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ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第1話
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主要登場人物一覧
嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託)
耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士
冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官
今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官
藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士
関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士
幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士
菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官
泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官
鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監
正随緋斗(24)…警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊所属 隊士長
貴内伸介(35)…警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊 小隊管理官 1等隊尉
伊村零也(41)…警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊長 1等士官
西岳慶寿(58)…警衛庁 警務隊長 隊将
磯末克斗(43)…警衛庁 警務隊 総務管理官 1等将士
新城彪駕(28)…警衛庁 警務隊 上級幹部付き庶務担当管理官 2等隊尉
澤田新太(33)…警衛庁 東部地区警務中隊 第1機動班 主任 3等士官
青村聡士(28)…警衛庁 東部地区警務中隊 第1機動班 隊士長
堀峰幸治(50)…関東信越厚生局 麻薬取締部横浜分室 広域機動取締課 課長
新薪晃平(43)…関東信越厚生局 麻薬取締部横浜分室 広域機動取締課 係長
鳴濱航輔(23)…元警衛官
近添祐臣(23)…元警衛官
樋田淳太(24)…元警衛官
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
雪もチラホラと降ってきた12月、嶹津は余っている貯金で簡単な防寒着を購入するとそれを羽織りながら次の住居を歩いて探していた。
もう2時間は歩いている計算になるだろうか、
そんな事を思いながら歩いていると目の前から制服を着た2人の警官が歩いてきた。
「あ、お兄さんちょっといいですか?」
警官に声をかけられ嶹津は軽く頷いた。
「なんだよ、」
「近くで強盗事件があってその捜査を今してるんだけど、ちょっとお話聞けたりしますか?」
「ちょっとだけなら、」
「ありがとうございます」
そう言い警官が軽く目を逸らした時だった、警官達を押しのけるようにして2人組の大柄な男たちが声を荒らげながらやってきた。
「お前、嶹津だろ?な?」
「なんすか?あなた達は?」
「警務隊だよ。なんで来られたかわかるはずだ。だよな?」
隊員の1人が声をかけると警官の1人がその隊員を押しのけるようにして前に出た。
「神奈川県警の者です。あなた方は?」
「あ?だから話聞いてなかったんかよって。警衛官だよ。俺ら警務隊でこいつに用があんだよ。今すぐ引き渡せ。さもねーと防衛省を通じてあんたらに抗議入れんぞ?めんどくせー話にしてやんぞ?なー」
隊員が怒鳴ると警官達は互いに顔を見合わせるとそのままそそくさと足早に去っていった。
「あの野郎、大したことねーな。今どきのポリって全部あんなんか?」
そう言いながら隊員は嶹津を睨みつけた。
「話すことは何も無い。」
嶹津が言うと隊員はニヤニヤ笑いながら嶹津の胸ぐらを掴んだ。
「んな馬鹿な事言って俺たちを騙せると思ったんか?お前を見つけるために俺たちは神奈川県全域に担当派遣なってんだ。こちとら仕事残っとんのによ、とりまこのまま近くの駐屯地まで来いや。話はそれからだ。な?」
