ULTIMATE〜season8 (2038) INFECTION

壱暉

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ULTIMATE 〜INFECTION

ULTIMATE 〜INFECTION第4話

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主要登場人物一覧
蔵島壱成(19)…2代目主人公 ULTIMATE緊急事案機動処理部隊第1班所属
中島佑紀弥(19)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
松浦風雅(19)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
長内貴也(52)…ULTIMATE中央指令部長
水崎一躍(23)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
柳生敦也(51)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
赤木龍一(33)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊長
室口翔平(42)…ULTIMATE3代目総監
福良啓二(29)…ULTIMATE総監秘書
岸田正龍(25)…警衛局中央監察部首席監察官付き監察官
工藤哲也(45)…警衛局中央監察部首席監察官
 ……………………………………………………………
「これより封鎖区域内における人民救助作戦を実施する。現在時出動」
無線連絡と共にULTIMATE隊員達(第1~第5実動部隊及び緊急事案機動処理部隊)は次々とヘリに乗っていった。
「訓練無しになったなー笑良かった」
松浦が機内で呟いた。
その言葉に室口が反応した。
「おい、何へらへらしてんだ。これから避難誘導作戦をするんだぞ。人命が加わった重要な作戦だ。へらへらするな」
室口の怒号に松浦は頭を下げた。
「西日本方面本部に着陸次第そのままあとから来た救助用ヘリに乗せ随時封鎖区域外へと避難誘導を行う。無駄な動きはするな。ウイルス及び犯罪集団と出くわした場合は射撃を許可する。緊急射殺許可が先程おりた。以上だ」
長内からの指示が終わるとヘリはそのまま離陸し封鎖区域内へと向かった。
西日本方面本部に着くとUL隊員達は次々とヘリから降り列を組んだ。
「現在時1230封鎖区域外への避難民救出作戦を実行する。行くぞ」
室口を先頭にULは西日本方面本部内へと流れ込んで行った。
基地内に着くと既に西日本方面本部の警衛官達が避難民達を1箇所に集めていた。
「あとは頼んだぞ。」
「はい」
片倉は室口にそう言うとそのまま戻って行った。
「西本(西日本方面本部)の人達はどうするんですか?」
中島が聞くと赤木は前を向いたまま答えた。
「今回の区域外救出作戦の対象には入っていない。」
「でも、我々がこの作戦を行っているのはこの区域内が犯罪都市化してるからじゃないんですか?日本国憲法が通じない犯罪都市化してるって。危険だから我々は救出しに来たんじゃないんですか?」
蔵島が言った。
「黙れ、俺たちは与えられた命令だけに忠実に従い避難誘導を行う。それ以上でもそれ以下でもない。」
「身内を見捨てろと?今の西本は機能を失いつつあるんじゃないんですか?我々がここで見捨てたら…」
「黙れー。そんな綺麗事だけで動けるほど俺らは暇じゃねーんだよ」
柳生が蔵島の胸ぐらを掴んだ。
「やめろ、柳生」
赤木はすぐに柳生を取り押さえた。
「とにかくお前らはさっさと与えられた命令だけを行ってこい。」
赤木は柳生を取り押さえながら言った。
「行くぞ」
中島に言われ蔵島は走り出した。
「助けたいのはわかるけど救出用ヘリも限りがある。今回は民間人のみの救出しかできないだろう」
中島が言った。
「……………」
「とにかく区域外救出作戦を遂行するまでだ。行くぞ」
中島に言われ蔵島は再び走り出した。
1時間後
次々と着陸してきた救助用大型ヘリに次々と避難民達が乗っていった。
「慌てずゆっくりとお進みください」
警衛局航空隊員らは拡声器を使いながら呼びかけた。
「どうぞーお進み下さい」
中島は誘導棒を振りながら声を出した。
「これ終わったらすぐに寝よ。眠すぎだろ」
松浦は欠伸を我慢しながら棒を振り続けた。
「そうだな。それより蔵島どこに行ったか知らねーか?」
「あ?あいつがどうかしたのか?」
「さっきまで一緒に居たんだが今見たら居なくてよ」
「また勝手な行動でもしてんだろ」
「ちょっと俺探してくるわ。ここ任せた」
そう言うと中島は松浦に誘導棒を渡しそのまま走り出した。
「お、おい」
急に誘導棒を渡され松浦の頭の中は?でいっぱいだった。
しばらく走っていると何やら遠くの方で2人の人影を見つけた。
中島はゆっくりと人影に近づいた。
そこには蔵島と西日本方面本部長の片倉がいた。そして彼らの前に広がっていた柵の向こう側にはウイルス達が群がっていた。
「片倉さん、ちょっと待ってください」
「俺の事はもういい。さっき岸田に連絡を入れた。お前の望み通りここの警衛官は全員封鎖区域外へと救出されるだろう」
「俺は片倉さんも救いたいんです。なんであなただけ犠牲になろうと?」
「俺はここの西日本方面本部の1番上だ。西日本地域いやこの封鎖区域内の防衛を任されている者達の中の1番上に君臨する。俺が責任をもってこのウイルス達を排除する」
「片倉さん、あなたには高校2年生の息子さんがいるんですよね?家族を置いて死のうとしているんですよ。」
「俺が死んだらこれを家族に渡してくれないか。反抗期真っ只中の息子と愛する妻に向けた手紙だ。住所は手紙の裏に書いてある」
そう言うと片倉は手紙の入った封筒を蔵島に渡した。その目には微かながら涙があった。
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