リョーマ的Y2K子供文化史考

一刀星リョーマ

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第3部 アニメ・特撮総合史

イナズマイレブン×ミニオン×忍たま=?

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第四部に入ったばかりであるが、第3部に関して書きそびれていた部分がある。
イナズマイレブンが2作品のほかのアニメ映画とコラボしたCMの分析である。本編ではなくCMでコラボするという異色のコラボ方式であり、それまでになかった新しい形(というか今でも珍しいか?)の宣伝方式として分析しておきたかったのだ。

まずひとつが2010年秋公開の「怪盗グルーと月泥棒」とのコラボCM。今や人気キャラとなったミニオンでおなじみの怪盗グルーシリーズの1作目だ。
CMはグルーの本編映像になぜか突然ゲーム「イナズマイレブン3世界への挑戦 ボンバー」の主題歌である「元気になリーヨ」が流れ始めた直後(僕も最初このCM観たとき放送事故と思った)「彼らもハマった」とのテロップが出たのちイナズマイレブンのキャラクターたちが次々登場してグルーの感想を述べるというもの。洋画の宣伝で日本のアニメキャラが登場するのは史上初の試みだったという。
洋画アニメは邦画以上に当たりはずれが激しい作品。ディズニー以外の作品は特にそう。ハリウッド産の新たな作品をアピールするのに日本の人気キャラを使うことによって日本のユーザーにとって入りやすくしようという考えだったと思う。
この映画は当時の3D映画ブームの流れもあって宣伝面では3D上映であることが大々的に打ち出された作品であり「アトラクションムービー」といういかにも「絶対3Dで観てください」と言わんばかりのキャッチコピーもつけられていたのだが、このCMでもラストでは円堂たちが3D上映で観ているシーンがある。このシーンで鬼道のみ3Dメガネをかけずいつものゴーグルのままで映画を観ていたのだが、「オレのゴーグルは3D対応だ」という衝撃の事実が吐露されて締めくくられる。ファンなら思わず笑ってしまう発言だ。
残念ながらこのCMではグルーとイナズマのキャラ同士の直接の顔合わせや掛け合いはなかったのだが、2011年2月にイナズマのアイキャッチにおいて3月からのイナズマの放送時間移動(30分繰り上げ)を告知するグルーとのコラボアニメが全4話分制作された。ミニオンたちが雷門中の引っ越しを手伝うという内容で、ゴーグルが特徴のミニオンに対して円堂が「なんか鬼道に似てないか?」とつぶやくシーンもあった。このミニアニメは同時期に発売されたグルーのDVDの告知を兼ねたものでもあった。

もうひとつが2011年3月公開の「忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段」。あの国民的アニメ「忍たま」とのコラボ、しかも番組内でのコラボではないとはいえ民放とNHKの垣根を超えたコラボ。かたや明るく楽しい忍者アニメ、かたやド迫力の超次元サッカーアニメ。一見共通点もないうえ放送局も原作者・会社も制作会社も違う作品同士がなぜ?と思うがこのふたつのアニメはターゲットである子供層だけでなく「大きな女の子」(といえばどの層のことかわかろう)にも人気があるという共通点がある。
CMはグルーの時と同じくイナズマのキャラたちが忍たまの感想を述べていき、最後は円堂たちが映画を鑑賞するシーンで締められる。スクリーンに映る忍たまの忍術学園の面々を観た円堂が「戦国伊賀島(イナズマイレブンに登場する忍者のチーム)とどっちが強いんだ?」と鬼道に聞くというイナズマファンならニヤリとしてしまうセリフが出てくる。ちなみに予告だけでなく入場者プレゼントでもコラボ。イナズマのカードが入場者特典として配られた。
この予告でも両作品の掛け合いはなかったが、公開前日に着ぐるみの円堂と乱太郎がおはスタに出演し、告知を行った。着ぐるみとはいえNHKと民放の看板アニメのキャラがひとつの画面に収まった貴重な瞬間。個人的にはこの3年後の「いいとも最終回」と並ぶ奇跡の瞬間だったと思っている。
NHKアニメは当たり前だが映画をやっても番組内では宣伝ができない。NHKアニメであれどもグッズや映画のCMは民放でしか流せない。民放原作のアニメ映画ならCMに加えて番組内でも公開が近づけばミニコーナーとかで宣伝できるがNHKではそれが出来ない。民放と違って大々的な宣伝ができない分盛り上がりに欠けてしまいがちというデメリットがある。
だが忍たまスタッフはそれを逆手にとって「民放でしか宣伝できないならいっそ民放の人気アニメと組んで強烈な印象をつけよう!宣伝だけで驚かせても観に来てくれないと意味が無いから入場者特典でもコラボしてイナズマのファンを呼び込もう!」と考えてこの奇跡のコラボが生まれたのであろう。
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