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5話 エルエル、釣り対決をする!
36 エルエル、誘われる!
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「で、お前ら何しに来たんですか」
最低限の服を着ながら外に出て家のすぐ横の聖樹の木陰に入る。家から出れば少しは暑さがましになるかと思ったが全然変わらない。うぅ……外も暑いのか。
「えー♡? この姿見て気付かなーい♡?」
勇者達3人は自分達が"着ている服"を見せつける様にその場で決めポーズして来た。
さっきから気付いていたがこいつら3人共かわいい"水着"を着ていた(ユウギリとか言う奴は水着にマフラーというわけわからんファッションをしているが)。
勇者は童顔で子供体型の癖にセクシーなポーズをしてドヤ顔をしている。色気が無いな。
「そ・し・て♡!! これよこれ!お店で買ったニューモデルなのよ~♡」
勇者エミーが突き出した手に持っている物は削られた竹に綺麗な柄が入っている。そしてその先端に紐がついていて更にその紐の先には返しのついた鉄の針がついている。
そう"釣り竿"だ。
勇者達3人はその綺麗な釣り竿を肩にかついで、片手に大きなバケツを持ち、カバンを背負っている。
「釣りでもするんですか……?」
「そう!! 暑いからこれから海へ遊びに行くってわけなのよ~♡!!!」
「納涼でござる!!」
「海だよーー!!わーーーーい!!!」
「海かぁ……でも遊べる海なんて近くにありましたっけ?」
「確かここから更に北に行けば海があったはずよ。……でも崖があるだけで遊べそうな浜辺なんてあったかしら?」
「崖の影になってて目立ちにくいけどあるでござるよ!!降りれる階段を見つけたでござる!!」
勇者の仲間のユウギリが元気に言う。無表情な奴かと思いきや釣りが楽しみなのか小さい子供みたいにはしゃいでいる。そういえば馬車でお茶入れてやった時も変にニコニコしてたな。まぁ、このアホ勇者の仲間だし似た様な変な奴なんだろう。
「アルルとエルエルも一緒に行こうよーっ!!!」
勇者の仲間ティオは目を輝かせ獣の様な耳と尻尾をピコピコ動かし腕を振り回しながら誘って来る。馴れ馴れしいけどコイツは最初からあんまり敵意みたいなのを感じなかったな。
と、思っているとティオの前にエミーは割って入りニヤニヤしながらこう言った。
「そうねぇ、あんたらも誘ってあげる―――」
この勇者……もといエミー。思ったより素直に誘ってくるんだな。
この間の伝説の剣を折ったり色々あって恨まれてたりするのかと思ったけどそうでもないみたいだ。まぁ晩御飯おごってやったりしたもんな。
「―――と思ったけど無理よねー♡!!! 水着も釣り竿も持ってない田舎者のハゲコンビじゃ海に来ても遊べないもんねー♡ かーっw残念残念♡ きゃーはっはっはっは♡!!!」
「「は………はああああああああああぁあ!!!??!」」
……やっぱりコイツはまだ私達の事をよく思ってない様だ。
「まっ♡ そういう事であんたらは暑い中溶けてるといいわ~♡ じゃあね~♡」
「大物釣るでござる!!」
「えーアルル達来ないの~?」
それだけ言い残し勇者達は北の方へ走って行ってしまった。自慢しに来ただけか。クソ野郎が。
「あ、あんにゃろおおお……!!自慢しに来ただけか~~……!!!」
走って行く勇者の憎たらしい後ろ姿を見送っているとアルルに肩をぽんと叩かれ振り向く。
「エルエル……アンタ、"森で釣りの経験"は?」
真剣な顔をしたアルルに鋭い目線を送られ私はそれにコクリとうなずく。
「当然あります!!……フッ……やりますか……!!」
「ええ!!"森育ち"を舐めた事後悔させてやりましょう!!!!!!!」
「「えいえいおーっ!!!!!!」」
