眠れずの騎士団長と夢結びのセイレーン

散りぬるを

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永遠に幸せな夢を

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 挙式のあと、初夜を迎えるオフィーリアは薄衣の下の肌を撫で、滑らかさを確かめた。

(荒れているところは、ないわね。よし)

 ベッドの上で待つべきか、椅子に座って待つべきか色々と悩んで部屋を歩き回る。悩んだ末にベッドに座り、緊張した面持ちでハイウェルを待っていると、寝室の扉が開いた。
 
「すまない、待たせた」
「い、いえ……」

 オフィーリアは右肩にまとめた髪を撫でつけ、気持ちを落ち着かせようとした。

「髪を下ろしている君を見ると新鮮な気持ちになるな。これからは、私だけが見れるのだと思うと嬉しくなる」
「そういうものでしょうか」
「ああ」

 オフィーリアの隣に座ったハイウェルは、オフィーリアの髪をひとすくいしてキスを落とした。

「こういうことには慣れたと思っていたが、そうでもなかったか」

 固まる妻を見て、低く笑う。

「それとも、この先のことを考えて緊張しているのか?」

 耳朶に甘く囁かれ、オフィーリアはあまりの恥ずかしさにまつ毛を震わせた。
 熱くなる頬をそっと包まれて、しっとりと含むような口づけを贈られる。

「大丈夫だ。なにも考えなくていい。私に身を任せて、私を感じてくれたらそれでいい」
「はい」

 オフィーリアは小さく返事をして、ハイウェルの首に腕を絡め、顔を寄せた。
 触れ合うだけのキスが深くなり、口をそっと開けて唇を吸い返す。ぬるり、と忍び込んできた舌先に自分の舌を擦りつけ、淫らな熱が全身に行き渡るまで濃厚な口づけを続けた。

 ハイウェルの大きな手がオフィーリアの背中を支え、身体を緩やかに押し倒す。
 ハイウェルに閉じ込められたオフィーリアは、彼の手によって薄衣や下着が奪われていくのを黙って見ることしかできなかった。

 裸のオフィーリアをハイウェルは情欲に満ちた瞳でじっくりと観察すると、彼女の豊満な胸を両手で下から包み上げ、ゆったりと揉みしだいた。

 オフィーリアは唇で人差し指の関節を食み、息をひそめて行為を受け入れた。
 未知の感覚をどう捉えるべきかわからず、目を閉じて顔をしかめていると、乳首をピンと弾かれ「あっ」と声をもらした。
 初めて得た快感だった。
 左右の乳首を連続で弾かれ、押し潰され、くにくにとこねられる。乳首が硬くなるほど快感は増し、充分に尖ったところでハイウェルの口に含まれた。

「はあぁんっ……」

 思わずもれ出た嬌声に自分でも驚く。
 口を押さえてこらえるが、乳首を甘噛みされたり舌先で転がされたりすると、呼吸が乱れて声が出てしまう。

「フーッ、ンンーッ」
「君の声を聞くのは私だけだ。声を抑える必要はない」
「で、でも……恥ずかしいです……っ」

 ハイウェルはオフィーリアに見せつけるように、豊かな乳房を寄せるように持ち上げ、胸の膨らみから乳輪までを丹念に舐め上げた。
 触れてもらえない先端が、焦らされてジンジンと切なくなったころで一気に吸い上げられ、オフィーリアは甘ったるい悲鳴を上げた。
 快感の余韻にとろけたような表情をするオフィーリアを見てハイウェルはたまらず口づけをし、先ほどから自身の腰の下でもぞもぞと動いていた太ももに手を伸ばした。

「あっ、そんな、ところ……」
「ここの間の、この割れ目に私の物を入れるんだ。触れてよくほぐしておかないと辛いだけだぞ」

 柔らかな盛り上がりは既にしっとりと濡れていた。
 ハイウェルの逞しい二本指が割れ目の膨らみを挟み、上下に擦ってくる。

「あぁ……ふぁっ……んんっ」
「そのまま力を抜いて、脚を広げてみてくれ」

 言われるがまま脚を広げると、ハイウェルの指が割れ目に埋まり、愛液をクチュクチュとかき混ぜた。潤んだ蜜口がヒクッと反応したところを指の腹で蓋をする。すると指を求めるように蜜口が収縮し、愛液を垂れ流した。
 ズズ……とゆっくり指が上昇していく。
 そして――、

