私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした

日下奈緒

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船上の誓い

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「えっ?」

私、間違えた?話、間違えた?

「……じゃあ何?同期に、戻りたいの?」

すると柊真は、吹きながら笑った。

「俺。別れる気も、ただの同期に戻る気もないよ。」

「だって、改めて話があるって。」

すると柊真は立ち上がって、私の前で片膝を着いた。

「えっ?」

ポケットから出した箱からは、ダイヤのリングが光っていた。

「柊真、これ……」

「浅見恭香さん、どうか僕と結婚してください。」

近くの席から、口笛が鳴った。

「あの、柊真……」

恥ずかしくて私は、立ち上がる事ができなかった。

「こんなところで……」

「ダメか?俺とじゃ、結婚は考えられないか?」

体がドキンドキン鳴っている。

何も言葉が出て来なくて、頭をううんと振った。

「恭香。俺……おまえと幸せになりたい。」

私も!私もって、何で言えないの!

「社長になれば、苦労もかけると思う。でも、恭香となら乗り越えられそうな気がするんだ。」

感動して、言葉が出て来ないのよ。柊真。

「……好きなんだ。他の女と結婚なんて、もう考えられない。」

私の目から、涙が出てきた。

「俺、恭香と結婚できなら、一生独身でいるよ。だから、だから……俺と結婚してください。」

私はようやく、立ち上がる事ができた。

ここまで言ってくれた柊真に、応える事ができないのなら、彼を愛する資格なんてない。

「……もう、立ち上がって。」

「恭香……」

私は立ち上がった柊真は、指輪の箱をテーブルに置いてしまった。

すかさず私は、柊真の両手を握りしめた。

「結城柊真さん。」

「はい。」

「こんな私でよければ、お願いします。」

「恭香っ!」

柊真は両腕でぎゅっと、私を抱きしめてくれた。

「本当に私でいいの?」

「馬鹿だな。おまえ以外考えられないって、言っただろ。」

耳元で聞こえるいつもの柊真の低音ボイス。

「じらしやがって。今夜は寝かせないからな。」

「えっ……」

そして柊真は、指輪の箱を開けると、中に入っている指輪を私の左手の薬指に着けてくれた。

「綺麗……」

「おまえ程じゃないよ。」

柊真の胸の中で、彼の視線に包まれた私は、これが幸せだと言う事を見にしみてわかっていた。

「幸せになろうね。」

「ああ。おまえとなら、絶対幸せになる自信がある。」

抱きしめ合った私達は、周りの拍手に包まれながら、キスを交わした。


― END -
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