ULTIMATE〜season13 (2053) 国防最前線

壱暉

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ULTIMATE〜国防最前線

ULTIMATE〜国防最前線第1話

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ペガサス制圧作戦から半年が経ち、望月ら準隊員らの正隊員への昇格試験も近づいてきた。
そんな中、長内貴也 初代国家保安庁長官から長官を引き継いだ岸田正龍(2代目国家保安庁長官)の考案により国家保安庁は準隊員教育項目に新たな項目を追加した。
゛部隊統率゛だ。
国家保安庁は次世代の部隊統率者を育成すべく準隊員教育項目に部隊統率を追加した。
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主要登場人物一覧
望月輝人(27)…3代目主人公 近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
片倉陵(22)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
河内慶六(24)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
松山和也(22)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
新島雄士(20)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
森田瑛人(19)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
伊山新介(19)…近畿方面隊警備科所属
松浦風雅(34)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班主任
水島慶太(31)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属正隊員
赤木龍一(48)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班班長
三島和志(51)…近畿方面隊長
岸田正龍(39)…国家保安庁2代目長官
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「部隊統率?」
水島から話を聞いた河内が聞いた。
「国家保安庁は部隊統率できる者、何事にも左右されず時には死をも恐れない心構えを持ち合わせている者を求めてるんだってさ」
そう言うと水島は岸田の長官就任記者会見を大見出し記事になっている新聞を机の上に広げた。
その時、赤木が部屋に入ってきた。
「そろそろ後継者を作りたいな。そのためにもいい機会だ。」
そう言うと赤木はソファーに腰掛けた。
「後継者?」
片倉が聞くと赤木は掛けていたサングラスを取った。
「片目を失ってから、体力の消耗が驚くほど進んでな。今年で俺はここを辞める。国防最前線から身を引く事を決めた」
そう言うと赤木はソファーから立ち上がりそのまま自分の席に向かった。
「てことは俺らが正隊員になる頃には、班長の座が空くんかー。」
河内が笑みを見せた。
「単純に考えすぎだろ。少なくとも正隊員になったばかりの野郎に上は班長なんて任せねーだろ」
望月が言うと片倉が頷いた。
「てか、そもそも準隊員教育を卒業すればの話でしょ?笑 河内先輩大丈夫なんすか?」
新島が聞いた。
新島雄士、森田瑛人、伊山新介。この3人は今年から候補生教育を終え近畿方面隊警備科機動第1作戦班に準隊員として配属になった。
「うるせーよ。なれるだろ。国保もまだできたばかりだ。人員不足の現状で除隊させたりさせねーだろ笑笑」
そう言いながら河内はふと後ろを振り向いた。
後ろからは、赤木が強い視線を送っていた。
「あは、はは、はは。多分、正隊員になれる……だろー。簡単では無いと思うけどー」
そう言いながらふたたび後ろを振り向くと赤木の姿は無かった。
望月らが楽しく雑談している中、松山は1人黙々と自分の机で試験問題の様なものを解いていた。
以前、衛生科を希望していた松山だったが、今では総監本部所属のキャリア幹部を目指している。
国家保安庁では、最初からキャリアの採用枠を設ける警察とは違い採用時は、全てノンキャリアのみの採用となっておりそこからキャリア幹部を目指すものは、国家保安庁隊員として、経験を積みながら内部で行われる昇進試験をいくつもクリアしていき幹部になれるという道筋だ。
上を目指そうと一生懸命に勉学に励む者ものもいれば、平均的な頑張りで安定したまま定年を迎えようとする者、国家保安庁の名前を使って外部でイキリ散らす者など数々の人間が実在する。
「松山さん、ずっとあんな調子なんすか?」
伊山が聞くと河内は頷いた。
「あの野郎、キャリア幹部目指してるとかでいつも徹夜で勉強だぜ?体大丈夫なんかなー」
「てか、森田の姿見つからんけど」
片倉が言うと新島はトレーニングルームの方角を指さしながら言った。
「あいつ、筋肉バカなんで、基本ジム暮しですよ笑」
新島の言葉に望月ら先輩準隊員らは笑みを見せた。
その頃
トレーニングルームでは上半身裸でひたすら筋トレに励む森田の姿があった。
「絶対に、同じような事は起こさせない」
かつて、森田は7歳の時、JR大阪駅で起きた無差別殺傷事件で両親を亡くしていた。
 …………JR大阪駅無差別殺傷事件……………
発生日時
2041年8月19日午前11時
詳細
午前11時、突如ガスマスクをつけ迷彩服を着た男が怒号を上げながら近くにいた駅員を切りつけた。駅員を切りつけた事を聞きつけた鉄道警察隊が直ぐに出動。鉄道警察隊に捕まりそうになると犯人は奇声を上げながら服を脱ぎ捨てそのままサバイバルナイフ、銃剣を振り回したまま走り回り、32人の死者90人の重軽傷者を出した。その後駆けつけた地域課警察官をも切りつけた。警察による犯人制圧は事件発生から1時間半後だった。その後、犯人は自殺した。
犯人
30代前半男性 元警衛官 身長188cm 体重95kg
警察官に制圧された直後に隠し持っていたナイフで自分の喉元を刺し自殺。
動機不明
使われた凶器
サバイバルナイフ、銃剣、
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