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雪だるま破壊事件の共通点
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雪だるま破壊事件について、進展がなく何気ない毎日が過ぎていった。もうすぐ雪が降る季節も終わる。そうなれば、犯人は犯行をやめてしまう。そんなある日だった。東雲さんから「話がある」と言われたのは。
話といえば雪だるま破壊事件についてに違いない。「独自で調査を進めるね」と言っていたから。せっかくなら僕も誘ってくれても良かったのに。
「それで、話しって?」
「実はね、壊された雪だるまの共通点を見つけたの。どの雪だるまも鼻としてニンジンを使っていたの」
「今時雪だるまの鼻にニンジンを使うなんて珍しいね。まさか……」
「そのまさかよ。ニンジンを鼻に使った雪だるまを校庭に作るの。そうすれば、犯人がやって来るでしょ?」
僕たちはせっせと校庭で雪だるまを作る。ただ単に作るだけじゃあつまらないなと思い、雪玉を一つ作ると「えい」と東雲さんに投げる。もちろんふんわりと弧を描くようにして。雪玉は優しく東雲さんの服に当たる。
東雲さんは一瞬事態が把握できなかったらしいが、すぐに僕の仕業だと気づくと、雪玉を投げ返して来た。その雪玉は見事なストレートで「すごいなぁ」と感心していると、僕の顔を直撃した。思わず後ろに倒れ込む。
「ごめん!」
そう言って東雲さんは近づいて来ると僕の手を取って立ち上がるのを手伝ってくれた。
「思わず本気で投げちゃった」
てへ、と舌を出して微笑んでくる。まさか、東雲さんにこれほどの運動神経があるとは思っていなかった。分析が得意なだけじゃなくて、運動もできる。意外な一面を見た気がした。
その後、雪だるまを作り上げると、鼻の代わりにニンジンを差し込む。本当にこれで犯人は現れるのだろうか。「ひとまず、張り込みね」と東雲さんが言うと、僕たちは校舎の壁に身を潜めた。
ところが、問題が起きた。僕と東雲さんの距離が近いのだ。彼女の吐息が白いのがよく分かるほどに。これでは張り込みどころではない。
「真くん、どうかしたの?」
「いや、なんでもないよ。あ、あれ! 誰かが雪だるまに近づいてる!」
雪だるまの近くではキョロキョロと辺りを見渡す不審な人物がいた。「よし、現行犯逮捕だ」と僕が飛び出そうとすると「犯人が雪だるまの頭を壊すのを待つの」と東雲さんは冷静だった。
その怪しげな人物はニンジンを手に取ると、雪だるまの頭を壊し始めた。左手に持ったバットで。
「そこまでよ」
東雲さんの声に振り返った犯人は片岡くんだった。
話といえば雪だるま破壊事件についてに違いない。「独自で調査を進めるね」と言っていたから。せっかくなら僕も誘ってくれても良かったのに。
「それで、話しって?」
「実はね、壊された雪だるまの共通点を見つけたの。どの雪だるまも鼻としてニンジンを使っていたの」
「今時雪だるまの鼻にニンジンを使うなんて珍しいね。まさか……」
「そのまさかよ。ニンジンを鼻に使った雪だるまを校庭に作るの。そうすれば、犯人がやって来るでしょ?」
僕たちはせっせと校庭で雪だるまを作る。ただ単に作るだけじゃあつまらないなと思い、雪玉を一つ作ると「えい」と東雲さんに投げる。もちろんふんわりと弧を描くようにして。雪玉は優しく東雲さんの服に当たる。
東雲さんは一瞬事態が把握できなかったらしいが、すぐに僕の仕業だと気づくと、雪玉を投げ返して来た。その雪玉は見事なストレートで「すごいなぁ」と感心していると、僕の顔を直撃した。思わず後ろに倒れ込む。
「ごめん!」
そう言って東雲さんは近づいて来ると僕の手を取って立ち上がるのを手伝ってくれた。
「思わず本気で投げちゃった」
てへ、と舌を出して微笑んでくる。まさか、東雲さんにこれほどの運動神経があるとは思っていなかった。分析が得意なだけじゃなくて、運動もできる。意外な一面を見た気がした。
その後、雪だるまを作り上げると、鼻の代わりにニンジンを差し込む。本当にこれで犯人は現れるのだろうか。「ひとまず、張り込みね」と東雲さんが言うと、僕たちは校舎の壁に身を潜めた。
ところが、問題が起きた。僕と東雲さんの距離が近いのだ。彼女の吐息が白いのがよく分かるほどに。これでは張り込みどころではない。
「真くん、どうかしたの?」
「いや、なんでもないよ。あ、あれ! 誰かが雪だるまに近づいてる!」
雪だるまの近くではキョロキョロと辺りを見渡す不審な人物がいた。「よし、現行犯逮捕だ」と僕が飛び出そうとすると「犯人が雪だるまの頭を壊すのを待つの」と東雲さんは冷静だった。
その怪しげな人物はニンジンを手に取ると、雪だるまの頭を壊し始めた。左手に持ったバットで。
「そこまでよ」
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