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バルバドス王城 1
しおりを挟むシェリートから竜の谷に戻ると、先生達と竜達を囲んでみんなで簡単にパーティーをした。打ち上げともいう。
竜達も、ご機嫌でオクラの肉巻きを食べている。オクラ……竜が食べてもいいのかしら。こっそりとゴールドに聞くと大丈夫だそうだ。
──安心せい。我らが食べられないものは、ほとんどないのだ。それにしても、不思議な植物よ……
ゴールドをはじめ竜たちも、花から数日で実になるオクラが気になっていたのだそうだ。食べられて嬉しいと竜達が言っていると聞いて、私もなんだか嬉しい。
みんなで庭で夕食を食べ、オクラだけでなく売上で買ってきたお肉やお酒で、楽しく竜の谷での最後の夜を過ごした。
こうしてこの三日間で竜達の健康診断も無事に終了していた。ギフトも試せたし、お金も稼ぐことが出来た。
現にマルクさんは、ここでの生活──というか資金難に大変苦労を強いられていたようで、ものすごく感謝された。
そのついでに、まだまだ収獲出来るだろうオクラ畑と、今後取れる林檎の収獲をお願いした。
もちろん、それもここでの生活と研究資金にしてもらえるように話してある。
私も林檎の収獲に来たいが……それまでには一ヶ月程はかかるだろうし、状況が読めないので今後はマルクさんにお願いすることにした。
日々の生育状況を手紙で知らせてくれると約束して、みんなに見送られながら、バルバドス王城に向かって出発した。
竜の全速力でならば、夜の間にはお城に到着するだろうとのことだった。
竜の谷でお弁当を作って持参したので、昼に山の開けた場所で休憩とお昼をとって、時々休憩を挟む以外はずっと飛び続けた。夕飯はさすがに、長めの休憩と共に街に寄った。だが、安全の確保と報告が必要だと強行スケジュールで飛び続けた。
三人にはよくある事の様で平気なんだそうだ。みんなが私の体調を気遣ってくれる。私はただ乗せて貰っているだけなのに、一番疲労していて申し訳ない。
日付が変わり夜が明ける前になって、やっとバルバドス王城が見えて来た。
いかにもといった堅牢な作りの王城に、遠くから見ても圧倒されてしまう。
お城は城全体が篝火と魔法街灯によって、煌々と輝いていた。篝火の光がゆらゆらと揺れ、魔法街灯が明るく強く照らし出すので辺りの暗さと相まって──その姿はまるで、闇夜に浮かぶ城の様だった。
「カッコいい……」
「そう言ってくれてよかった……たぶん先触から時間を計算し、フローラの到着を待っているのだろう。みんな楽しみで、張りきって城中の明かりをつけているんだと思う」
「あはは、嬉しいです」
どんどん城が大きくなって、近づいているとわかる。「わぁー」という歓声が聞こえてきた。こんな時間までこの人達みんな起きて待っていてくれたのだろうか?
そっとアレックス様を振り返ると、苦笑いだ。それが答えだろう。
「たぶん……みんな楽しみにしていたんだ。許してやってほしい」
「いえ、嬉しいんですけど……なんかお待たせして申し訳ないなって」
「大丈夫だ。勝手に待っているのだろうし、半分は夜の警備隊と早朝当番だろう」
大歓声の中、上空で城を旋回してからふんわりと城の前面にある広場に竜達が次々と降り立つ。
一段下にある広場には、大勢の人が見える。そして正面には、王族の皆様が迎えに来てくれた様だった。
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