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おこぼれ話132 紙ねんどにあこがれたあの日

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1年生の2学期終盤、図工の授業でコンテストに出すために貯金箱を作ることになった。
自分は図工の賞なんかに縁がないと薄々理解しつつも、取れるように頑張ろうという意気込みで挑んだ。
貯金箱の形状や、素材は自由。僕はなかなかアイデアが出なかったので母と相談した結果、ポストの形にすることにした。賞取れるように頑張ろうと思うやつが人に頼りやがって…
材料は空き箱と折り紙という当たり障りないもの。形状は昭和世代には懐かしいいわゆる丸形ポストを模したものだ。

だがここでちょっとした問題が生ずる。クラスのほかのみんなは紙ねんどを使っており、僕だけ唯一空き箱と折り紙という素材であったことだ。上記の通り素材は自由であるのだが、なんとなく浮いてしまった感がある。
いろんな形を生み出せる紙粘土と違い、(作るものをあらかじめ決めていてそれに合わせた形を選んでるとはいえ)限られた形しか生み出せない空き箱。やっぱりなんか浮いてしまう。
僕は「自分だけ紙粘土使ってないのなんか恥ずかしい」と思ってしまった。
一応図工の授業で紙ねんどはすでに経験済みであったが、この日からやたらと紙ねんどへのあこがれを抱くようになり、その後の冬休みの自由研究では紙粘土を使って工作することに。
ちなみにその時作ったのはメタモン。超薄っぺらい…
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