そう言い隊員が嶹津の腕を引っ張った次の瞬間、嶹津はその隊員の手を捻りあげるとそのまま走り出した。
「だ、大丈夫すか?」
「うるせーって。早く追えや」
「あ、は、はい」
1人の青年隊員は嶹津を追いかけるためそこから走り出した。
「くそが、そこら中にいるじゃねーかよ」
嶹津はそう呟くと近くの駅の改札に飛び込んだ。
「探し出せ。早く」
「こっちだ」
いつの間にか増員されていた警務隊員らは嶹津を探すべく付近をしらみ潰しに探していた。
「あいつら、まじでゴキブリみたいにうじゃうじゃいるな。」
そう呟きながら軽く息を整えていると、目の前からパーカーを着た1人の男がやってきた。
男はかけてたサングラスを軽く外し嶹津を軽く凝視するとそのまま笑顔で駆け寄ってきた。
「づーしまじゃんかよ。お久。何してんだよ。こんなところで」
「づーしま?」
新隊員教育隊の頃に呼ばれていたあだ名を言われ嶹津は男を見上げた。
「おいおい笑 忘れたとか言わせーぜ?」
「鳴濱か?」
そこにいたのは、新隊員教育隊時代の同期だった鳴濱だった。
「そーだよ。一瞬忘れとったろ?」
鳴濱に言われ嶹津は軽く笑いながら受け流した。
「お前こそ何してんだよ」
嶹津に聞かれ鳴濱は駅前に停めてある1台の車に目をやった。
「まぁ、んな事はいいからよ。とりま車乗れよ。今仕事中じゃねーだろ?」
「クビになりそーな立場なんだわ。今」
「クビに?お前何やらかしたんだよ笑 警衛隊なんて、なんもしねー限りクビになんねーだろ?上官殴っても、半年間の謹慎で済むようなところなんだからよ笑」
「そうか。お前部隊配属されてすぐに殴って辞めたんだっけ?」
「向こうから手出てきやがったからな。俺の場合は。んでボコボコにしたら向こう、気絶しやがって、依願退職。依願だけでも偉いと思うだろ?国家公務員の地位を自ら捨てたんだぜ?」
「馬鹿な選択すぎんだろ笑」
嶹津が言うと鳴濱は笑いながら嶹津を立たせた。
「懐かしい仲間に会わせてやるよ」
そう言うと鳴濱は嶹津を車に乗せた。
その後、何分か走っていると雑居ビルの地下駐車場へと入っていった。
「着いたぞ。」
そう言いながら鳴濱は駐車場の入り口に車を停めた。
「入り口かよ笑」
嶹津が呟くと2人の男が駐車場にやってきた。
「覚えてるか?あいつら」
「近添に樋田、」
嶹津が呟くと鳴濱は軽く頷きながら車から降りた。
「あれれ、嶹津じゃんかよ」
近添は嶹津を指さすなり軽く声を上げた。
「とりま、嶹津連れて上がろうか。話はそれからだ。」
鳴濱に言われ近添と樋田はそのまま上に上がって行った。
「飯と風呂と、用意してやっから。な?早く来いや」
鳴濱が言うと嶹津は軽く頷き歩き出した。
部屋に入ると、鳴濱は近くのソファーに向かってダイブした。
「鍵締めろよ」
樋田に言われ近添は面倒くさそうにドアの鍵を閉めた。
次の瞬間、樋田は嶹津の胸ぐらを掴んだ。
「お前、警衛官やってんだろ?まだ。それに前に公安ってほざいて無かったか?この野郎」
樋田が怒鳴ると近添が口を開けた。
「あー。なんか聞いた事あるような。ってお前、新隊員教育中に辞めてるだろ?」
「てめぇから聞いたんだよ。」
樋田に怒鳴られ近添は軽く笑いながら嶹津の肩を叩いた。
「そうだった笑 お喋りだったの忘れてたわー」
近添が言うと鳴濱はスマホを触りながら口を開けた。
「とりあえずさ、樋田、胸ぐらから手離したれや。輩みたいな事すんなって」
鳴濱に言われ樋田は口を鳴らしながら嶹津の胸ぐらから手を離した。
「簡単に説明してやる。俺らは今、キャバクラ、ガールズバーなどの店を5店舗任されてる。それで月の売上は5000万を超える。それを元手に新しいビジネスを今考えててなその仲間を探してるところなんだ。どうだ?一緒にやらないか?」
鳴濱が言うと樋田は再びその場に立ち上がった。
「こいつ公安なんだろ?十条で立てこもりあってから教団とは音信不通だしよ。公安が教団に潜入を目論んでいるのは既に知ってる。俺らところに潜入に来たって俺が睨んでも無理はねーよな?」
そう言いながら樋田は嶹津を睨みつけた。
「教団?お前ら明徳の?」
嶹津が聞くと樋田は声を荒らげた。
「今更、知らねーフリか?てめぇら公安が知らねーフリとか似合わねーぞ。俺らは教団の傘下だ。教団が運営してる店舗を何店舗が任されてんだよ。そんぐらい知ってんだろ?どうせ。それで近づいてきたんだろ?」
「待てよ。まじで初耳なんだけど」
「あ?嘘も下手になったな。」
「俺がそう見えるか?潜入なんてそんなこすいことやんねーよ。それに俺は今追われてる立場だ。」
嶹津が言うと鳴濱が腕を組みながら聞いてきた。
「さっきからその気になってんだけど、追われてるというのは?」
「どうせ、それも嘘なんだろ。」
