「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています 【完結】

日下奈緒

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第四章 揺れる心と溺愛の兆し ②

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やがて、大きな樹の下にたどり着く。

ふたりだけの世界。風が、そっと葉を揺らしていた。

「セレナ……」

カイル殿下が私を抱きしめた。

彼の腕の中は広く、ぬくもりに満ちていた。

その胸に顔を預けると、どくどくと早まる鼓動が耳に届く。

「今日は、特別な日にしたい。」

その声は、低く甘く、心をとろけさせる。

「はい……」と小さく答えた私に、彼は唇を重ねた。

柔らかくて、けれど熱を秘めたキス。

何度も重なって、息がかすれていく。

そして……彼は、私の耳元で囁いた。

「君に触れたい。」

その一言に、胸が跳ねる。

呼吸が浅くなるのを、自分でも止められない。

「……カイル殿下……」

彼の手が、私の背をなぞる。ドレス越しの指先が、やさしくて切ない。

「怖がらせたかな。」

唇を離し、彼が微笑む。

「でも……君が嫌じゃないなら、この想いを君に伝えたい。」

私は、そっと首を横に振る。

「嫌では……ありません。私も……殿下に、触れてほしい。」

それは、震えるほどに小さな声だった。

でも、殿下の瞳が柔らかく細められた瞬間、私たちはもう、引き返せないところまで来ていた。

ランプの光の下、唇が再び重なる。

指先が、髪を、頬を、肩をなぞり、私という存在を確かめてくれる。

それは、初めての夜のはじまりだった──

私達は、そうして私の部屋の寝室に入った。

「シンプルで、セレナに合う部屋だね。」

そう言ってカイル殿下は、私の手を引いてベッドへと誘った。

深く吸い込んだ息の中に、微かに緊張が混じる。けれど──

「無理しないから。」

そう言って彼は、そっと唇を重ねてきた。

あたたかくて、優しくて……でも次第に熱を帯びてゆくキス。

「んん……」

身体の奥が震える。カイル殿下の手が、私の背を抱いていた。

やがて、ドレスのリボンが解かれ、肩から静かに滑り落ちる。

しゅる、と生地が音を立てて床に落ちた。

私の肌が夜の空気にさらされると、少しだけ身体が強張った。

「綺麗だよ……」

殿下がぽつりと呟く。

彼の視線が、私の隅々を慈しむように見つめているのが分かる。

次の瞬間、彼も静かに服を脱ぎ捨てた。

その下から現れたのは、剣術で鍛えられた引き締まった身体だった。

無駄のない筋肉、広い肩、そして何より……私だけを見つめる眼差し。

私はごくりと息をのんだ。

「触れてもいい?」

その問いかけに、私はこくんと小さく頷いた。

次の瞬間、彼の腕が私をそっと抱き寄せる。

胸と胸が触れ合う。

その温もりに包まれた瞬間、私はもう全てを預けていた。

「セレナ……君を大切にする。君が怖がらないように、ゆっくりと。」

言葉通り、彼の指は優しく私の髪を梳き、頬をなぞる。

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