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ULTIMATE〜INHERIT J.D.F

ULTIMATE〜INHERIT J.D.F第11話

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主要登場人物一覧
来宮遼介(34)…5代目主人公 革命軍所属 将補
中澤智康(44)…革命軍所属 隊将
笹倉大志(34)…警衛庁参謀部所属1等幹士
片岡優真(34)…革命軍最高司令役補佐  将補
海藤辰之(34)…警衛庁警務隊管理官 1等幹士
内海岳大(44)…革命軍最高司令役  隊将
保瀬将司(46)…警衛庁幕僚護衛隊参謀長 隊将
(元警視庁警備部警護課第4係長 警視)
中将一郎(47)…警衛庁市ヶ谷駐屯地司令 隊将
原快真(47)…警衛庁警備科第1指令本隊管理官 将補 
梶唯我(47)…警衛庁市ヶ谷駐屯地副司令 将補
緋鷺徹哉(36)…警衛庁幕僚官房室理事官 隊将(元関東管区警察局総務監察部所属)
中堂純一(48)…警衛庁2代目幕僚総監(元警察庁長官官房総括審議官)
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
…………………………………………………………………
午前0時30分
市ヶ谷駐屯地を包囲していた警務隊員の1人がトイレをしようと市ヶ谷駐屯地付近に設置された仮設トイレに向かおうとした時、突然放たれた実弾がその警務隊員の頭部付近に命中するという事件が起きた。男を撃った真意は不明であった。
死亡した隊員は海藤の側近的な立場でもあり警務隊内ではそれなりの地位を築いていており、海藤にとって彼は警務隊内で1番の信頼を得ていた人間だった。
男の死亡を聞き海藤はすぐに犯人の突き止め任務をめいじた。
「おい、落ち着けって、威嚇射撃とかが当たっただとかだろ?まだ俺ら制圧部隊に反抗的な行動は見受けられてない。冷静になれって」
笹倉が言うと海藤は涙を脱ぐいながら男が撃たれた現場へと向かった。
頭から血を流し倒れている男に海藤は手を合わせた。
「頭部に1発、胸部に1発。これでも威嚇射撃と言えるか?」
海藤が聞くと笹倉は倒れている男に目をやった。
「犯人捜索はいつでも出来んだろ?今の任務は片岡らを助けることが先だろ?」
笹倉の言葉に周囲にいた警務隊員が笹倉に一斉に目をやった。
「あ、た、倒すのが先だろ?何熱くなってんだよ」
笹倉が怒鳴ると海藤は拳銃を構えた。
「駐屯地に潜入しよう。把握防止のため、少人数で実施しよう。」
海藤が言うと周囲にいた警務隊員らは無線で駐屯地前に待機していた隊員らに無線を送った。
「待てって。来宮と片岡はどうすんだ?同期だろ?」
「同期だから何だ?これで奴ら(革命軍)は立派な殺人犯だ。速やかに制圧を行う」
そう言うと海藤はそのまま駐屯地前に設置していたL1へと向かった。
それを見た笹倉は咄嗟に市ヶ谷駐屯地の裏口へとむかった。
裏口には見張り役の革命軍メンバーが数名立っていた。
「参謀部の笹倉だ。片岡に話がある。出してくれ」
そう言うと笹倉は所持していた拳銃を静かにその場に置き手を挙げた。
「片岡さんと?」
男に聞かれ笹倉は頷いた。
「階級は?」
「1等幹士だ。」
「今、連絡する。この場で待機してろ」
「わかった」
男に言われ笹倉は手を挙げたまま立ち尽くした。
「あ?笹倉が?わかった。すぐに向かう。」
連絡を受けた片岡はすぐに裏口へと向かった。
裏口に着くと男たちは片岡に一礼してきた。
「ご苦労。」
そう言うと片岡は笹倉に目をやった。
「なんだ?」
「久しぶりだな。」
「要件は?」
「俺を革命軍に入れて欲しい。だが極秘にな。制圧部隊側の情報は全てそちら側に入れる。」
「何を言ってんだ?そんな簡単にはい、そうですか。という訳には行かんだろ?」
「まぁーそうだよな。」
「海藤と一緒にいんだろ?もう俺は何も思ってねーよ。お前らとはガチンコでやるつもりだ。同期だからって容赦しねーからな。」
そう言うと片岡はそのまま駐屯地の中へと戻って行った。
その頃
藤ヶ谷は負傷していた来宮を連れ近くの病院に来ていた。
「早く治療してくれ。頼む」
そう叫ぶと藤ヶ谷は小銃を下ろし息をついた。
「……………」
いきなりの出来事に看護師は唖然としていた。
その時だった、病院に赤色灯をつけた車両が入ってくるのが目に見えた。
「やべーっすよ。ポリがまた。」
藤ヶ谷が言うと来宮は藤ヶ谷の肩を軽く叩いた。
「お前はもう逃げろ。」
「何言ってんすか。」
「逃げれるわけないじゃないすか」
「とにかく行きましょう。警察が来てるんで」
そう言うと藤ヶ谷は小銃を背負い立ち上がった。
その時だった病院に一人の男が侵入してきた。
男は静かに来宮に目をやると銃を構えた。
「同期として警告する。銃を下ろして投降してくれ。」
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