樋田が言うと近添が口を開けた。
「いつまで、お前引き摺ってんだよ。」
「あ?うるせーよ」
樋田が言うと近添は机に腰かけながら口を開けた。
「いや、お前。まだ新教(新隊員教育隊)の頃引きずってんだろ?」
「なんかあったっけか?」
鳴濱が聞くと近添は軽く笑いながら頷いた。
「ほら、夢丸?と耀阪か。それと嶹津の3人がよくやらかして、毎回、樋田の野郎、班長にブチ切られてたろ?笑 」
「あー。あったな。日後の行いがどうとかって俺も流石にあいつはどうかと思ったけどな」
「それを引き摺ってんだよ。こいつ。現にそのせいで成績も下がってたしな。職種希望通ってなかったもんな。成績だけで見たら、1位狙える位置にいたもんな。」
「決めつけて自分の非は認めない組織なんだよ。警衛隊ってのは。そんな汚ねー組織にいる時点でそいつも汚染されてる。だから俺はそいつらを軽蔑する。それだけだ。」
そう言いながら樋田は嶹津のそばまでやってきた。
「鳴濱、今ここで決めろよ。嶹津をどうするか」
「嶹津をどうするか?」
鳴濱が聞くと樋田は答えた。
「こいつが公安からの刺客じゃねーって証拠は無い。でもこいつは公安所属の人間だ。こいつをこのまま俺たちのもとで働かせるか。それか追い出すか。いや、アジトがバレてるんだ。生きて帰す訳には行かねーよな」
そう怒鳴ると樋田は拳銃を構えた。
「おい、」
近添が言うと樋田は嶹津を近くのソファーに押し倒した。
「な?鳴濱さっさと決めろよ。こいつをどうすっか。」
「俺はもう決まってるよ。こいつは警衛隊には帰さない。このまま働かせるって」
鳴濱が言うと樋田は鳴濱を睨みつけた。
「あ?決まってる?だと?」
「うん。彼は同期であり仲間だ。苦楽を共にしてきた。特に近添と俺は元々、樋田は職種配置後、配置転換を希望して、みんな守衛で一緒になったろ?俺と近添と嶹津と夢丸と耀阪、そして樋田だ。だから仲間を見捨てるとか殺すとか俺にはそんなのできねーし。俺はこのまま嶹津をここに残す。」
「そうか。なら好きにしろよ。」
そう言うと樋田は軽くネクタイを緩めた。
「これから女の子迎えに行ってくるから、俺出るし。また夜な」
そう言い残し樋田は、足早に部屋から出て行った。
「あいつ、店の娘の送迎、自分からやりたがるよな。変わった野郎だろ?笑」
近添が言うと嶹津は軽く笑った。
「よし、ならこれから説明するとするか。ここからはビジネスについてだ」
そう言うと鳴濱は嶹津をソファーに座らせた。
嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託)
耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士
冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官
今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官
藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士
関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士
幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士
菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官
泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官
鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監
正随緋斗(24)…警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊所属 隊士長
貴内伸介(35)…警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊 小隊管理官 1等隊尉
伊村零也(41)…警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊長 1等士官
西岳慶寿(58)…警衛庁 警務隊長 隊将
磯末克斗(43)…警衛庁 警務隊 総務管理官 1等将士
新城彪駕(28)…警衛庁 警務隊 上級幹部付き庶務担当管理官 2等隊尉
澤田新太(33)…警衛庁 東部地区警務中隊 第1機動班 主任 3等士官
青村聡士(28)…警衛庁 東部地区警務中隊 第1機動班 隊士長
堀峰幸治(50)…関東信越厚生局 麻薬取締部横浜分室 広域機動取締課 課長