「見つけた」

 ハイウェルがある蕾を探し当てた瞬間、オフィーリアは大きすぎる快感に身体を震わせた。
 胸に愛撫されているときとは種類の違う快感だった。痺れるような快楽が次から次へとやってくる。
 ハイウェルは愛液をすくっては陰核に塗りつけ、クルクルと円を描くように撫でまわした。

「アァッ、ンウウッ、アァァッ」
「ああ……その声、たまらないな……」

 うっとりとした男の低い声が降ってくる。
 興奮をぶつけるような淫らな口づけを与えられたあと、膝裏を掴まれ、大きく開かされた。
 なにをするのかと上体を起こすと、ハイウェルはすっかり欲情した顔でオフィーリアの秘部にしゃぶりついた。
 女の赤く熟れた弱々しいひだを男の分厚く生暖かい舌が蹂躙し、ひくひくと悲鳴を上げる蜜口を舐め回す。愛液を舌先ですくい取り、オフィーリアが嫌々と頭を振るのも無視をして、陰核にこすりつけた。
 オフィーリアの陰核が硬く、そして腫れていく。

「ダメッ、ダメェッ……アァァァッ!!」

 オフィーリアは背中からぐったりと倒れ込み、頭を傾けた。

(ジンジンする……まだ気持ちいいのが残ってる……)
「これで終わりじゃないぞ、オフィーリア」

 ハイウェルは陰核を吸いながら、蜜口に指を押し当てた。

「ひうっ」

 オフィーリアの身体に緊張が走る。
 何度か具合を確かめるように蜜口を指で撫でられ、やがてゆっくりと押し込まれた。
 体験したことのない異物感と圧迫感に力が入るが、陰核への愛撫がやまないため、気持ちいいのか苦しいのかわからなくなってくる。
 一本だった指が二本になり、強烈な異物感に襲われる。さすがに陰核への刺激ではごまかすことができず、オフィーリアは小さくうめいた。

「すまない、オフィーリア。苦しいだろう」
「は、い……でも、がんばります」
「今日はもうなにをやっても苦しいと思うが、初めてだから仕方ないと思ってほしい。君にできるだけ負担がないよう心がける」

 こんなときまで律儀に説明するから、微かなおかしさが込み上げてきて、ふっと笑ってしまった。

「大丈夫です。あなたになら、なにをされても大丈夫……」
「オファーリア、そんな顔をしないでくれ。私はもう耐えられそうにないんだ。今すぐ君のなかに入りたくてたまらないと言うのに」

 ハイウェルの指がくっと肉壁を撫で上げた瞬間、オフィーリアは眉間に皺を寄せて甘い悲鳴を上げた。

「今のところが快いんだな?」
「アッ、アァッ、ハイウェル様……!」
「もっと悦くなるよう他も触ろうか」

 ハイウェルは秘部を弄る手をそのままにオフィーリアの横に寝て、彼女の赤く染まった耳を舐めた。
 耳奥に直接届く卑猥な音が、オフィーリアを興奮させた。同時にグチュグチュと掻き回される蜜口に熱が溜まっていく。
 首筋や鎖骨、胸へと口づけが落とされ、再び乳首を指で弾かれた瞬間、オフィーリアは腰を跳ね上げた。

「アッ、ンアァーー!!」

 秘部全体がズクン、ズクンと脈打つ。
 オフィーリアの目の端から涙がつっとこぼれ、頬へと滑り落ちていった。
 はぁ、はぁと艶かしく呼吸を乱すオフィーリアを前に、ハイウェルは余裕のない顔で衣服を脱ぎ捨て、オフィーリアを抱きしめた。

「すまない。もっと時間をかけてからと思ったんだが……我慢できそうにない」

 なんて逞しい身体だろう。
 オフィーリアは力なくハイウェルを抱きしめ返し、温かな首筋に顔を埋めた。男の匂いがする。自分はきっとこの匂いに酔って、いっそう興奮してしまうのだろう。そんな予感を抱きながら、ハイウェルの首筋を甘噛みした。

