ULTIMATE〜season5(2037)INFECTION

壱暉

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ULTIMATE〜INFECTION

ULTIMATE〜INFECTION第6話

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主要登場人物一覧
蔵島壱成(18) …2代目主人公 警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
竹島龍聖(18)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属(自殺)
中島佑紀弥(18)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
藤森俊哉(18)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
室口翔平(41)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース担当教官
西崎保法(38)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース担当教官
北家徳仁(59)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部部長
 ……………………………………………………………
竹島の自殺から1ヶ月が経った。
気づけば室口は姿を現さず西崎がULコースを仕切っていた。
そんなある日、中央監察部は大阪地方方面本部内で相次ぐいじめ、パワハラを問題視し、ULコース唯一の担当教官だった西崎に対して警衛局への出頭命令を出した。
これにより大阪地方方面本部ULコースの担当教官は0人となった。
北家はそんなULコースに対して一般コースの教官をULコースに派遣する事にした。
派遣された一般コース担当の教官二蔵は、ULコースのカリキュラムを全て一般コースと同様にした。
二蔵にとって対人制圧を中心にカリキュラムを行っている一般コースの方が重要だと考えたのだ。
これに反発したのはULコースの候補生達であった。
「お前ら、今日から一般と同じ授業を受けてもらう。ULコースなんぞもうすぐで廃止になるだろうな笑笑」
そう言うと二蔵は笑いながらULコース派遣初日を終えた。
「俺、一般と同じ授業とか嫌だぜ」
食堂で昼食を取りながら藤森が言った。
「今度の休みに外出届け出して警衛局に行ってみねーか?」
中島の提案に藤森は箸を置いた。
「は?どういう事だ」
「いや、だから警衛局に行ってULTIMATEの上の人と話して室口さんをもどすんだよ」
「そんな事出来んのか?」
「やってみるしかねーだろ?このまま一般の教官に馬鹿にされながら授業受けたくねーし」
「そーだな。行ってみるか」
「蔵島も行くよな?」
藤森が聞いた。
「すまん。聞いてなかった。まー別に暇だし行ってやるよ」
1週間後
蔵島、中島、藤森は、二蔵に外出届けを出し学校の外に出た。
電車を乗り継ぎ、何とか警衛局に辿り着いた。
警衛局に入った瞬間、今までとは違う雰囲気が漂っていた。
エリートが集うようなきびきびとした雰囲気だった。
「おい、さっさと行くぞ。届け出には今日の夜に帰ってくる事になってる。」
蔵島が言うと藤森達も急いで蔵島について行った。
「すいません」
蔵島は受付嬢に声をかけた。
「はい。ご要件は?」
「俺ら教育隊大阪地方方面本部の者なんですけど、ULTIMATEの上の人と話せたりしますか?」
「ULTIMATEは、そういった呼び出しなどに一切対応しておりません」
「えっ。あっそうですか。えっと」
蔵島が戸惑っていると後ろにいた藤森が蔵島をどかし、前に出た。
「いいから、早く出せや」
「いえ、ですからそういった事はできません」
「おい、口悪すぎるだろ。どけって」
中島は藤森をどかし前に出た。
「おねーさん、お願いだよー。会わせて」
「いえ、ですから」
「何でだよ」
机を叩いた中島を見て藤森は中島の頭を思いっきり叩いた。
「俺と変わりねーじゃん」
「そうだった笑」
その時偶然、赤木の姿が目に入った。
「赤木さん、覚えてますか?俺らのこと」
藤森が叫んだ。
「あ?お前らは確か教育隊の野郎か」
そう言いながら赤木はゆっくりと近づいてきた。
「はい。そうです」
「何の用だ?遥々大阪から来るとは」
「室口さんにもう一度教育隊に戻ってくるように説得できませんか?」
藤森が聞くと赤木はため息をついた。
「あの野郎の事ならもう忘れろ」
「えっどうしてですか?」
中島が聞くと赤木は3人を連れ近くのソファーに座らせた。
「あいつなら辞めた」
「辞めた?」
蔵島が聞くと赤木は周囲を見渡しながら再び口を開けた。
「室口は、警衛官を辞めた。1週間前、室口は、長内に…いや総監に除隊届を出しULTIMATEを除隊となった。そしてそのままあいつは中央監察部に退職願いを出した」
「そんな…」
中島が呟いた。
「何、お前らなぜそんなに室口にこだわる?」
赤木に聞かれ中島はこれまでの経緯を話した。
「あーそゆことか。ULコースの危機ってか?なら俺に任せろ」
「どうゆう事ですか?」
中島が聞いた。
「今日の夜に1人派遣する。UL中央指令部の奴をな。楽しみにしておけ」
そう言うと赤木はその場から去っていった。
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