新薪晃平(43)…関東信越厚生局 麻薬取締部横浜分室 広域機動取締課 係長
鳴濱航輔(23)…元警衛官
近添祐臣(23)…元警衛官
樋田淳太(24)…元警衛官
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
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雪もチラホラと降ってきた12月、嶹津は余っている貯金で簡単な防寒着を購入するとそれを羽織りながら次の住居を歩いて探していた。
もう2時間は歩いている計算になるだろうか、
そんな事を思いながら歩いていると目の前から制服を着た2人の警官が歩いてきた。
「あ、お兄さんちょっといいですか?」
警官に声をかけられ嶹津は軽く頷いた。
「なんだよ、」
「近くで強盗事件があってその捜査を今してるんだけど、ちょっとお話聞けたりしますか?」
「ちょっとだけなら、」
「ありがとうございます」
そう言い警官が軽く目を逸らした時だった、警官達を押しのけるようにして2人組の大柄な男たちが声を荒らげながらやってきた。
「お前、嶹津だろ?な?」
「なんすか?あなた達は?」
「警務隊だよ。なんで来られたかわかるはずだ。だよな?」
隊員の1人が声をかけると警官の1人がその隊員を押しのけるようにして前に出た。
「神奈川県警の者です。あなた方は?」
「あ?だから話聞いてなかったんかよって。警衛官だよ。俺ら警務隊でこいつに用があんだよ。今すぐ引き渡せ。さもねーと防衛省を通じてあんたらに抗議入れんぞ?めんどくせー話にしてやんぞ?なー」
隊員が怒鳴ると警官達は互いに顔を見合わせるとそのままそそくさと足早に去っていった。
「あの野郎、大したことねーな。今どきのポリって全部あんなんか?」
そう言いながら隊員は嶹津を睨みつけた。
「話すことは何も無い。」
嶹津が言うと隊員はニヤニヤ笑いながら嶹津の胸ぐらを掴んだ。
「んな馬鹿な事言って俺たちを騙せると思ったんか?お前を見つけるために俺たちは神奈川県全域に担当派遣なってんだ。こちとら仕事残っとんのによ、とりまこのまま近くの駐屯地まで来いや。話はそれからだ。な?」
そう言い隊員が嶹津の腕を引っ張った次の瞬間、嶹津はその隊員の手を捻りあげるとそのまま走り出した。
「だ、大丈夫すか?」
「うるせーって。早く追えや」
「あ、は、はい」
1人の青年隊員は嶹津を追いかけるためそこから走り出した。
「くそが、そこら中にいるじゃねーかよ」
嶹津はそう呟くと近くの駅の改札に飛び込んだ。
「探し出せ。早く」
「こっちだ」
いつの間にか増員されていた警務隊員らは嶹津を探すべく付近をしらみ潰しに探していた。
「あいつら、まじでゴキブリみたいにうじゃうじゃいるな。」
そう呟きながら軽く息を整えていると、目の前からパーカーを着た1人の男がやってきた。
男はかけてたサングラスを軽く外し嶹津を軽く凝視するとそのまま笑顔で駆け寄ってきた。
「づーしまじゃんかよ。お久。何してんだよ。こんなところで」
「づーしま?」
新隊員教育隊の頃に呼ばれていたあだ名を言われ嶹津は男を見上げた。
「おいおい笑 忘れたとか言わせーぜ?」
「鳴濱か?」
そこにいたのは、新隊員教育隊時代の同期だった鳴濱だった。
「そーだよ。一瞬忘れとったろ?」
鳴濱に言われ嶹津は軽く笑いながら受け流した。
「お前こそ何してんだよ」
嶹津に聞かれ鳴濱は駅前に停めてある1台の車に目をやった。
「まぁ、んな事はいいからよ。とりま車乗れよ。今仕事中じゃねーだろ?」
「クビになりそーな立場なんだわ。今」
「クビに?お前何やらかしたんだよ笑 警衛隊なんて、なんもしねー限りクビになんねーだろ?上官殴っても、半年間の謹慎で済むようなところなんだからよ笑」
「そうか。お前部隊配属されてすぐに殴って辞めたんだっけ?」
「向こうから手出てきやがったからな。俺の場合は。んでボコボコにしたら向こう、気絶しやがって、依願退職。依願だけでも偉いと思うだろ?国家公務員の地位を自ら捨てたんだぜ?」
「馬鹿な選択すぎんだろ笑」
嶹津が言うと鳴濱は笑いながら嶹津を立たせた。
「懐かしい仲間に会わせてやるよ」
そう言うと鳴濱は嶹津を車に乗せた。
その後、何分か走っていると雑居ビルの地下駐車場へと入っていった。
「着いたぞ。」
そう言いながら鳴濱は駐車場の入り口に車を停めた。
「入り口かよ笑」
嶹津が呟くと2人の男が駐車場にやってきた。
「覚えてるか?あいつら」
「近添に樋田、」
嶹津が呟くと鳴濱は軽く頷きながら車から降りた。
「あれれ、嶹津じゃんかよ」
近添は嶹津を指さすなり軽く声を上げた。
「とりま、嶹津連れて上がろうか。話はそれからだ。」
鳴濱に言われ近添と樋田はそのまま上に上がって行った。
