世話焼き結衣のドタバタMMO日記

毎日のお味噌汁

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6.戦々恐々南門!

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「ついたぞ!南門!」

「ついたねー。2人はここで狩りしたことある?」

「ない!北に行って、死にまくっていた。でも[弱者]っていうスキルを手に入れたぞ」

「えっ?なにそれ」

「これだぞ!」
ステータス画面を見せてもらい[弱者]をダブルタップする。

[弱者]
致死ダメージを受けても1回だけ、HP1で踏み止まれる
取得条件:30分以内に3回死亡する

「おうふ。これはひどい。スキル取れたから結果オーライとはいえなんであきらめなかったの?北もフィールドに到着するまで徒歩で15分だから…北に着いてから1秒以内に死んでいる計算になるよ?これ。」

「よくて前向き…悪いと単細胞…」

「ちょっ!」

「あーソロルは?ここ来たことある?」

「ある…」

「モンスターどうやって倒した?」

「ん…みてて?」

「わかった」
ソロルはどうやら2m先のトッポを倒すつもりのようだ。

「[隠密]」
そう唱えると、ソロルはトッポに向かって歩いて行った。そしてインベントリから出したフラスコをトッポの上でひっくり返した。

キュイーと泣きながらトッポがポリゴンになる。

「「え?(ふぁ!?)」」

「なんだ!なんだ!今の!」

「瞬殺とか嘘でしょ?…ん~?プルメリアちゃんちょっと目が悪くなったのかな?」
プルメリアは目を擦る。ひたすら擦る。それでもソロルがトッポを謎の液体をぶっかけることで倒している事実は変わらない。

「なにしているんだ?」
恐れ知らずのリオンが尋ねる。

「酸…かけてる」

「酸!スライムか!?」

「ん。」

「…」
プルメリアは呆然としてしている。何も言えない。

ソロルは止まらない。今度は樽に石をいくつかとスライムの核20個を入れ、片っ端からスライムを鷲掴んで樽に入れる。酸はどうした。何故ダメージを受けていないのか。いや、タコのぬめり取りじゃないんだからなど考える余裕はプルメリアにはない。

「こうして密閉して転がす…ソロル10秒クッキング…これで強酸フラスコ20個分…ムフ-」
ソロルはえっへんと胸を張る

「スライムを酸にする…周りに撒く…スライムを酸にする。これで南門エンドレス周回…グッジョブ!荒稼ぎ、ホクホク。」

バッタン

「おい!プルメリア大丈夫か!?」







「はっ!いっけない。プルメリアちょっと寝ぼけてたみたい」

「やっぱ夜更かしはよくないね!」

モンスターの居ない周辺

ドロップアイテムでパンパンのインベントリ


「あーうん。やっぱ私、寝ぼけてないよね。あの…ソロルさんやい?」

「この通り…強酸で倒してもドロップアイテム、溶けない…さすゲー…さすファン…だいじょうぶっ!」

「いや、まずツッコミたいとこはそこじゃないから!」

「?」

「なんだろう?みたいな顔しないでよ!ほら、リオンからも一言言ってやって」

………

「いない!リオンはどこ!?」

「リオン…ならそこ…。」

「ハハハハハ!楽しいぞ!サクサクだ。北で死にまくってたのが嘘みたいだ!今なら負ける気がしない!貴様ら剣の錆にしてくれる!」
ブンッブンッ

………

「はぁ。もう勘弁して」
プルメリアは思わず頭を抱えたのだった。

「あーとりあえず門の中で合流まで何してたか聞いていい?」

「ん。」
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