暑くて何も起きなかった私達だが奴らを見返す為ある事を思いつき、行動し始めた。
「で、お前ら何しに来たんですか」
最低限の服を着ながら外に出て家のすぐ横の聖樹の木陰に入る。家から出れば少しは暑さがましになるかと思ったが全然変わらない。うぅ……外も暑いのか。
「えー♡? この姿見て気付かなーい♡?」
勇者達3人は自分達が"着ている服"を見せつける様にその場で決めポーズして来た。
さっきから気付いていたがこいつら3人共かわいい"水着"を着ていた(ユウギリとか言う奴は水着にマフラーというわけわからんファッションをしているが)。
勇者は童顔で子供体型の癖にセクシーなポーズをしてドヤ顔をしている。色気が無いな。
「そ・し・て♡!! これよこれ!お店で買ったニューモデルなのよ~♡」
勇者エミーが突き出した手に持っている物は削られた竹に綺麗な柄が入っている。そしてその先端に紐がついていて更にその紐の先には返しのついた鉄の針がついている。
そう"釣り竿"だ。
勇者達3人はその綺麗な釣り竿を肩にかついで、片手に大きなバケツを持ち、カバンを背負っている。
「釣りでもするんですか……?」
「そう!! 暑いからこれから海へ遊びに行くってわけなのよ~♡!!!」
「納涼でござる!!」
「海だよーー!!わーーーーい!!!」
「海かぁ……でも遊べる海なんて近くにありましたっけ?」
「確かここから更に北に行けば海があったはずよ。……でも崖があるだけで遊べそうな浜辺なんてあったかしら?」
「崖の影になってて目立ちにくいけどあるでござるよ!!降りれる階段を見つけたでござる!!」
勇者の仲間のユウギリが元気に言う。無表情な奴かと思いきや釣りが楽しみなのか小さい子供みたいにはしゃいでいる。そういえば馬車でお茶入れてやった時も変にニコニコしてたな。まぁ、このアホ勇者の仲間だし似た様な変な奴なんだろう。
「アルルとエルエルも一緒に行こうよーっ!!!」
勇者の仲間ティオは目を輝かせ獣の様な耳と尻尾をピコピコ動かし腕を振り回しながら誘って来る。馴れ馴れしいけどコイツは最初からあんまり敵意みたいなのを感じなかったな。
と、思っているとティオの前にエミーは割って入りニヤニヤしながらこう言った。
「そうねぇ、あんたらも誘ってあげる―――」
この勇者……もといエミー。思ったより素直に誘ってくるんだな。
この間の伝説の剣を折ったり色々あって恨まれてたりするのかと思ったけどそうでもないみたいだ。まぁ晩御飯おごってやったりしたもんな。
「―――と思ったけど無理よねー♡!!! 水着も釣り竿も持ってない田舎者のハゲコンビじゃ海に来ても遊べないもんねー♡ かーっw残念残念♡ きゃーはっはっはっは♡!!!」
「「は………はああああああああああぁあ!!!??!」」
……やっぱりコイツはまだ私達の事をよく思ってない様だ。
「まっ♡ そういう事であんたらは暑い中溶けてるといいわ~♡ じゃあね~♡」
「大物釣るでござる!!」
「えーアルル達来ないの~?」
それだけ言い残し勇者達は北の方へ走って行ってしまった。自慢しに来ただけか。クソ野郎が。
「あ、あんにゃろおおお……!!自慢しに来ただけか~~……!!!」
走って行く勇者の憎たらしい後ろ姿を見送っているとアルルに肩をぽんと叩かれ振り向く。
「エルエル……アンタ、"森で釣りの経験"は?」
真剣な顔をしたアルルに鋭い目線を送られ私はそれにコクリとうなずく。
「当然あります!!……フッ……やりますか……!!」
「ええ!!"森育ち"を舐めた事後悔させてやりましょう!!!!!!!」
「「えいえいおーっ!!!!!!」」
暑くて何も起きなかった私達だが奴らを見返す為ある事を思いつき、行動し始めた。
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