「飯と風呂と、用意してやっから。な?早く来いや」
鳴濱が言うと嶹津は軽く頷き歩き出した。
部屋に入ると、鳴濱は近くのソファーに向かってダイブした。
「鍵締めろよ」
樋田に言われ近添は面倒くさそうにドアの鍵を閉めた。
次の瞬間、樋田は嶹津の胸ぐらを掴んだ。
「お前、警衛官やってんだろ?まだ。それに前に公安ってほざいて無かったか?この野郎」
樋田が怒鳴ると近添が口を開けた。
「あー。なんか聞いた事あるような。ってお前、新隊員教育中に辞めてるだろ?」
「てめぇから聞いたんだよ。」
樋田に怒鳴られ近添は軽く笑いながら嶹津の肩を叩いた。
「そうだった笑 お喋りだったの忘れてたわー」
近添が言うと鳴濱はスマホを触りながら口を開けた。
「とりあえずさ、樋田、胸ぐらから手離したれや。輩みたいな事すんなって」
鳴濱に言われ樋田は口を鳴らしながら嶹津の胸ぐらから手を離した。
「簡単に説明してやる。俺らは今、キャバクラ、ガールズバーなどの店を5店舗任されてる。それで月の売上は5000万を超える。それを元手に新しいビジネスを今考えててなその仲間を探してるところなんだ。どうだ?一緒にやらないか?」
鳴濱が言うと樋田は再びその場に立ち上がった。
「こいつ公安なんだろ?十条で立てこもりあってから教団とは音信不通だしよ。公安が教団に潜入を目論んでいるのは既に知ってる。俺らところに潜入に来たって俺が睨んでも無理はねーよな?」
そう言いながら樋田は嶹津を睨みつけた。
「教団?お前ら明徳の?」
嶹津が聞くと樋田は声を荒らげた。
「今更、知らねーフリか?てめぇら公安が知らねーフリとか似合わねーぞ。俺らは教団の傘下だ。教団が運営してる店舗を何店舗が任されてんだよ。そんぐらい知ってんだろ?どうせ。それで近づいてきたんだろ?」
「待てよ。まじで初耳なんだけど」
「あ?嘘も下手になったな。」
「俺がそう見えるか?潜入なんてそんなこすいことやんねーよ。それに俺は今追われてる立場だ。」
嶹津が言うと鳴濱が腕を組みながら聞いてきた。
「さっきからその気になってんだけど、追われてるというのは?」
「どうせ、それも嘘なんだろ。」
樋田が言うと近添が口を開けた。
「いつまで、お前引き摺ってんだよ。」
「あ?うるせーよ」
樋田が言うと近添は机に腰かけながら口を開けた。
「いや、お前。まだ新教(新隊員教育隊)の頃引きずってんだろ?」
「なんかあったっけか?」
鳴濱が聞くと近添は軽く笑いながら頷いた。
「ほら、夢丸?と耀阪か。それと嶹津の3人がよくやらかして、毎回、樋田の野郎、班長にブチ切られてたろ?笑 」
「あー。あったな。日後の行いがどうとかって俺も流石にあいつはどうかと思ったけどな」
「それを引き摺ってんだよ。こいつ。現にそのせいで成績も下がってたしな。職種希望通ってなかったもんな。成績だけで見たら、1位狙える位置にいたもんな。」
「決めつけて自分の非は認めない組織なんだよ。警衛隊ってのは。そんな汚ねー組織にいる時点でそいつも汚染されてる。だから俺はそいつらを軽蔑する。それだけだ。」
そう言いながら樋田は嶹津のそばまでやってきた。
「鳴濱、今ここで決めろよ。嶹津をどうするか」
「嶹津をどうするか?」
鳴濱が聞くと樋田は答えた。
「こいつが公安からの刺客じゃねーって証拠は無い。でもこいつは公安所属の人間だ。こいつをこのまま俺たちのもとで働かせるか。それか追い出すか。いや、アジトがバレてるんだ。生きて帰す訳には行かねーよな」
そう怒鳴ると樋田は拳銃を構えた。
「おい、」
近添が言うと樋田は嶹津を近くのソファーに押し倒した。
「な?鳴濱さっさと決めろよ。こいつをどうすっか。」
「俺はもう決まってるよ。こいつは警衛隊には帰さない。このまま働かせるって」
鳴濱が言うと樋田は鳴濱を睨みつけた。
「あ?決まってる?だと?」
「うん。彼は同期であり仲間だ。苦楽を共にしてきた。特に近添と俺は元々、樋田は職種配置後、配置転換を希望して、みんな守衛で一緒になったろ?俺と近添と嶹津と夢丸と耀阪、そして樋田だ。だから仲間を見捨てるとか殺すとか俺にはそんなのできねーし。俺はこのまま嶹津をここに残す。」
「そうか。なら好きにしろよ。」
そう言うと樋田は軽くネクタイを緩めた。
「これから女の子迎えに行ってくるから、俺出るし。また夜な」
そう言い残し樋田は、足早に部屋から出て行った。
「あいつ、店の娘の送迎、自分からやりたがるよな。変わった野郎だろ?笑」
近添が言うと嶹津は軽く笑った。
「よし、ならこれから説明するとするか。ここからはビジネスについてだ」
そう言うと鳴濱は嶹津をソファーに座らせた。
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