ごめんごめん、トモヒロのシェルターを作らないとだったわね」

「「「あっ」」」

 俺同様みんなもすっかり忘れてたみたいだ。
 つかユキネさんは忘れちゃ駄目だろう……。



 トモヒロのシェルターも無事完成だ。
 ぶっちゃけ、雑な部分もあるが……まぁこれも追々……な。
 さて、改めて無人島の探索を開始しようか。

「では、改めて……次はこの拠点の周りから探索していこうと思います。ユキネさんとトモヒロは、木の実とかキノコといった食べられそうなものを探してほしんです」

「それはいいけど……ウチ、何が食べられるかわからへんよ?」

「私が後で選別しますので大丈夫です。あっ全部は採らず、1~2個だけ持ち帰って来て下さいね」

 俺の知っているのがあるといいな。
 わからないのがあると、食べられない物として扱わないといけないから非常にもったいない。

「わかった! トモヒロ、行くで!」

『ウホッ!』

「あ、籠を……って、もう行っちゃった」

 止める間もなく森の中へと走って行ってしまった。
 相変わらず行動が早いな。
 籠は俺達が使わせてもらおう。

「ベルルさんはシェルターに残って、火の番と引き続き籠作りをお願いしてもいいですか?」

「いいわよぉ」

「私とケイトは砂浜に行って、使えそうな漂流物が無いか探しましょう」

「かしこまりました」



 この砂浜はパッと見た感じ、漂流物はあまり流れ着いていないようだ。
 潮の流れや島の地形の影響でかなり変わるから、漂流物が多い場所も把握しないといけないな。
 まぁとりあえず、今日の所はここでいいか。

「ケイト、手分けして使えそうな物が無いか探しましょう」

「はい」

 えーと……お、木の板を発見。
 加工されているから、船の破片かもしれないな
 板は焚き火の燃料より敷くとかまな板に使える。

 あ、ロープを発見!
 こいつはかなり長保するぞ。

 中身の入ったビンだ!
 栓を抜いて、中身の臭いを嗅いでみると酒臭い。
 非常にもったいないが、中身の酒は捨てて水を入れるとしよう。

 ある程度見回ってからケイトと合流をした。
 ケイトが見つけたのはボロボロの服、ビン、大小の流木。
 ボロボロの服は着れないけど、水を濾すのに十分使えるな。
 そういったゴミみたいな物でも、この物資の無い無人島だと実にありがたい。

「この辺りはもう探しつくしたし……今度は海の生態がどうなっているかを調べてみましょう」

「そうですね」

 拾った物を1カ所に置いて、俺達は海の方へと向かった。

「結構、魚が泳いでいますね」

「そうね……」

 魚を捕って食料にしたいな。
 けど釣り竿も網も罠も無い、手掴みは絶対に無理だ。
 今は諦めるしかない……が、それならそれで標的を変えるだけ。

 海の中に転がっている大き目の石の周りを見れば……あったあった、小さい巻貝がびっしりついているぞ。
 巻貝を手に取ると、貝殻も含めて全体がグニャグニャしている。
 この特徴はスライム貝の一種だな。
 スライム貝類は毒が無くて、殻まで食べられるのが特徴だ。
 サバイバルにおいて非常にありがたい。

「ケイト、スライム貝があったわ」

「本当ですね。今日の食料にしますか?」

「うん。けど、小さい物は獲らずに大きい物を狙いましょう」

「わかりました」

 とはいえ、大物は親指サイズ位か。
 みんなで分けるとなると、結構な数を集めないといけないぞ。
 もうちょっと深いところに行けばもっと大きい物があるかな?
 浅瀬から少し深いところへ移動をするか。

「……ん? ――っお嬢様! 足元!!」

「え?」

 ケイトの叫びで足を止めた。
 そして、足元を見るとタコの様な触手がウネウネと俺の足に絡みつこうとしていた。

「おわっ!」

 俺はびっくりして反射的に後ろに下がった。

「大丈夫ですか!」

 ケイトが慌てた様子で俺の傍へと駆け寄って来た。

「あ、うん……今のは……」

 顔を海の中につけてみると、目の前にシャコガイの様な大きい二枚貝があった。
 その中からタコの足の様な触手を出してウネウネとさせていた。

「ぷはっ! ……あの貝……どこかで見た事がある様な…………そうだ、思い出した!」

 あれは魚介類じゃなくてモンスターだ!
 触手で獲物を引き摺り込んで、貝殻の部分で挟んで獲物を仕留める肉食種。
 あのまま掴まっていたら俺の足は挟まれて簡単に切断されていただろう。
 想像しただけで血の気が引くわ……。
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