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ULTIMATE〜国防最前線

ULTIMATE 〜国防最前線 第1話

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あれから10年が経った。
準隊員教育を終えた望月らは希望の職種にそれぞれ移り、それぞれの部隊の専用の任務についている。
河内、片倉、森田は、体力を買われ総監本部特殊科陸上特警隊に所属となった。
伊山と新島は、そのまま機動第1作戦班に正隊員として残ることになった。
松山は、準隊員教育を終えた後、頭脳を買われ防衛省に異動となり防衛省にある統合幕僚監部(防衛出動や治安出動、災害派遣、国際平和協力活動をはじめとする国家保安庁各部隊行動等に際し、統一的な計画を立案し、その運用をつかさどる組織)に所属となった。
望月は、総監本部幕僚監部(元首席監察部)に異動となり、日々、国家保安庁内部の統制に力を入れていた。
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主要登場人物一覧
望月輝人(37)…3代目主人公 国家保安庁幕僚監部所属
片倉陵(32)…国家保安庁総監本部特殊科陸上特警隊所属
河内慶六(34)…国家保安庁総監本部特殊科陸上特警隊所属
松山和也(32)…防衛省統合幕僚監部所属
新島雄士(30)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班主任
森田瑛人(29)…国家保安庁総監本部特殊科陸上特警隊所属
伊山新介(29)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属 正隊員
水島慶太(41)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班副班長
吉良晃二(50)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班班長
岸田正龍(49)…国家保安庁2代目長官
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「よし、準備はいいか?」
幕僚長(幕僚監部の最高指揮官)の吉井が声を荒らげながら言った。
「望月、緊張してんの?笑笑」
幕僚監部所属の1人の男が望月に声をかけた。
「いや、今回のは緊張するでしょ笑なんせ、処分を下す相手は、あの人でしょ?」
「まーそうだな。さっさとやるぞ」
「はい」
数分後
総勢60名の幕僚監部員らは、長官室に集まった。
「よし、行くぞ」
吉井は部屋のドアを3回ノックしそのままドアを開けた。
「幕僚監部です。岸田長官、貴方に不正な金品授受の疑いで除隊強制勧告を出しに来ました。」
「は?な、何を言ってる?冗談だろ?」
「我々は去年から極秘に調査を進めてきました。天下り先の企業から不正に金品の授受を受けていましたね?総額20億」
「証拠はあるのか?」
「証拠ならここに」
そう言うと吉井は岸田の裏口座の写真を見せた。
「架空の人物名義で作られたこの口座にいくつもの企業から数百万単位多いところだと数千万単位の金品を受け取っています。」
「こ、これをどこで?」
「幕僚監部を舐めてもらっちゃ困りますね。裏口座など数分あればすぐに調べれますよ?」
吉井が言うと岸田は椅子から立ち上がった。
「俺にどうしろと?」
「この令状通りあなたには、ここから去ってもらいます。そして記者会見を開き事のすべてを発表します。」
「新しい長官は決まってるのか?規則で長官不在の期間は1週間と決まっている。そんな簡単に長官なんて見つからんだろ?」
「岸田、久しぶりだな」
「あ、赤木さん?なんで?」
「臨時として元国保隊員の赤木龍一氏を新たな長官として幕僚監部は考えてます」
「だ、だが長官になれるのは現役の国保隊員でなければならないぞ?赤木さんはもうすでに引退してるだろ?」
「10年前、首席監察部は除隊勧告を赤木氏に提出しました。当初、赤木氏は国保から去りました。しかしその後の首席監察部による再調査の結果、岸田長官を通じて総監本部から赤木氏に規律違反となる勝手な捜査要請が出ていたことが発覚し、赤木氏の処分が撤回されました」
「岸田、お前だったのか。規律違反をしでかしたのは、その規律違反がいつかバレるかもしれない。だから天下り先を探していた。そゆことか」
「赤木を組織から追い出すことで俺は本物のトップに君臨することができる。俺はそう確信した。悪かった。申し訳ない」
そう言うと岸田は辞表をその場に置きそのまま長官室を後にした。
2日後
岸田の長官辞任を国家保安庁幕僚監部が正式に発表した。
これを受けて、3代目長官の座に就いた赤木は同日に就任会見を開いた。

亜連との徹底抗戦!!国防最前線はその先へ

これをスローガンに赤木は新たな国家保安庁を築いていくことを発表した。
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