Lv1の最強勇者

レル

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第四章

【第69話】名無しのダンジョン

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次の日、案の定2つの街は大騒ぎ
一晩のうちに街が移動したのだから当たり前だよな
まぁ、想定内なんだけど

「どうすんのさ、僕は納得してるけど
このままだと国民全員が暴動を起こすよ!」

ゲノムは窓の外を見て慌てふためいている

「少し落ち着けよ。ほら、この紅茶美味しいよ」

「知ってるよ!僕のお気に入りだからね!
それよりも、この状況をどうにかしてくれよ!」

「んー、じゃあたまには魔法らしい魔法でも使ってみるかな」

俺は窓から外に出るとゲノム王城の屋根の上に上がると【拡声】を使い、2つの街の隅々まで響く声で叫んだ

「あー、聞こえるー?
シュウヤさんですよー
みんな街が移動して動揺してるようだけど、これはみんなを守るためなんだ
隠しててもいつかバレると思うから言うけど、
昨日、魔王が生まれた
そいつはいつ攻めてくるか分からない
ゲノム以外の国の国王は全て魔王に殺されたから、もしかしたらここにいる人しか、この世界には残っていないかもしれない
だからこそ、今こそみんなで手を取り合って生き抜かなきゃいけない
世界が平和になるその日まで、俺はみんなと一緒に戦うことを約束する
だからみんなも、力を貸してくれ!」

俺の演説が終わると冒険者は歓声をあげ、
市民は不安ながらも一応暴動は収まった

すまんなみんな、俺1回その魔王に負けてるんだわ(笑)

「ほら、何とかしたぞ
後は国王のお前の仕事だ
大丈夫、いつも通りで問題ない」

「…全く、あなたは信頼だけは厚いんだから
もうちょっと大人になってくれればいい人なのに…」

「まぁ、いい人じゃないのは間違いないな
ふたつの街を囲う城壁を作ったら俺は少しこの街を離れるからな」

「とんだペテン師だよ、国民を煽っておいて自分は単独行動かい?」

「失礼な!アル居るし、俺の側近も置いていくから安全は保証するよ
それに、昨日偶然見つけたんだけど
ふたつの街の間にダンジョンが埋まってるっぽいんだよね」

ダンジョンが深ければレベル上げが捗るし
冒険者が街を離れないからすぐに対応出来る
なんて理想的な立地なんでしょう!

思い立ったが吉日
風魔法で旋風を起こし水魔法を足して作った簡易ドリルを使いダンジョンの祠を掘り起こす
2時間ほど掘り進めやっと祠を目視することが出来た
祠と言うか祭壇に近いそれは長い間放置されていた事を感じさせないほど白く輝いている

「ダンジョンだけあって、魔物の魔力が溢れてるねぇ
それにこれ、下に潜って行くんじゃなくて別の場所に転移する扉だけなのな
移動が楽で助かるわ」
 
引き上げる前に、1人で潜って安全を確かめてみることにした
結果として
階層=魔物のLv
という何とも親切な設計に加え、俺が潜った所より更に下に続いていた

ダンジョンには至る所に力尽きた人の亡骸が散らばっていたが、ある部屋だけは違った
その部屋は500層辺りにあり、偶然ショートカットに使った落とし穴の途中に開いた小さな小部屋を見つけた
その部屋に入ると白骨化した死体が2つ寄り添う様に壁にもたれかかっていた
1つはボロボロながら豪華なドレスを着て
もう片方は見た事ない紋章の入った鎧を付けている
鎧をつけた人のそばには1つの紙が落ちていた
そこには

「仕えた主を捨て、国を捨て
虐げられた姫を救い出しここまで逃げ延びたが
姫は私の行いをどう思っていただろうか
喜んでくれただろうか
それとも恨んでいただろうか
その答えも、私の失態で聞くことも出来なくなってしまった
私は、私の愛した人と私の運命が始まったこの場所で朽ちる
いつかこれを読んでいる人がいたなら、どうか哀れみを向けないでほしい
私は生涯幸せだったのだから」

と書かれていた

「ふむ、こっちにも駆け落ち的な事があったんだな」

俺は合掌をした後、ダンジョンを抜け、名前のなかったダンジョンは
「序章と終焉の祠」
と命名した

その頃、地上にある自宅は修羅場になっていた
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