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第5章 君しかいない
⑥
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「そうだ。お母様にこの事を報告しよう。」
「えっと……いつ?」
「今直ぐにだよ。アンヌ、付いておいで。」
ヴィックは、私の腕を掴むと、部屋の外に走り出した。
「お母様は、庭のバラ園から、戻って来る途中だと思うんだ。」
「う、うん。」
私が付いて行ける速さで、ヴィックは宮殿を駆けていく。
ちょうど、2階に昇って来る、ヴィックのお母さんと遭遇した。
「お母様。」
「あら、ヴィック。どうかしたの?」
ヴィックは、私の両肩を掴み、お母さんの前に私を立たせた。
「アンヌが、僕のプロポーズを受けてくれたんだ。」
「まあ。」
ヴィックのお母さんも、喜んでいる。
「じゃあ、アンヌが私の娘になるのね。」
「そうだよ、お母様。」
まるで普通の親子のように、ニコニコしている。
私の目の前にいるのは、皇帝閣下とそのお母上だと言うのに。
「あの……本当に私でいいんですか?」
「あら、どうして?」
「その私は庶民です。皇帝閣下の相手には、見劣りすると思うんです。」
「そんな事?」
自信のない私を、ヴィックのお母さんは、励ましてくれた。
「アンヌ。私はね、隣国の没落した貴族の出身なの。」
「お母様が?」
「えっと……いつ?」
「今直ぐにだよ。アンヌ、付いておいで。」
ヴィックは、私の腕を掴むと、部屋の外に走り出した。
「お母様は、庭のバラ園から、戻って来る途中だと思うんだ。」
「う、うん。」
私が付いて行ける速さで、ヴィックは宮殿を駆けていく。
ちょうど、2階に昇って来る、ヴィックのお母さんと遭遇した。
「お母様。」
「あら、ヴィック。どうかしたの?」
ヴィックは、私の両肩を掴み、お母さんの前に私を立たせた。
「アンヌが、僕のプロポーズを受けてくれたんだ。」
「まあ。」
ヴィックのお母さんも、喜んでいる。
「じゃあ、アンヌが私の娘になるのね。」
「そうだよ、お母様。」
まるで普通の親子のように、ニコニコしている。
私の目の前にいるのは、皇帝閣下とそのお母上だと言うのに。
「あの……本当に私でいいんですか?」
「あら、どうして?」
「その私は庶民です。皇帝閣下の相手には、見劣りすると思うんです。」
「そんな事?」
自信のない私を、ヴィックのお母さんは、励ましてくれた。
「アンヌ。私はね、隣国の没落した貴族の出身なの。」
「お母様が?」
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