「来て……」

 ハイウェルの理性を破るには、その言葉だけで充分だった。
 ハイウェルはうなるように息をつくと、自身の昂りを掴んでオフィーリアのなかに埋め込んでいった。

「あっ、うぅ……」

 覚悟していた以上に先端は大きく感じられ、言いようのない圧迫感に恐怖する。あまりの痛みに身を縮めて固まると、すかさず抱きしめられた。

「しぃー、しぃー……力を抜いて。大丈夫だ、無理に入れたりしない」

 ハイウェルはオフィーリアの苦しさが落ち着くまでゆったりと口づけをし、力が抜けたところで昂りを押し込むということを繰り返した。

 ようやく全てが埋まったときには、オフィーリアの顔は白くなっていた。
 痛いのか苦しいのか、もうよくわからない。しかし、ハイウェルの全てを受け入れたただひとりの人間となったことに、この上ない優越感が込み上げてくる。満ち足りた気分でハイウェルに抱きついて、深く息をついた。

「もう大丈夫……、動いて……」
「はぁ……オフィーリア……すまない……」

 ハイウェルはオフィーリアの頭に口づけをすると、小刻みに腰を揺らし始めた。
 オフィーリアはハイウェルの動きに合わせて呼吸をし、汗が滲む背中をきつく掴んだ。身体がハイウェルの形に順応しようとしている。そして、快楽を得ようと神経を研ぎ澄ましている。まるでやり方を知っているみたいだった。

「はぁっ、アッ、うぁっ……」
「く……はぁ、オフィーリア、締めつけ過ぎだ」

 ハイウェルは自身を柔らかく包み込む肉壁に、眉を寄せて奥歯を噛み締めた。抗いがたい快楽のさざなみに、腰の動きが速くなっていく。

「ハイウェル様っ、アッアァッ、急に激し、いっ」
「君が奥で吸いついてくるからいけないんだ……ほら、まただ……っ、胸を触ったらもっと強く吸いついてきた」

 赤く熟れた乳首を爪でピンピンと弾かれ、陰核を硬い筋肉で押し潰されながらこねられると、どうしてもハイウェルの昂りを締めつけてしまう。
 痛みのなかに快感を見つけたオフィーリアは、腰を揺らしてハイウェルを正しい場所に導き、陰部をぴったりと押し付けた。
 あらゆる体液が混ざった結合部からしきりに卑猥な水音が聞こえてくる。
 興奮が最高潮に達すると、ふたりは無言で熱い口づけを交わし、より一層淫らに腰を擦りつけ合った。

「オフィーリア、オフィーリアッ……」

 ハイウェルは猛々しく突き上げて、オフィーリアの最奥に熱を吐き出した。
 オフィーリアはハイウェルに乳首を吸い上げられた瞬間、吐精する昂りをきつく絞るように締めつけ嬌声を上げた。

「すまない、最後は自制できなかった……痛むか?」
「平気です……あっ……」
「ふっ、まだ甘く締めつけてくるな。しばらく、こうしていようか」

 ハイウェルは微かに腰を回しながら、オフィーリアに口づけをした。舌を絡め、吐息すらも飲み込むしっとりと深い口づけだった。
 オフィーリアは目を閉じ、ぬちぬちと粘り気のある卑猥な音に耳を澄ませる。
 どちらともなく情欲の炎が再燃していくのを感じ、指を絡めるように手を繋いだ。
 
「愛している、オフィーリア。これまでも、これからもずっと君だけを想うと誓おう」
「私もです、ハイウェル様」

 ふたりは心も身体も溶け合うまで深い夜を過ごした。




 ハイウェルが目覚めたとき、隣に妻の気配がないことに気づき窓辺に立った。紺碧がオレンジ色に染まっていく空の下、眼下の庭に妻の姿を見つける。
 美しい髪を束ねた彼女は、咲き誇る花々を眺めていた。
 ハイウェルは窓を開け、彼女が歌い出すのを待った。眠りに誘われてしまうと知っても、明け方に歌う彼女を見てみたかったのだ。
 妻の透き通るような美しい声は天高く響き渡り――調子を外した。

「ははっ」

 ハイウェルは思わず吹き出してしまった。こんな展開、誰が予想できただろうか。
 昨夜、長く愛し合っていた弊害だろう。
 妻は夫の笑い声に振り返り、窓の方へと顔を上げた。
 拗ねたような、気恥ずかしそうな笑みを浮かべた彼女は「聞かなかったことにしてください!」と声を上げた。

 初夜の翌朝に起きた出来事は、ふたりにとって笑い話となり、いつまでも記憶に残り続けたのだった。
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