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③
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結ばれる瞬間――
そこにあるのは、激情よりも、静かなやさしさだった。
丁寧に、深く、互いを確かめるように。
片桐さんの熱が、私の奥に、ゆっくりと沈んでいく。
「……んっ……」
わずかに眉を寄せて、唇を噛んだ。
身体がひらかれていく感覚に、ぞくりと背筋が震える。
彼の手が腰を支え、目を逸らさずに、私のすべてを受け止めようとする。
その視線が、なによりも安心をくれた。
「……痛くない?」
「ううん……来て……もっと……」
促すように脚を絡めると、彼は喉を鳴らし、奥までゆっくりと沈み込んだ。
深く触れられるたび、芯が溶けていくように感じる。
柔らかく、押し返すように蠢く肉の奥が、彼を受け入れて、締めつけていく。
「……すごい、濡れてる」
片桐さんが低く呟くと、私の頬が熱を持った。
彼はただ乱暴に貪ることはしなかった。
一度引き抜き、またゆっくりと挿し込む――そのたびに、繊細な部分をすくいあげるように揺らされる。
「っ……あっ……そこ……っ」
彼の動きが、深いところを確実に捉えるたび、私の声が上ずる。
手は彼の背に爪を立て、足先まで震えるほどの快感に身を委ねていく。
肌がこすれ合う音と、呼吸が重なる。
やがて片桐さんが速度をあげていくと、意識は白く染まり、視界が霞む。
言葉にならない声が、喉の奥から零れ続けた。
「……イきそう?」
「……うん……もう、だめ……っ」
彼に抱きしめられたまま、全身が痙攣するように波打つ。
心と身体が、同時にほどけていく瞬間だった。
「……おはようございます」
翌朝。照れたように彼が出したのは、いつものグァテマラだった。
湯気の向こうで、私は微笑んだ。
「今日のは……ちょっと、甘いですね」
彼もまた、静かに笑った。
「……あなたを想いながら淹れましたから。」
コーヒーの香りが溶ける朝。
そこに、ふたりだけの新しい一日が始まっていた。
ー End -
そこにあるのは、激情よりも、静かなやさしさだった。
丁寧に、深く、互いを確かめるように。
片桐さんの熱が、私の奥に、ゆっくりと沈んでいく。
「……んっ……」
わずかに眉を寄せて、唇を噛んだ。
身体がひらかれていく感覚に、ぞくりと背筋が震える。
彼の手が腰を支え、目を逸らさずに、私のすべてを受け止めようとする。
その視線が、なによりも安心をくれた。
「……痛くない?」
「ううん……来て……もっと……」
促すように脚を絡めると、彼は喉を鳴らし、奥までゆっくりと沈み込んだ。
深く触れられるたび、芯が溶けていくように感じる。
柔らかく、押し返すように蠢く肉の奥が、彼を受け入れて、締めつけていく。
「……すごい、濡れてる」
片桐さんが低く呟くと、私の頬が熱を持った。
彼はただ乱暴に貪ることはしなかった。
一度引き抜き、またゆっくりと挿し込む――そのたびに、繊細な部分をすくいあげるように揺らされる。
「っ……あっ……そこ……っ」
彼の動きが、深いところを確実に捉えるたび、私の声が上ずる。
手は彼の背に爪を立て、足先まで震えるほどの快感に身を委ねていく。
肌がこすれ合う音と、呼吸が重なる。
やがて片桐さんが速度をあげていくと、意識は白く染まり、視界が霞む。
言葉にならない声が、喉の奥から零れ続けた。
「……イきそう?」
「……うん……もう、だめ……っ」
彼に抱きしめられたまま、全身が痙攣するように波打つ。
心と身体が、同時にほどけていく瞬間だった。
「……おはようございます」
翌朝。照れたように彼が出したのは、いつものグァテマラだった。
湯気の向こうで、私は微笑んだ。
「今日のは……ちょっと、甘いですね」
彼もまた、静かに笑った。
「……あなたを想いながら淹れましたから。」
コーヒーの香りが溶ける朝。
そこに、ふたりだけの新しい一日が始まっていた。
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