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【1】午前0時の社長室
②
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意外だった。
あれほど強引に抱いてきたくせに、待っていたのは彼の方だったのかと。
私は黙って、最後の資料を棚に収めた。
静かに振り返り、目を逸らさずに告げる。
「でも──セックスだったんですよね。」
言葉に感情は込めなかった。
事実を並べるように、淡々と。
「抱いたとか、愛し合ったとか……そういうんじゃない。ただの身体」
社長の眉が、わずかに歪んだ。
その瞬間、彼は私の唇に触れてきた。
熱い、痛いほどのキスだった。
「君は、俺が抱いたあと──背中を向けた。」
唇が離れた瞬間、彼の声が低く落ちた。
「まるで……もう二度と俺に心を許さないって言ってるようだった」
彼の表情には、悔しさがにじんでいた。
男としての自尊心か、欲望か、それとも──それ以外の、もっと深い何かか。
私は答えられなかった。
言葉を探す間もなく、彼の腕がもう一度、私の腰を強く引き寄せた。
そして、社長は静かに社長室のドアへ向かい──カチリと鍵をかけた。
「……えっ」
扉越しに、外の世界との繋がりが断たれた音がした。
「もう一度、君を抱く」
その一言に、胸がきゅうっと締め付けられる。
「社長、落ち着いてください……っ」
そう言う声すら、震えていた。
「落ち着けない。君が、こんな近くにいるのに……」
次の瞬間、ガバッと腕を引かれ、ソファへと押し倒された。
「この身体……俺は全部、知っているんだろう?」
息が止まるような熱が肌に迫る。
抗えない。
彼の手が、シャツのボタンを容赦なく剥がしていく。
布地が弾ける音が、生々しく響いた。
「……俺の体も、君が知ってる」
囁かれた声に、喉の奥が詰まる。
触れられるたび、忘れていた感覚が呼び戻されていく。
あの夜、狂おしいほどに貪られた快感。
肌が、覚えている。
社長の手が、唇が、どこに触れれば自分が壊れるのかを──
「いや……っ、社長……」
抵抗の言葉は弱く、声にならない。
もう、すべてが始まってしまっていた。
最後の一枚──スカートが剥がされ、私は社長と一緒に、裸になっていた。
熱を帯びた視線が、私の体を舐めるように這う。
「ああ……ここから蜜がとろけている」
彼の声が低く濡れて、息がかかるだけで痺れた。
舌が、私の入り口に触れた瞬間──
「はあん……っ」
思わず、社長の頭を掴んでいた。
やめてほしいのに、もっと欲しい。
矛盾した感情が波のように押し寄せてくる。
「ダメぇ……そんな、そこ……」
「悦んでるだろ。……君の腰、自分で動かしてる」
そう、私の体はもう彼を拒めない。
理性より、快楽が優ってしまっていた。
「ああ……そこ……もう……っ」
甘く舌でなぞられるたびに、奥がうずく。
社長の唇が、舌が、私の秘部に夢中になっている。
「甘い。君の蜜は……甘くて、もっと欲しくなる。」
掻き乱すような愛撫と、低く囁く声が、心の奥にまで届いて──
私は、完全に彼のものになっていくのを感じていた。
体が、ピクッと跳ねた。
奥まで貫かれた熱に、理性が一瞬で溶けていく。
この身体はもう──完全に、社長に支配されていた。
「はぁ……はぁっ……」
浅くなる呼吸の中、耳元で囁くように言われた。
「今度は……俺を、悦ばせてくれ」
低く、抑えた声。けれどその奥には、どうしようもない欲望が渦巻いていた。
入り口に押し当てられた熱が、ゆっくりと、ぐっと奥まで差し込まれる。
「ああ……咲……」
呼び捨てで名前を呼ばれた瞬間、胸の奥が震えた。
社長の腰が必死に動き、私の中を擦るたびに──
それはただの快楽じゃなかった。
私を、心ごと抱こうとしてくれているのが、わかった。
「……気持ち、いい……」
漏れた言葉は、無意識だった。
快楽に、心を寄せていた。
「俺も……気持ちいいよ……君の体、素晴らしい……」
息を乱しながらも、社長は私の奥を何度も確かめるように突き上げる。
ただ抱くだけじゃない。
何度も、私の名前を呼びながら──悦ばせようとしてくれる、その想いに、胸がいっぱいになる。
私はもう、この人のすべてを、受け入れていた。
「……はあ、咲。お願いだ」
熱に震えながら、社長は私の名を呼んだ。
「はい……」
気づけば、私も声を震わせていた。
「俺の情熱を、受け取ってほしい」
必死な眼差し。
いつもの冷静さは、どこにもなかった。
──どうして?
