30 / 80
4話 エルエル、勇者に出会う!
29 エルエル、山につく!
しおりを挟む
●
≪ライフマウンテン・入口≫
目的地に馬車が近付く度に暑くなってくる。
フォークテイルタウンから南東にある火山『ライフマウンテン』。
鉱石を採掘する街の人々やこの山の集落に住む人が一部を採掘場として利用している場所だ。
街の近くとは雰囲気がかなり違い土くれが多く地面も土やゴツゴツした岩ばかりで奥に大きい火山が見える。そんな荒れた道を馬車は進み、やがてふもとの馬車乗り場に止まる。
大きい山にあっけを取られていた私は馬車が止まってもしばらく火山を見上げていた。
「採掘場って火山かよ……危ないなぁ噴火したらどうするんですか……」
これから馬車の中にある鍛冶屋のおじさんが用意してくれたツルハシを持ってこの山を進みルピーのために鉄鉱石が取れる場所まで行かなくては。
勇者達もゴソゴソと降りる準備をしている。……あれ?そういえばアルルは?
馬車の隅に目をやると息を乱しながら顔を真っ赤にして倒れているアルルがいた。
「ゼーゼー……」
「どうしたんですかアルル」
「アンタ……早く助けなさいよおおおおおおお!!!!」
どうやらティオとか言う女に色々いじくられすぎて疲れてる様だ。
「いや楽しそうだったし……」
「楽しくないわああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
「あーもう分かりました分かりました!!ごめんごめん!とにかく、早く行きますよ」
ポカポカ頭を叩いて来るアルルをなだめて、私達も降りる準備をしようとした。
まず、鍛冶屋おじさんから貸してもらった馬車の中に置いてあるツルハシが置いてあったはずだ。
自分用にひとつ持って行こうと馬車が移動している時に見かけたツルハシの場所に手を伸ばす。
すかっ。
「あれ?」
さっきまでツルハシがあった場所に手を伸ばすが手ごたえがない。
振り返りさっきまでツルハシがまとめて置いてあった場所を見ると何もなくなっている。
それと同時に勇者達3人もどこかへ消えている。どこへ行ったんだろう?
……と思った瞬間、馬車の外から声が聞こえてくる。
「きゃはは~♡ それじゃあねノロマ共~♡」
「アルルー!まったねー!」
「我、開眼せし……!」
「「えっ!?」」
馬車から身を乗り出して外の様子を見ると勇者達はとっくに馬車から降りて山の方へ走って行く姿が見えた。
3人共、肩にツルハシを何本も担いでいる。……なんであんなに持って行く必要があるんだ?
「あ………ああああああああっ!!!!
""私達のツルハシがひとつも残ってない""わよ!!!!」
「なああっ!!?」
「あ、あいつらに採掘用のツルハシ全部持って行って行かれちゃったのよ!!!!」
「なにいいいいっ!?!?!」
しまった。出遅れてしまった。奴らが何本もツルハシを持って行ったのは妨害行動だったのか。
ツルハシを全て持って行く事によって私達に鉄鉱石を掘らせない作戦か。
「く、クソおおおお!!!!!!な、何か他に掘れる道具は……!!!」
他にも鍛冶屋おじさんが用意してくれた細かい道具は残されていたが大きい道具は土を掘れそうな"大き目のスコップ"だけだった。
「「………」」
とりあえず私達はスコップをかついで他の道具をポケットに詰め込んで馬車から降りた。
「く、くっそ~……!!!と、とりあえずスコップで鉄鉱石が掘れないか試すわよ!!!!」
「さ、さっきも思ってたけどやっぱりアイツら絶対許さんぞ~~~……!」
私達はブーブー奴らへの不満を漏らしながら山の方へ走った。
≪ライフマウンテン・入口≫
目的地に馬車が近付く度に暑くなってくる。
フォークテイルタウンから南東にある火山『ライフマウンテン』。
鉱石を採掘する街の人々やこの山の集落に住む人が一部を採掘場として利用している場所だ。
街の近くとは雰囲気がかなり違い土くれが多く地面も土やゴツゴツした岩ばかりで奥に大きい火山が見える。そんな荒れた道を馬車は進み、やがてふもとの馬車乗り場に止まる。
大きい山にあっけを取られていた私は馬車が止まってもしばらく火山を見上げていた。
「採掘場って火山かよ……危ないなぁ噴火したらどうするんですか……」
これから馬車の中にある鍛冶屋のおじさんが用意してくれたツルハシを持ってこの山を進みルピーのために鉄鉱石が取れる場所まで行かなくては。
勇者達もゴソゴソと降りる準備をしている。……あれ?そういえばアルルは?
馬車の隅に目をやると息を乱しながら顔を真っ赤にして倒れているアルルがいた。
「ゼーゼー……」
「どうしたんですかアルル」
「アンタ……早く助けなさいよおおおおおおお!!!!」
どうやらティオとか言う女に色々いじくられすぎて疲れてる様だ。
「いや楽しそうだったし……」
「楽しくないわああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
「あーもう分かりました分かりました!!ごめんごめん!とにかく、早く行きますよ」
ポカポカ頭を叩いて来るアルルをなだめて、私達も降りる準備をしようとした。
まず、鍛冶屋おじさんから貸してもらった馬車の中に置いてあるツルハシが置いてあったはずだ。
自分用にひとつ持って行こうと馬車が移動している時に見かけたツルハシの場所に手を伸ばす。
すかっ。
「あれ?」
さっきまでツルハシがあった場所に手を伸ばすが手ごたえがない。
振り返りさっきまでツルハシがまとめて置いてあった場所を見ると何もなくなっている。
それと同時に勇者達3人もどこかへ消えている。どこへ行ったんだろう?
……と思った瞬間、馬車の外から声が聞こえてくる。
「きゃはは~♡ それじゃあねノロマ共~♡」
「アルルー!まったねー!」
「我、開眼せし……!」
「「えっ!?」」
馬車から身を乗り出して外の様子を見ると勇者達はとっくに馬車から降りて山の方へ走って行く姿が見えた。
3人共、肩にツルハシを何本も担いでいる。……なんであんなに持って行く必要があるんだ?
「あ………ああああああああっ!!!!
""私達のツルハシがひとつも残ってない""わよ!!!!」
「なああっ!!?」
「あ、あいつらに採掘用のツルハシ全部持って行って行かれちゃったのよ!!!!」
「なにいいいいっ!?!?!」
しまった。出遅れてしまった。奴らが何本もツルハシを持って行ったのは妨害行動だったのか。
ツルハシを全て持って行く事によって私達に鉄鉱石を掘らせない作戦か。
「く、クソおおおお!!!!!!な、何か他に掘れる道具は……!!!」
他にも鍛冶屋おじさんが用意してくれた細かい道具は残されていたが大きい道具は土を掘れそうな"大き目のスコップ"だけだった。
「「………」」
とりあえず私達はスコップをかついで他の道具をポケットに詰め込んで馬車から降りた。
「く、くっそ~……!!!と、とりあえずスコップで鉄鉱石が掘れないか試すわよ!!!!」
「さ、さっきも思ってたけどやっぱりアイツら絶対許さんぞ~~~……!」
私達はブーブー奴らへの不満を漏らしながら山の方へ走った。
0
あなたにおすすめの小説
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる