6 / 12
ラッキー再会
しおりを挟む
「なあ、おい。この方角……お前の村というのは本当にこっちで合っているのか?」
魔王城を出発しておよそ半日。
鬱蒼とした森の中を歩きながら、不安そうにきょろきょろ見回してデミリアが言った。
「大丈夫だってば。アタシの小さい頃はもっと安全だったから、ここらへんの森まで全部遊び場だったのよ。いくらアタシの運が悪くっても迷うわけない。あんたって、そんなに方向音痴なわけ?」
「う……まあ、それなりに迷うほうではあるが」
魔運のデミリア将軍は、隣国を攻めるにも大回りに大回りを繰り返し、結果、ありえない方角から攻め込むという天然の策士だった。無論、率いている兵からは不平を言われ、他の将からは罵倒される。
「だが、わたしが言っているのはそういう漠然とした話ではない。エミリアには先日話したであろう? わたしの生い立ちのことだ」
先日とは、エミリアが生贄とされた日のことである。
ただ気絶させて運ぶだけの役割だったはずのデミリアだが、つい話し込んで――というか一方的に自分の不運話を話し続けてしまった。
エミリアはエミリアで自分を不運だと主張して譲らないため、どちらのほうがより不運レベルが上なのか競うような言い合いとなったものだ。
その不毛な会話を思い出したのか、エミリアはすこし呆れた感じで、
「ああ、あんたが育ったっていう悪魔の森だっけ。エルフの里を追い出されたあんたが悪魔のような真っ黒い剣士に拾われたのよね? あれもこっちのほうだった?」
「こっちのほうというか……ここなんだ」
デミリアが立ち止まる。
大きな樹木と、きれいな水の張った湖。
そこは自然に満ちた暮らしやすそうな土地だった。
「え、嘘。ここ?」
先を急ぎたい気持ちを抑え、エミリアもすぐに立ち止まった。
忘れていたがコータローはすでにぼろぼろである。
美女ふたりとの旅に浮かれまくり、胸と尻の話を延々し続けた結果だ。
いわく、デミリアの巨乳は神の造形物だが尻は筋肉がつきすぎているだの、エミリアの魅力はパンツの可愛らしさではなくその奥の尻にあるだの、そんなことを殴られながら本当に幸せそうに語るのだった。
「胸のデミリアと尻のエミリア。オレのパーティが完成されすぎてて怖い。――あ、これラノベのタイトルいけんじゃね?」
そう言ったところでデミリア&エミリアの二点同時荷重攻撃が見事に決まり、「ぐえあ」的な謎の音声を発したきり、ちょっとだけ静かになっていた。
そんなコータローを汚いものを見る目で見ながら、エミリアは、
「ここなわけないわよ。だってここって、もうアタシの村のすぐ近くだもの。悪魔の森だなんてとんでもないわ。あのきれいな湖には神聖な力があって魔物も近寄れないから、木の実や魚を獲るために村の人たちがしょっちゅう立ち寄っているのよ?」
「でも……間違いないと思う」
そう言って、デミリアが付近の岩肌を叩くと、苔のついた土がぼろりと崩れて洞穴が出てきた。
中を覗くとすでに苔で覆われていたものの、鍋や皿などの食器類、最低限の寝具など、人がかつて生活していた雰囲気があった。
「ほら、この穴だ。ここでわたしとあの剣士――タナさんは暮らしていたんだ」
「暗黒剣士タナさん。本名はタナカさんと見た」
「うるさい!」
何を言っても殴られる勇者。まあ自業自得。
「タナさんはタナさん、それ以上でもそれ以下でもない。突然変異のダークエルフだからという理由で村を追い出されたわたしの、命の恩人なんだぞ。むちゃくちゃ厳しい修行の日々だったが、それだってずっと『お前は将軍になるから』って、そう……信じてくれて……」
言いながら、デミリアの目から大粒の涙がこぼれてきた。
上を向いてこらえようとするが、次から次へと溢れ出て、止まらない。
思い出の地でいろいろと思い出すことがあるのだろう、デミリアは結局、空に向かってわんわん泣きながら移動を再開することになった。
コータローもエミリアも、黙って歩いていた。
ふたりそれぞれに、頭をフル回転させて。
コータローは思う。
「タナさん。棚……? いや、やはりここはタナカさんで間違いない。日本人! そうなるとオレと同じ転生者なのではなかろうか。そしてデミリアのあの感じ、もしかして元カレ!? 未練あるっぽい? うわ~なんか複雑な気持ち~。タ・ナ・カの野郎~!」
エミリアは思う。
