リョーマ的Y2K子供文化史考

一刀星リョーマ

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第4部 漫画・出版史

マガジンの王座奪取~陥落を考えるその2

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ジャンプを抜かし黄金期を迎えたマガジンは00年代にかけてより多様なジャンルの作品を生み出し、誌面に変革をもたらしていく。
マガジンが最大発行部数を記録した1998年に始まったのが赤松健先生原作の「ラブひな」。ひょんなことから元旅館の女子寮の管理人となってしまった東大を目指す浪人生の主人公とその住人達とのラブコメ。
当時としてはまだ黎明期だった「萌え」が作品の要素のひとつとして入っているのが特徴。これもマガジンの先見の明と言えよう。
2000年にテレビ東京系にてアニメ化され半年間放送。放送時間は夜10時台後半というイレギュラーな時間ということもあり視聴率では苦戦したが、各種商品の売り上げは好調で、DVDはオリコンのランキングで当時全盛期の浜崎あゆみのライブDVDをおさえて首位にランクイン。林原めぐみさんによるOPのCDも当時のアニソンとしては異例のオリコン初登場7位、発売2週間で20万枚の売り上げを記録。
マガジンといえば古くから読者の年齢層が高めであることで知られているが、当時の「萌え」愛好家もだいたい当時のマガジンの中心読者層に合致していたのは間違いないだろう。それはこの作品のヒットが証明している。
「女の子がいっぱい」「萌え」という後のマガジンでも現在に至るまで多用され続けることになる一大ジャンルを築いた記念碑的作品と言って間違いない。ラブひながなければ同じ作者の「魔法先生ネギま!」もなかっただろうし、「山田くんと7人の魔女」や「五等分の花嫁」も世に出なかったであろう。

ラブひなの翌年1999年にスタートしたのが後にマガジンの看板作家となる真島ヒロ先生のデビュー作「RAVE」。
今でこそマガジンには王道少年漫画タッチの作品やファンタジー作品が多数連載されているが、当時のマガジンといえば前回書いたように全体的に「濃ゆい」イメージ。真島ヒロ先生のように「ザ・少年漫画」な絵柄によるファンタジーものは当時のマガジンとしては異例中の異例。真島先生自らも1巻のあとがきで「こんなマガジンらしくない作品を載せてくれた編集部に感謝」と述べているほどだ。
故に当初は人気面で苦戦していたが、次第に人気を獲得していき、アニメ化、さらにはマガジン史上初の全ページフルカラー掲載が行われるまでに至った。
本作をきっかけに真島先生はマガジンの看板作家となっただけでなく、以降のマガジンにおいて様々なファンタジー作品が登場するきっかけとなった。

黄金期にはこういった後のマガジンの人気ジャンルのパイオニアも生まれていき、誌面に大きな変革をもたらした。これらの作品の存在が黄金期をより継続させていくと思われたが…以下次回。
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