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おこぼれ話164 汝は狐也か?猫也か?

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4年生のある日の授業時間、その時は教室で自習をしていた。
そんな中、ふと教室の外を眺めていた1人の生徒が何かに気づき、騒ぎ始めた。
「おい!グラウンドに狐がいるぞ!」
彼の声に呼ばれるように教室の窓にはひとり、またひとりと生徒たちが集まってくる。
僕もこの声に誘われて、窓をのぞいてみるとグラウンドには確かに何かしらの動物がいた。
しかしアングルが遠かったため、狐なのか猫なのかよくわからなかった。ほかの生徒たちも「あれは狐か?猫か?」と議論になっていた。

時を同じくして、グラウンドには下級生数人がその生き物のそばに近寄っていた。
この生き物の存在が気になって仕方ない僕や数名の生徒は「外に出て確認したい」と申し出たがその時自習の監督をしていた先生(担任ではない)にもちろん却下されたうえ、「仮に狐がいたとしてもエキノコックスに感染する恐れがあるので近づいてはいけない」と釘を刺された。そりゃそうだ。
そして先生はグラウンドに入ってきたあの動物のことは「狐でなく猫だ」と断言している。その理由は「首の動きがどう見ても狐じゃない」とのこと。
自分は狐の動きをじっくり見たことないので動きとかよくわかんなかった。
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