私はただの社員なのに。
特別じゃない。
仕事ができるわけでも、目立つ存在でもない。
「でも……」
言葉が途切れる。
心が、揺れている。
そんな私の耳元で、彼は続けた。
「君しかいない。……俺を受け入れてくれ。」
その一言に、心が大きく揺さぶられた。
──本当は、私の方こそ。
ずっと、社長が欲しかった。
あの夜以来、何度も社長室の前を通ってしまった。
もう一度だけ、名前を呼ばれたかった。
もう一度だけ、抱かれたかった。
だけど、言えなかった。
欲しいなんて、思ってはいけないと思っていたから。
……でも今、彼の口から“君しかいない”と言われた瞬間、すべてが溶けていった。
「……社長の、愛が欲しい」
囁いた瞬間、彼の瞳に火が灯る。
「ああ……咲……」
次の瞬間、社長は激しく腰を打ちつけてきた。
彼のすべてが、私の奥へと深く深く入り込んでくる。
あれほど強引に抱いてきたくせに、待っていたのは彼の方だったのかと。
私は黙って、最後の資料を棚に収めた。
静かに振り返り、目を逸らさずに告げる。
「でも──セックスだったんですよね。」
言葉に感情は込めなかった。
事実を並べるように、淡々と。
「抱いたとか、愛し合ったとか……そういうんじゃない。ただの身体」
社長の眉が、わずかに歪んだ。
その瞬間、彼は私の唇に触れてきた。
熱い、痛いほどのキスだった。
「君は、俺が抱いたあと──背中を向けた。」
唇が離れた瞬間、彼の声が低く落ちた。
「まるで……もう二度と俺に心を許さないって言ってるようだった」
彼の表情には、悔しさがにじんでいた。
男としての自尊心か、欲望か、それとも──それ以外の、もっと深い何かか。
私は答えられなかった。
言葉を探す間もなく、彼の腕がもう一度、私の腰を強く引き寄せた。
そして、社長は静かに社長室のドアへ向かい──カチリと鍵をかけた。
「……えっ」
扉越しに、外の世界との繋がりが断たれた音がした。
「もう一度、君を抱く」
その一言に、胸がきゅうっと締め付けられる。
「社長、落ち着いてください……っ」
そう言う声すら、震えていた。
「落ち着けない。君が、こんな近くにいるのに……」
次の瞬間、ガバッと腕を引かれ、ソファへと押し倒された。
「この身体……俺は全部、知っているんだろう?」
息が止まるような熱が肌に迫る。
抗えない。
彼の手が、シャツのボタンを容赦なく剥がしていく。
布地が弾ける音が、生々しく響いた。
「……俺の体も、君が知ってる」
囁かれた声に、喉の奥が詰まる。
触れられるたび、忘れていた感覚が呼び戻されていく。
あの夜、狂おしいほどに貪られた快感。
肌が、覚えている。
社長の手が、唇が、どこに触れれば自分が壊れるのかを──
「いや……っ、社長……」
抵抗の言葉は弱く、声にならない。
もう、すべてが始まってしまっていた。
最後の一枚──スカートが剥がされ、私は社長と一緒に、裸になっていた。
熱を帯びた視線が、私の体を舐めるように這う。
「ああ……ここから蜜がとろけている」
彼の声が低く濡れて、息がかかるだけで痺れた。
舌が、私の入り口に触れた瞬間──
「はあん……っ」
思わず、社長の頭を掴んでいた。
やめてほしいのに、もっと欲しい。
矛盾した感情が波のように押し寄せてくる。
「ダメぇ……そんな、そこ……」
「悦んでるだろ。……君の腰、自分で動かしてる」
そう、私の体はもう彼を拒めない。
理性より、快楽が優ってしまっていた。
「ああ……そこ……もう……っ」
甘く舌でなぞられるたびに、奥がうずく。
社長の唇が、舌が、私の秘部に夢中になっている。
「甘い。君の蜜は……甘くて、もっと欲しくなる。」
掻き乱すような愛撫と、低く囁く声が、心の奥にまで届いて──
私は、完全に彼のものになっていくのを感じていた。
体が、ピクッと跳ねた。
奥まで貫かれた熱に、理性が一瞬で溶けていく。
この身体はもう──完全に、社長に支配されていた。
「はぁ……はぁっ……」
浅くなる呼吸の中、耳元で囁くように言われた。
「今度は……俺を、悦ばせてくれ」
低く、抑えた声。けれどその奥には、どうしようもない欲望が渦巻いていた。
入り口に押し当てられた熱が、ゆっくりと、ぐっと奥まで差し込まれる。
「ああ……咲……」
呼び捨てで名前を呼ばれた瞬間、胸の奥が震えた。
社長の腰が必死に動き、私の中を擦るたびに──
それはただの快楽じゃなかった。
私を、心ごと抱こうとしてくれているのが、わかった。
「……気持ち、いい……」
漏れた言葉は、無意識だった。
快楽に、心を寄せていた。
「俺も……気持ちいいよ……君の体、素晴らしい……」
息を乱しながらも、社長は私の奥を何度も確かめるように突き上げる。
ただ抱くだけじゃない。
何度も、私の名前を呼びながら──悦ばせようとしてくれる、その想いに、胸がいっぱいになる。
私はもう、この人のすべてを、受け入れていた。
「……はあ、咲。お願いだ」
熱に震えながら、社長は私の名を呼んだ。
「はい……」
気づけば、私も声を震わせていた。
「俺の情熱を、受け取ってほしい」
必死な眼差し。
いつもの冷静さは、どこにもなかった。
──どうして?
私はただの社員なのに。
特別じゃない。
仕事ができるわけでも、目立つ存在でもない。
「でも……」
言葉が途切れる。
心が、揺れている。
そんな私の耳元で、彼は続けた。
「君しかいない。……俺を受け入れてくれ。」
その一言に、心が大きく揺さぶられた。
──本当は、私の方こそ。
ずっと、社長が欲しかった。
あの夜以来、何度も社長室の前を通ってしまった。
もう一度だけ、名前を呼ばれたかった。
もう一度だけ、抱かれたかった。
だけど、言えなかった。
欲しいなんて、思ってはいけないと思っていたから。
……でも今、彼の口から“君しかいない”と言われた瞬間、すべてが溶けていった。
「……社長の、愛が欲しい」
囁いた瞬間、彼の瞳に火が灯る。
「ああ……咲……」
次の瞬間、社長は激しく腰を打ちつけてきた。
彼のすべてが、私の奥へと深く深く入り込んでくる。
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