エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒

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波乱の幕開け

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何とか倒れた圭也さんを皆でお越し、二次会までさせ、二人の新居に帰って来た。

「疲れたね。」

私は同僚に、死ぬほどウーロン茶を飲まされた圭也さんを、ソファーに座らせた。

「でも、楽しかった。」

お酒も飲んでいないのに、ニコニコしている圭也さん。

いつもこうやって、飲んでいる雰囲気を味わっているらしい。

どうして飲んでいないのに、雰囲気を味わえるのか、私には不明だ。


「そうだ。新婚旅行の事だけど。」

「新婚旅行!」

私は圭也さんの隣に座った。

やっぱり結婚したら、まずは旅行だよね。

「結婚してから、ゆっくり決めたいって言ってたけれど、どこに行く?」

私は、ワクワクしながら、圭也さんの肩に寄り掛かった。

「その事なんだけど、しばらく仕事が忙しくて、行けないんだ。」

「えっ⁉」

新婚旅行に、行けない⁉

「公務員だもの、新婚旅行に行く休暇は取れずはずでしょ。」

「普通の公務員ならね。僕は、犯人を捜さなきゃいけないから。」

「新婚旅行の時くらい、誰か代わってくれるでしょ。」

「代わりの奴なんて、いないんだよ。」

私の中で、楽しい新婚旅行が、音を立てて崩れ落ちた。

「嘘よ。」

「こういう事で、嘘を言ってどうするの。」

大きな欠伸をした圭也さんは、ふいに立ち上がった。

「どうしたの?」

「疲れた、寝る。」


おっと、急にやってきた。

「あっ、じゃあ……お風呂入ってこないと。」

「先に入っていいよ。」

「うん。」

私はちょっと恥ずかしそうに立ち上がると、階段をスタタと駆け上がり、クローゼットから新しい下着と、パジャマを取り出した。


何て言ったって、今日は結婚して、初めての夜。

出会ってから、1か月。

圭也さんとは、そういう事をしていないから、本当に初めてのH。

私はヴァージンじゃないけれど、凄くドキドキする。


「早くしないと、圭也さんをお待たせしちゃう。」

寝室を出ると、階段を駆け下り、そのまま浴室に入った。

急いで服を脱ぎ、真新しい浴室に駆け込む。

シャワーの栓を捻り、お湯を浴びる。

「ええっと、ボディーソープは……」

これも新しい物だ。

しかも、泡もこもこの物。

丁寧に身体を洗い、またシャワーを浴びる。

「待っててね、圭也さん。」

バタンと浴室のドアを開き、バスタオルで体を拭いて、パジャマを着た。


「圭也さん……」

ソファーを見ると、圭也さんはいない。

もう寝室に行ったのかな。

階段を登り、寝室のドアをソーっと開く。

そこには、ベッドで大の字になって寝ている圭也さんがいた。


「はぁー。」

なんだ。今日は初夜だと思ったのに。

私は布団をそっと捲ると、その中に入った。


まっ。これからずっと一緒にいるのだからね。

一緒に寝るのは、今日が最後じゃないし。

いつでも、チャンスはあるよ。

そう自分に言い聞かせて、目を瞑った。

意外に疲れていた自分。

ものの数秒で、私は夢の世界へ落ちて行った。


眠って、何時間しただろうか。

急に、圭也さんが私に抱き着いてきた。

時間をちらっと見ると、朝の4時。

まだまだ眠い。

そして、もぞもぞと私の胸を触ってくる圭也さん。

このまま襲われたら、私は今日一日中、寝不足になるだろう。

そう思ったら、圭也さんの手を振り解いていた。

でも、直ぐに圭也さんの手は、私の胸に戻って来る。


ここは放っておこう。

そのまま眠ろうとしたら、圭也さんが私のパジャマを捲り上げた。

「まだ眠いから。」

自分でも冷たい一言だったと思う。

でも、眠いものは眠い~~。


「今日は、仕事休みだろう。」

「そういう圭也さんだって、休みじゃん。」

「俺は今、紗良を抱きたい。」

いつもはカッコよく聞こえる言葉が、今はウザい。

「朝、起きてからすればいいでしょ。」

「待てない。俺は今、立ち上がっているんだ!」

「はあ?」

振り返って、圭也さんの下半身を見ると、ギンギンに大きくなっている。

「待って。落ち着いて。」

「男には、落ち着いてられない時があるんだ。」

そして体をひっくり返され、私は裸に。

「眠ってていいよ。」

その瞬間、目が冴えた。

人生で一度きりの初夜の時に、眠れるか!


そして始まるめくるめく快感の渦。

結局、終わったのは朝方だった。


「眠い。」

「いいよ、好きなだけ寝て。」

肌と肌を合わせ、直ぐ近くに圭也さんがいる。

これからどのくらい、圭也さんと抱き合うんだろう。


そして、目に入ったのは、圭也さんの引き締まった胸!お腹!腰!

いつも鍛えているからなのか、プロスポーツ選手並みに、均整が取れている。

それに比べて、私の身体は最近、丸くなった。

どう見ても、圭也さんに見せられない。


「どうした?」

「いや、その……自分の身体が恥ずかしくなって。」

「ぷっ。」

何、その笑い方。さては見てたな。私の身体!

「少し丸みを帯びてた方が、抱き心地がいいよ。」

「そうなの?」

目を瞑りながらニコッと笑った圭也さん。

何度、この笑顔を見れるんだろうと、ちょっと幸せを感じてしまった。
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