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ULTIMATE〜国防最前線

ULTIMATE〜国防最前線第5話

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主要登場人物一覧
望月輝人(37)…3代目主人公 国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊長
片倉陵(32)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊主任
河内慶六(34)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員主任
永井大介(30)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員
浦渼祐輝(44)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員
海野崇(25)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員
北海遼(23)…国家保安庁特殊科特例組織機動急襲捜査部隊員
赤木龍一(58)…国家保安庁3代目長官
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「警視庁より各局、発砲未遂事案における事情聴取予定だった男が逃走。各PC及びPMは、男の身柄捜索を開始せよ」
朝から、警視庁は一丸となって男の捜索に当たった。
「そうか。わかった。すぐに向かう」
警察庁から呼び出しを受け赤木は、スーツに着替えた。
その頃
幕僚監部では、警視庁捜査一課から発砲未遂事件の捜査資料が次々と押収していった。
「おい、どういう事だ?なぜ押収する?」
吉井が聞くと1人の捜査員が吉井の前に立ちはだかった。
「捜査に関しては我々の方が上手ですのでご心配なく」
その時、望月が部屋に入ってきた。
「ちょっと待ってくれ。今回の発砲未遂事件、都内連続暴漢殺人事件と関わりがあるかもしれない。」
そう言うと望月は、捜査員らに向かって1枚の紙を突きつけた。
「最後に被害にあった梅野夏海。彼女は、今回、発砲未遂事件を起こした海野の学生時代の恋人だった。今逃げてる発砲未遂事件の被害にあった人が都内連続暴漢殺人事件の犯人だとしたら全て辻褄が合う。」
「バカバカしい。思い込みで発砲未遂を起こしたとも考えれるだろ?」
1人の捜査員が言うと望月から言葉は出なかった。
その時、浦渼が部屋に入ってきた。
「俺が警察という組織が嫌いなのはこういうところだ」
そう言うと浦渼は警視庁と書かれた封筒をその場に投げつけた。
「発砲未遂事件の被害者、つまり海野の上司、中本の父親は警察庁所属のキャリア警官らしいな。父親のつてで警察に入った中本は、暴漢殺人事件を起こし、その事件の真相が暴かれることに焦りを見せた中本の父は、警察から国保に息子を異動させた。海野は、恋人を失ってからずっと1人で捜査をしてたらしいぜ。それで突き止めたんだよ。自分の恋人を殺したのは自分の上司だって。警察ってのは、罪を犯した人を判断して逮捕するのか?罪を犯した者は皆逮捕しなければならないじゃないのか?警察ってのは真相を闇に葬ってもいいのか?」
浦渼が言うと捜査員らは目を合わせた。
「浦渼、その話どっから拾ってきた?」
「俺もな、やる時はやるんだよ。警察にいる時は何かと拘束されてたからな。自由に捜査が出来なかった。だが今の俺は国家保安庁所属の人間だ。国家保安庁に捜査権は無い。だから捜査に関する
捜査一課の刑事らは浦渼を睨みつけながら部屋から出て行った。
「浦渼、すごいな。なんかキャラ違ったけど笑笑」
河内が言うと浦渼は笑いながら投げつけた封筒を拾った。
「犯罪に必ず証拠はついてくる。消すことなんて不可能。警察学校で俺はそう教わりました。8年間、事件を捜査していく中で、不自然に映像が消されていた監視カメラがありまして、そこから詳しく調べていったら、中本の姿がしっかりと写ってました。」
浦渼が言うと河内は拍手した。
「いや、すごい。すごいよ。」
その後
警ら中の警察官によって中本は拘束されそのまま警視庁本部に身柄が送られた。
取り調べでは、当初黙秘していた中本だったが、証拠を突き止めていく中で都内連続暴漢殺人についての供述を始めた。
そして中本は、警視庁にて強制わいせつ及び殺人の疑いで緊急逮捕された。
警察は当初、発砲未遂の罪で海野に対して逮捕状を請求していたが、赤木は警察に対して暴漢殺人事件の真実をそして事件に対する警察の姿勢をマスコミに発表すると警察上層部を脅した。
すると警察上層部は海野への逮捕を取りやめる事を決めた。
その後、赤木は海野に2週間の謹慎処分を言い渡した。
そして2週間後
長官室に3人の男がいた。
「頼んだぞ。こいつの事。」
赤木に言われ望月は頭を下げた。
「勝手に決めやがって。」
海野は、煙草を咥えながら赤木を睨みつけていた。
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