ULTIMATE〜season22(2103)INHERIT J.D.F

壱暉

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ULTIMATE〜INHERIT J.D.F

ULTIMATE〜INHERIT J.D.F第15話

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主要登場人物一覧
来宮遼介(26)…5代目主人公 幹部候補生教育大隊29期卒隊 西部教育隊教務部学生指導課配属
笹倉大志(26)…幹部候補生教育大隊29期卒隊 西部教育隊教務部学生指導課配属
片岡優真(26)…幹部候補生教育大隊29期卒隊 警衛庁公安科国家危機管理対策部隊配属
滝藤誠弥(55) …警衛隊初代幕僚総監
盛坂辰馬(33) …西部教育隊教務部学生指導課長
…………………………………………………………………
「何だ今の、銃声か?」
教官らが銃声に気を取られる中、学生らは対ゲリラ戦の最終ステージまで来ていた。
「どうします?1度試験止めますか?」
「いや続けよう。時間が無い。」
「わかりました」
そのころ
林の中では来宮と笹倉が学生らを背後に男を牽制し続けていた。
「笹倉、学生は任せたぞ。俺はこいつと対峙する」
「お前マジで言ってんのか?」
「まじだ。」
「いや銃どころか武器何も持ってねーだろ。」
「幹部候補時代に対人制圧柔術習ったろ?それでいけるはずだ」
「いやいや、あれはあくまで訓練だろ。それに実戦経験の無い俺らが武装した奴に勝てるわけねーしよ」
「大丈夫だ。」
そう言うと来宮は近くにあった砂利を掴んだ。
「早く行け」
来宮が言うと笹倉は学生ら2人と共に林から抜け出した。
次の瞬間、来宮は男に向かって砂利を投げつけそのまま近くの木に隠れた。
急に飛んできた砂利に驚いた男は銃を発砲した。
「どうやって距離詰めれば」
そう呟きながら来宮は男を睨みつけた。
その時だった男が少しずつ接近してきてるのが目に入った。
「よし、やるか」
そう呟くと来宮はそのまま木によじ登った。
それを見て男は来宮に向け数発発砲した。
「よし」
次の瞬間、来宮は男に目掛けて飛び降りた。
男はすぐにそれを見るなり銃口を向けた。
男の前に落ちた来宮はそのまま男の足に抱きつくとそのまま勢いよく、ほふく前進の体勢で前進した。
男は体勢を崩したが粘り強く抵抗し続けた。
「うっ」
男に蹴り飛ばされ来宮は近くの木に体を殴打した。
男はすかさず倒れた来宮の胸ぐらをつかみ立たせると、みぞおちを数回殴った。
「幹部候補舐めんなや」
そう呟くと来宮はそのまま男を力強く抱きしめその場に倒れた。
男は無言で覆い被さる来宮の後頭部を銃で殴り続けた。
頭から流血していることも知らず来宮は男の首を絞め続けた。
その時だった後ろからもう1人の男に蹴り飛ばされた。
来宮はそのまま崩れ落ちるようにして林の下へ下へと落ちていった。
落ちていく来宮を見て1人の男がそのまま追いかけてきた。
来宮はすぐに立ち上がると男の顔面に目掛けて落ちていた材木を投げつけた。
材木を顔面に受け倒れた男に来宮は胸ぐらをつかみ男を立たせると上段蹴りを入れた。
上段蹴りを頭に受けた男はそのまま近くの木に頭を強くぶつけ気絶した。
「次はお前だ」
そう叫ぶと来宮はふらつきながらも登り始めた。
そして元の位置まで戻ると来宮は勢いよく男に襲いかかった。
男はすぐに銃をその場に捨てナイフを構えた。
来宮は男が振り回し続けるナイフを交わしながら男の隙を見つけ横腹に目掛けて飛び蹴りを入れた。
来宮はすぐに倒れた男に馬乗りの姿勢を取ると被っていたガスマスクを取り顔を覗き込んだ。
「お前……」
片岡から見せられた写真の男だとすぐに気づき来宮は声を出した。
男はすぐに来宮の足元にナイフを刺すとそのまま来宮を蹴り倒した。
出血を止めつつ足を抑えながら来宮は男を見上げた。
「顔見られた以上生きて返す訳にはいかねーな。」
そう叫ぶと男はそのまま来宮の顔に銃口を向けた。
「じゃあな」
そう言うと男はそのまま発砲した。
「試験停止。総員保護」
発砲音を聞くなり教官らは林に目をやった。
「やっぱり発砲音だな。この林は何も無いはずだ。」
1人の教官が呟いた。
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