「デミリアもアタシもどっちも勘違いしていないと仮定すると、同じ空間にいて気づかなかった。これしかないわ。つまり結界魔法か認識阻害魔法。タナっていう剣士と一緒にいたとデミリアは言うけど、そいつ、本当に剣士だったのかしら。怪しいわね。それに――」
「もしここが悪魔の森だとしたら、デミリアが追い出されたエルフの村なんて、どこにもない。この森にあるのはアタシが暮らしていた人間族の村だけ。存在しないエルフの村を追い出され、誰からも見えない結界の中で修行を強いられていたのだとすれば。デミリア、あんたはいったい……?」
エミリアが横を見ると、まじめな表情のコータローと目が合う。
タナのことをもっと訊くしかない。
ふたりとも同じ思いで、うなずき合った。
コータローがジェスチャーで、オレが訊く、と示す。
「なあデミリア、ひとつだけ教えてほしいんだけど……。その、タナってやつはデミリアにとって父親ポジション? それともやっぱり元カ――」
エミリアの蹴りで吹っ飛んでいった。
「デミリアごめんなさい、大事なことだからひとつだけ訊かせて。タナさんは生きているの?」
問われたデミリアは立ち止まり、下を向いて首を振った。
涙が落ちる。
「タナさんは、魔獣の群れからわたしを守って……。タナさんが息を引き取ったあとの記憶はわたしにはないのだが、気づいたらわたしは魔王軍にスカウトされていた。どうやらわたしは逆上し、怒りに任せて魔獣たちを殺し尽くしていたようだ。その姿が、魔王様たちに評価されて今のわたしがあるのなら、それはとても皮肉なことだ」
「そう……ありがとう。もうすぐ村に到着するから、今日はもう無理せず、ゆっくり休みなさいね」
泣かれると調子が狂う。
生贄としての自分を儀式の間に運んだ敵――という認識は元からそんなになかったが、すくなくとも慰めあうような仲ではなかったはずなのに、とエミリアは思った。
そして、エミリアの言葉どおり、
ほんの数分歩いたところで村の入り口が見えてきた。
「あら? 門のところに知らない人がいるわ。旅人かしら」
集落を囲う柵の途切れたところが門のようになっており、そこで、不吉な感じの黒っぽい鎧を着た二十歳そこそこの男が、村人らしき中年男性と会話している。
「えっ? タナさん!?」
黒い男を見たデミリアは叫び、弾かれたように全力で駆け出していた。
魔王城を出発しておよそ半日。
鬱蒼とした森の中を歩きながら、不安そうにきょろきょろ見回してデミリアが言った。
「大丈夫だってば。アタシの小さい頃はもっと安全だったから、ここらへんの森まで全部遊び場だったのよ。いくらアタシの運が悪くっても迷うわけない。あんたって、そんなに方向音痴なわけ?」
「う……まあ、それなりに迷うほうではあるが」
魔運のデミリア将軍は、隣国を攻めるにも大回りに大回りを繰り返し、結果、ありえない方角から攻め込むという天然の策士だった。無論、率いている兵からは不平を言われ、他の将からは罵倒される。
「だが、わたしが言っているのはそういう漠然とした話ではない。エミリアには先日話したであろう? わたしの生い立ちのことだ」
先日とは、エミリアが生贄とされた日のことである。
ただ気絶させて運ぶだけの役割だったはずのデミリアだが、つい話し込んで――というか一方的に自分の不運話を話し続けてしまった。
エミリアはエミリアで自分を不運だと主張して譲らないため、どちらのほうがより不運レベルが上なのか競うような言い合いとなったものだ。
その不毛な会話を思い出したのか、エミリアはすこし呆れた感じで、
「ああ、あんたが育ったっていう悪魔の森だっけ。エルフの里を追い出されたあんたが悪魔のような真っ黒い剣士に拾われたのよね? あれもこっちのほうだった?」
「こっちのほうというか……ここなんだ」
デミリアが立ち止まる。
大きな樹木と、きれいな水の張った湖。
そこは自然に満ちた暮らしやすそうな土地だった。
「え、嘘。ここ?」
先を急ぎたい気持ちを抑え、エミリアもすぐに立ち止まった。
忘れていたがコータローはすでにぼろぼろである。
美女ふたりとの旅に浮かれまくり、胸と尻の話を延々し続けた結果だ。
いわく、デミリアの巨乳は神の造形物だが尻は筋肉がつきすぎているだの、エミリアの魅力はパンツの可愛らしさではなくその奥の尻にあるだの、そんなことを殴られながら本当に幸せそうに語るのだった。
「胸のデミリアと尻のエミリア。オレのパーティが完成されすぎてて怖い。――あ、これラノベのタイトルいけんじゃね?」
そう言ったところでデミリア&エミリアの二点同時荷重攻撃が見事に決まり、「ぐえあ」的な謎の音声を発したきり、ちょっとだけ静かになっていた。
そんなコータローを汚いものを見る目で見ながら、エミリアは、
「ここなわけないわよ。だってここって、もうアタシの村のすぐ近くだもの。悪魔の森だなんてとんでもないわ。あのきれいな湖には神聖な力があって魔物も近寄れないから、木の実や魚を獲るために村の人たちがしょっちゅう立ち寄っているのよ?」
「でも……間違いないと思う」
そう言って、デミリアが付近の岩肌を叩くと、苔のついた土がぼろりと崩れて洞穴が出てきた。
中を覗くとすでに苔で覆われていたものの、鍋や皿などの食器類、最低限の寝具など、人がかつて生活していた雰囲気があった。
「ほら、この穴だ。ここでわたしとあの剣士――タナさんは暮らしていたんだ」
「暗黒剣士タナさん。本名はタナカさんと見た」
「うるさい!」
何を言っても殴られる勇者。まあ自業自得。
「タナさんはタナさん、それ以上でもそれ以下でもない。突然変異のダークエルフだからという理由で村を追い出されたわたしの、命の恩人なんだぞ。むちゃくちゃ厳しい修行の日々だったが、それだってずっと『お前は将軍になるから』って、そう……信じてくれて……」
言いながら、デミリアの目から大粒の涙がこぼれてきた。
上を向いてこらえようとするが、次から次へと溢れ出て、止まらない。
思い出の地でいろいろと思い出すことがあるのだろう、デミリアは結局、空に向かってわんわん泣きながら移動を再開することになった。
コータローもエミリアも、黙って歩いていた。
ふたりそれぞれに、頭をフル回転させて。
コータローは思う。
「タナさん。棚……? いや、やはりここはタナカさんで間違いない。日本人! そうなるとオレと同じ転生者なのではなかろうか。そしてデミリアのあの感じ、もしかして元カレ!? 未練あるっぽい? うわ~なんか複雑な気持ち~。タ・ナ・カの野郎~!」
エミリアは思う。
「デミリアもアタシもどっちも勘違いしていないと仮定すると、同じ空間にいて気づかなかった。これしかないわ。つまり結界魔法か認識阻害魔法。タナっていう剣士と一緒にいたとデミリアは言うけど、そいつ、本当に剣士だったのかしら。怪しいわね。それに――」
「もしここが悪魔の森だとしたら、デミリアが追い出されたエルフの村なんて、どこにもない。この森にあるのはアタシが暮らしていた人間族の村だけ。存在しないエルフの村を追い出され、誰からも見えない結界の中で修行を強いられていたのだとすれば。デミリア、あんたはいったい……?」
エミリアが横を見ると、まじめな表情のコータローと目が合う。
タナのことをもっと訊くしかない。
ふたりとも同じ思いで、うなずき合った。
コータローがジェスチャーで、オレが訊く、と示す。
「なあデミリア、ひとつだけ教えてほしいんだけど……。その、タナってやつはデミリアにとって父親ポジション? それともやっぱり元カ――」
エミリアの蹴りで吹っ飛んでいった。
「デミリアごめんなさい、大事なことだからひとつだけ訊かせて。タナさんは生きているの?」
問われたデミリアは立ち止まり、下を向いて首を振った。
涙が落ちる。
「タナさんは、魔獣の群れからわたしを守って……。タナさんが息を引き取ったあとの記憶はわたしにはないのだが、気づいたらわたしは魔王軍にスカウトされていた。どうやらわたしは逆上し、怒りに任せて魔獣たちを殺し尽くしていたようだ。その姿が、魔王様たちに評価されて今のわたしがあるのなら、それはとても皮肉なことだ」
「そう……ありがとう。もうすぐ村に到着するから、今日はもう無理せず、ゆっくり休みなさいね」
泣かれると調子が狂う。
生贄としての自分を儀式の間に運んだ敵――という認識は元からそんなになかったが、すくなくとも慰めあうような仲ではなかったはずなのに、とエミリアは思った。
そして、エミリアの言葉どおり、
ほんの数分歩いたところで村の入り口が見えてきた。
「あら? 門のところに知らない人がいるわ。旅人かしら」
集落を囲う柵の途切れたところが門のようになっており、そこで、不吉な感じの黒っぽい鎧を着た二十歳そこそこの男が、村人らしき中年男性と会話している。
「えっ? タナさん!?」
黒い男を見たデミリアは叫び、弾かれたように全力で駆け出していた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる