夫の愛が強すぎて困ってます 〜絶倫阻止魔法をかけたら、なぜか私が早漏に!?〜

たかなみ

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夫の愛が強すぎて困ってます 〜絶倫阻止魔法をかけたら、なぜか私が早漏に!?〜

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 激しく肌がぶつかり合う音と、卑猥な水音が絶え間なく鳴り響く。
 自分のものじゃないような嬌声が喉からあふれて止まらない。
 上半身を力なくシーツに投げ出して、下半身は尻を差し出すような体勢で揺さぶられる。
 かれこれ何時間、こうして抱かれているだろう。
 汚い喘ぎ声を恥ずかしがる余裕さえもう残っていないぐらい、愛が強すぎる夫からの愛撫を受け入れ続けていた。

  
「あ"っ、……あ、ンっ! もう、やめ……ッ」
「こら。ルナリア、逃げるな」
「アッ! い、やぁ……ッ。お許しください、テオ様……」
「〝様〟はいらないと言っているだろう。テオと呼んでくれ」
「あ"ぁあ"っ」
 

 一番奥に、昂った先端を埋め込まれる。
 腹の中でほとばしる熱を感じて、ルナリアは一層高く鳴いた。
 中に出されている時は律動が止まる。そのひと時だけが唯一の休憩時間だ。
 目に涙を浮かべながら、意識が飛びそうになるのを必死になって堪えた。


(ああ……、気持ちいい……けど、これ以上はもう、だめ……っ)
 

 テオの熱塊は、自身の中で未だに質量を保っている。
 彼はルナリアの両腕を掴んで一気に持ち上げた。上体がシーツから離れて、驚く暇もなく後ろから唇を食まれる。


「う、んン……ッ」
「ルナリア、愛している」


 テオから伝えられる愛の言葉は、嫁いでから1年が経っても未だににわかに信じられずにいる。
 うっすらと目を開けると、炎よりも赤い瞳がこちらを覗き込んでいた。きゅっと目を細めて、不敵な笑みを浮かべている。
 その笑顔の意味を知っていたルナリアは、抱き締めてきた腕を拒むこともせず、ただ身体をテオに預ける。
 これから訪れるであろう快楽地獄に、出したくもない涙が勝手に流れた。
 拒否されないとわかったのか、テオはルナリアの身体をひっくり返し、上機嫌で覆いかぶさった。
 

「もうじき夜が明けそうな雰囲気だが……まだ君を離したくないな」


 普通の淑女であれば心ときめかされる言葉だろう。
 しかしルナリアには聞かない。わなわなと身体を震わせ、気付かれないように拳を握るふりをしてシーツを力任せに握り締めた。
 声に出す訳にはいかないので、心の中で盛大に息を吸う。
 
(この……っ、体力お化け男が――――ッ)
 


 ***

 

 ルナリア・エスティールには悩みがあった。
 夫のテオ・アルンヘルムが〝絶倫〟であるのが原因だ。
 

(生贄のように嫁がされて、この仕打ちはあんまりよね……あんまりだわ)


 隣ですやすやと良い顔で寝ているのは、シャルド帝国第二皇子、テオ・アルンヘルム。
 そしてルナリア・エスティールはそのシャルド帝国の隣国である、グリアニア王国の第二王女だった。
 両国は大陸からたった30キロほどしか離れていない海洋国家・帝国の島国だ。
 
 昨今の情勢として、大陸間のあちこちで領地拡大のための戦争が激化している。そのため、同じ島で生きる自分たちは、せめてお互いを攻撃しないでいようと約束を取り付け、その政治同盟の証としてルナリアがテオの元へ嫁いだ経緯がある。
 国の安定と国防の維持を図るためとはいえ、政略結婚で愛はないうえに、グリタニア王国はシャルド帝国に頭を下げる形で不可侵条約を締結している。というのも、大陸に近い国がシャルド帝国であり、彼らが裏切って大陸側と手を組まれれば最後、逃げ場のないグリタニア王国は詰んだも同然になる。陥落するのに1日もいらないだろう。

 そういうわけで、ルナリアに拒否権は持たせてもらえなかったのである。
 第二皇子のテオは既に帝位継承権を放棄しており、帝国軍人として生きている美男子だった。ツヤの美しい黒髪に、炎よりも赤い瞳。笑うと頬にえくぼがうっすらと見える無邪気な人。
 惹かれなかったわけじゃないし、彼も素性も知らぬ自分を受け入れてくれようと必死になって取り繕ってくれた。そんな優しさに一日で絆されて、一日で大きな不安を抱いたのである。
 初夜を迎えて、ルナリアはテオという人物を知った。


(あの日も3回はヤって、私が泣き出してから解放されたっけ……)


 今やもう通用しない手法である。3回で終わったあの日が恋しい。
 別にテオとの行為自体が嫌というわけじゃない。痛いわけじゃないし、お互いに避妊魔法をかけているから妊娠の心配もない。
 ただ、長く続く激しい情熱に耐えられないだけなのだ。


(感度があまりよくない体質なのか、私が果てる回数が少ないのが救いね)

 
 あの営みの数でしょっちゅう達しているようじゃ身が持たない。どころか、本当に頭がバカになってしまうかもしれない。それがないだけまだマシだろう。
 ならばなぜ悩むのかというと、達しはしないが、気持ち良すぎるのが大問題だからである。
 快感が膨らんで弾けるような気持ちよさよりも、腰がじわじわと疼くような気持ち良さが永遠に続いて、それがもどかしくもあり、苦しい要因となっている。
 なんとかなる方法を知ってはいるが、拒否権を持てないルナリアがそれを行使するのは躊躇われた。
 毎夜抱きつぶされるたびに、頭を過らないわけではない。あやうく喉元まで出かかったこともある。それでも黙り続けていたが、もう心も身体も限界に近かった。


「ん、起きたのかい、ルナリア」
「あっ、ちょっと、テオ様」


 ベッドの上で動けず天板を睨みつけていたのに、ぐいっと引き寄せられて豊満な胸がテオの胸筋を圧迫した。
 柔いそれを揉みしだかれ、眉を寄せる。
――まずい。このままじゃスイッチが入ってしまう。
 焦って離れようとするものの、軍人の腕力をなめてはいけない。一度抱き締められてしまうと、もう二度とそこから抜け出せないのだ。物理的に。
 またあの気持ちいいのが身体を襲ってくるのか。意識が飛ぶまで離してはもらえないのか。湯浴みもしたいし、未だに太ももを湿らせている中に出されたものをかきだしたい。
 

(ちょっとは休ませてほしい……っ!)
 
 
 既にいきり立った竿をルナリアの敏感な肉芽に押し付けられて、びくりと身体が跳ねた。
 その瞬間、ルナリアの中で躊躇いが消えた。
 
 
(絶倫を阻止してやる――……っ!)
 

 名付けて『絶倫阻止化計画』――発動。
 何度も肉芽を擦って刺激する熱い竿を両手で握りこむ。


「んっ……! なんだ? どうした、ルナリア。積極的なのは初めてじゃないか?」
 

 嬉しそうに微笑んだテオの腰がゆるゆると動いて、ルナリアの手の中の質量はどんどん増していく。
 自分の手が自慰に使われているとわかっていても、今のルナリアには恥じらう気持ちなど微塵もない。
 指を輪の形にし、テオの竿の根元をぎゅっと締めた。そのまま全身の力を使って魔力を送り込む。パァっと青白い光があたりを包み込み、一瞬で消えてなくなった。


「なんだ、今の魔法は――……、あ……?」
 

 テオがガバっと起き上がる。その際に抱いた違和感に、彼は視線を下げて己の一物を確認した。
 根本を締めあげている黒光りのリングを見て、一切の動きを止める。
 ルナリアの魔法が成功した証だった。
 

「な、なんだこれは……?」
「〝射精管理魔法〟です」
「しゃ、しゃせ……なんだって?」
「〝射精管理魔法〟です」


 焦りと戸惑いを滲ませていた顔に、混乱の表情が追加される。
 テオは小さく「しゃせいかんりまほう……」と呟いて、もう一度「なんだそれは!」と叫んだ。
 ルナリアが同じ言葉を発そうとして、テオが両手を突き出してそれを止める。


「わかった。射精管理魔法とやらを俺にかけたのだな。……なんだその魔法は!? 聞いたこともないが!?」
「私の父が伝授してくださったオリジナルの魔法です。テオ様がご存知ないのは当然です。ちなみに、かけた者にしか魔法を解くことはできない仕様になっているそうです」
「な、なぜ、そんな魔法を開発しているんだ……ドウシテ……」

 
 混乱に、ゾッとした表情が上書きされた。
 厳密に言うとお母様が開発された魔法ではあるが、父がこっそりと「何かあった時に使いなさい」と言って知識を渡してくれた、お守りのようなものだった。
 まさか使う日がこようとは。
 

「寝起きで致すのは嫌いだったか? 今までは受け入れてくれていただろう」
「はい、でも、テオ様は今日、非番でいらっしゃいますよね?」
「ああ。だから君を思う存分抱こうと思っていた」


 さも当然だといわんばかりのドヤ顔はやめて欲しい。
 『キリッ』とかいう効果音が聞こえてきそうだ。
 
 
「……素直なのは大変よろしいと思います。でも、いくら私が同盟国としての贄とはいえ、無体を強いられるのには耐えられません……っ」
「無体などと……毎夜愛を囁いているではないか。それに、抱きたいから抱いているのではない。――君だから抱くんだ」
 

 これが純粋な淑女であれば黄色い悲鳴をあげて全裸を差し出しているだろう。
 けれどルナリアにとっては責め苦の誘いにしか聞こえない。
 にじり寄ってくるテオから逃げるように後ずさる。
 背中がヘッドボードにぶつかって、逃げ場をなくしたルナリアは威嚇するようにテオに視線をやった。


「口ではなんとでも言えます……!」
「……そうか。わかった」


 すっと細められる目。怒らせてしまっただろうか。これがきっかけでグリタニア王国とシャルド帝国の不可侵条約がなかったことになったらどうしよう。
 やってしまってからいろんな可能性が頭の中を過っていくが、ルナリアの不安を払拭するように、彼は両手をルナリアのわきに差し込んで抱っこすると、そのまま横抱きにしてベッドから降りた。
 あまりの手つきの良さに呆気に取られたルナリアはただ目を見開くことしかできない。


「へ……?」
「君を愛していると証明するために、一か月の間、君を抱くのは我慢しよう。その代わり――」
「……そ、その代わり……?」
 
 
 ぐっ、と背中に回った腕を持ち上げられて、眼前に迫った美形の唇が自分のそれと重なる。


「君の身体に触れることだけは許してほしい」


 すたすたと歩いて行った先はバスルームだった。
 湯は常に魔法で人肌の温度を維持するようになっている。
 かけ湯と言う概念を無視して、薔薇の花びらが浮かぶ湯へ身体を沈めた。
 じんわりと冷えた身体が芯から温まっていく。
 少しだけ白濁した湯の中で、テオの足の間におさまって大人しく彼の背中に頭を預けた。まだガチガチに硬くなっている熱塊が腰に当たっているのが気にならないわけではないが、リングをはめた形状が記憶されてしまうらしいので、致し方ないといえば致し方ない。
 湯の温かさに幸せを感じていると、突然むに、と腹を撫でられた。びくっと大袈裟に身体が跳ねる。そのままテオの指がぬかるみに指を埋め、浅く抜き差しを始めた。


「っや、テオ様……!?」
「昨日のものをかきだすだけだ。それに、君の身体に触れることは許してほしいと言ったからな」

 
 片手でとろみを外へ出し、片手は胸の頂をくにくにと弄る。
 浅いところをこすっていた指が、次第に奥の方へと埋め込まれ、じっくりねっとりとルナリアの弱いところを責め立てた。
 かきだすというのは建前じゃないか?
 そう思うぐらいの手つきである。


(身体に触れるって、そういうことか……)


 てっきりただのスキンシップ程度かと思っていたが……、このぐらいの程度であれば大丈夫だろう。
 不感症というわけではないけれど、果てにくい体質だ。
 きっとなんてことはない。

――なんてことはないと思っていたのに。


 ***
 
 
 一か月の行為禁止を誓ってから14日目。
 ベッドの上で身もだえるルナリアの唇をキスで塞いだテオから、呼吸の合間に愛を囁かれていた。
 
 
「ルナリア、好きだ、愛してる」
「ア"……ッ、あ、ァっ……ッ? ~~~……ッ!」
「胸で絶頂するのはこれで5回目だな。随分と感度が良くなってきたじゃないか。おめでとう」


 なにが〝おめでとう〟なのだろうか。
 背中側から身を乗り出したテオに、ぢゅう、と、執拗に頂を吸われて舐られ、腰の奥から刺激が這いあがってきて目の前でバチンとはじけた。
 がくがくと身体を痙攣させてのけぞる。
 逆さの体勢で上からもう一度キスが降ってきて、苦しさで呻いた。


「うぐぅ"~~~…ッ」
「はは、ごめん、可愛くてつい虐めてしまう」
「ぷはっ、はっ、はっ……あ、ぃ、いや」


 達する度に呼吸が止まる。酸素不足で頭が痛い。まさか胸だけで達する日がこようとは。
 テオの指がまた頂きをいじり始めて、ルナリアは身を捩った。


(胸でイくの、物足りなくて苦しい……)

 
 自分から射精管理魔法かけた手前、何をどうしてほしいとテオに言うことはできないが、下半身に熱が溜まっていくだけの状況はリナリアにとって苦しくてもどかしいだけだった。
 興奮が冷めなくて困るのだ。ここ最近は下肢に触れられてない。触らせてもくれない。とろりと濡れる割れ目に指をあてがっただけで拘束魔法をかけられ、溜まった熱を放出することを許してくれない。
 身を捩った時に見えた彼の一物は、未だにぎちぎちと硬く張り詰めている。
――ああ、かわいそうに。
 テオのやってることは一種の仕返しに近いのだろう。苦しい思いをさせて、自分と同じような境遇にルナリアを責めている。


(だったら……)


 ルナリアは体勢を変え、肉棒を掴んで躊躇いなく口の中におさめた。わざとらしく音を出しながら頭を上下に動かす。血管をなぞるように舐め上げ、鈴口に舌先をねじ込んでいたぶった。
 舌が蠢くたびに、テオの身体はもどかしく揺れる。


「あっ……う、……ふ、ふっ、……ンンっ」


 彼の小さな喘ぎ声が鼓膜を刺激するたびに、ルナリアの興奮は増していく。
 限界に近いのだろう、ルナリアの頭を掴んで腰の動きを早めたテオが低く呻いた。
 

「あ、あっ、もうだめだ、出る……ッ!」


 当然ながら、出ない。
 出したくても出せない。絶頂を迎えることは許されていない。
 いやらしい音を立てて口からそれを抜き、見せつけるように裏筋に舌を這わせる。
 ルナリアは無意識に口角を上げて目を細めた。
 テオの表情が苦々しいものに変わる。


「くそっ……っ」


 小さく悪態をついて、再び口内で蹂躙されながらルナリアの腕を荒々しく掴む。
 14日もの間、よく我慢できているなと感心を抱かざるを得ない。
 彼の胸筋に手のひらを這わせてゆっくりと力を込める。素直に背中をシーツに預けたテオに跨った。 


「っルナリア……?」


 熱塊に自身の蕾をこすりつける。今まで触ることすら許されていなかったそこは、もうすでにぷくりと皮を押し上げて興奮を主張していた。
 裏筋を雁に引っ掛けるようにして刺激を与える。さすがのテオも、今回ばかりはルナリアに自由を与えてくれるようだ。ぎこちない動きで腰を振り、快感の頂点を目指す。
 

「あンっ……んっ、あ、テオ様、テオ様。これ、気持ちいいです……っ」
「……ッ」
っ、ああっ」
 
 
 テオも気持ちよいのだろうか、眉間にしわをよせて、ルナリアの胸に手を伸ばした。なんどもイって敏感になっているそこをぎゅうとひねる。
 痛くて腰を引いたが、テオはやめるなと言わんばかりに、下から突き上げるような形でルナリアの蕾をこすり上げた。
 テオの呼吸が荒くなっていく。それでも彼は達することはない。
 その事実だけで、ルナリアの心は満足感でいっぱいだった。
 さんざん胸ばかりをいたぶられて下半身には触れられていなかったためか、腰の奥から強い快感が押し寄せて来る。


(あ、あ、だめかも、これ、感じたことないのがくる)


 テオの腰の動きに合わせて、ルナリアも気持ちいいところを押し付けた。
 ぞくんっと悪寒のようなものが走ったかと思えば、じわりと甘い刺激が全身を包み込んで大きく爆ぜた。

 
「あ"ん"ッ……っ、ぉ、……ッ」


 喉をそらして汚い嬌声を漏らしながら、頂点に昇り詰める。
 心地好い余韻を感じながら、ルナリアは満足してテオの上から退こうとした時、彼は「もういいか」と呟いて右手の二本の指をぬかるみにあてがった。
 何がもういいのかと問う前に、彼の指がぐちゅんと音を立てて中に埋め込まれる。


「っああ!?」


 イったばかりのそこを左手の親指でくにくにと弄りながら、右手の指はちょうど膨れた裏側を刺激するように何度も擦ってくる。
 今までとは違う気持ちのよさに、ルナリアの頭の中は混乱していた。

 
(え、なに? なに、なんでこんなにナカが気持ちいいの。ずっと腰がぞくぞくしてる、これだめ)


 ナカでイったことはあったが、擦られる度に全身が戦慄くような快感を得ることは今までなかった。
 いったい何が起きているのか理解できずに、呆気なく追い詰められたルナリアは声も出すことなく身体を大きく震わせる。
 気持ちいい。気持ち良すぎる。癖になりそうな快楽に、ルナリアは〝堕ちた〟と直感で思った。
 指を離されて、がくんと腰が落ちる。優しく抱きしめられて、ほおずりしてきた彼の掠れた声が鼓膜を刺激した。


「愛してるよ、ルナリア」


 
 ***



――行為解禁の三日前。
 相変わらずテオはルナリアに愛を囁き続けていた。


「愛してるよ、ルナリア、ルナリア」
「あっ、あ"ッ、あ……~~~ッ!」
 
 
 そしてルナリアは追い込まれていた。
 いやらしい音を立てながら陰核をこすられ、ナカは敏感な箇所を指の腹で擦られ、今までだったら気持ちいだけで止まっていたのに。
 「君に触れるのを許してほしい」とお願いされてからずっとルナリアの身体を弄ばれて、いつの間にか感度が増してしまったのである。


「お"、かしい……っ、身体、おかしい、わた……私、すぐイっちゃってる……ッ」
「ずっと気持ちよさそうにしてたから、俺が君が果てたのに気づいてないだけだと思ってたが……今まで満足させてやれなくてごめんな。でも、もう大丈夫だよな?」
「あ、っ、いやぁ! それだめそれだめ、だ、め……ッ」


 生暖かくて柔いぬめりのある熱が、ぷくりと腫れあがった蕾を包み込む。ころころ転がすように舐めて、先端を舌先で擦られてしまえば、もう頂点はすぐそこだ。
 腰がぐっと持ち上がるのを押さえつけられたまま、ルナリアのすらりとした色白の両足がびくんっと大きく跳ねた。
 イってすぐに口を離されると、逆にもどかしくて仕方ない。腰を揺らして余韻に浸るけれど、それだけじゃ満足できなかった。
 無意識にテオの下半身に目がいってしょうがない。指でナカを刺激されてあれだけ気持ちいいのだから、あの肉竿に最奥を突かれたらどれだけ気持ちいいだろう。
――私、また、気持ちいいことばかり考えてる……。
 はっと目を見開いて、もやのかかった意識を取り戻す。
 行為を禁じると言った日から、明らかにルナリアの身体は変わっていた。果てにくい身体だったのに、今や上も下も舌先で転がされるだけであっという間に達している。
 しかも達する感覚が日に日に短くなっているのだ。


(考えたくなかったけど……私、感度上げられてる気がする……)
 
 
 改めて考えて、ぞっとする。絶倫を阻止したかっただけなのに、こんな身体で3日後にテオの昂りを受け入れたら、本気で壊れてしまうかもしれない。
 これじゃ射精管理魔法をかけた意味がないではないか。
 息も絶え絶えに考えを整理していると、テオがへその下をぎゅうと指で圧迫して、ルナリアは今度こそ意識を取り戻した。


「ルナリア」
「んむ」


 テオが身をかがめてキスをする。同時にルナリアの腰も上がって、入れてないのに入っているような体勢になった。秘部にあてがわれている熱く硬いものが、びくびくとせわしなく震えている。一度も達せずに20日以上を耐えたのだ。形状を記憶するというが、あの時よりも随分と質量を増したそれは、血管も浮き出て今にも爆発しそうである。
 


(入れて欲しい……)


 ほぼ無意識に思った言葉は、一瞬にしてルナリアの脳内を埋め尽くした。
 入れて欲しい。入れたい。この太くて大きいので突いてほしい。中にいっぱい出してほしい。腹の中のもどかしさをこれで満たしたい。
 震える手で彼の熱塊に触れる。


「んっ」


 キスの合間に、テオの喘ぎ声が妖艶に響いた。
 ルナリアの決意はここで崩れた。
 リングに指をひっかけて、割るような動作でそれを外す。


「っあ"……!? あ、あ、あ……ッ、ぐ、ぅ~~~……ッ」


 溜めに溜め込んでいた絶頂が一気に解放されて、テオはルナリアの身体を力任せに抱き締めながら、ぶるぶると身体を震わせて溜め込んでいたものをルナリアの腹にぶちまけた。
 予告なく外されたものだから、さすがのテオも油断していたのだろう、普段聞かないような少し高い声で襲い来る快楽を受け入れている。
 その声に、ルナリアの理性は崩壊した。
 まだ出ているそれを掴んでごしごしと扱く。素直なそこは簡単に硬くなり、元気を取り戻した。
 それを自身のぬかるみに埋め込んで、腰を揺らして奥まで誘い込む。


「あ、ッ、ぐ、ルナ……ッ、ちょっと、待っ」
「テオ様、私、もう我慢できない……っ」
「んんっ」


 テオの耳に唇を寄せて、耳朶を食む。
 眉を寄せて可愛らしく鳴いたテオが愛おしくなって、背中に腕を回して律動を促す。


「私のこと、愛しているんでしょう……?」
「っもちろんだ、ルナリア、君を愛している」
「ああっ!」


 待ち望んでいた快感が腰から頭を突き抜けていく。
 大きく腰をグラインドさせたテオが、卑猥な音を立てながらルナリアの最奥を穿った。
 腰を持ち上げて、ぐりぐりと押し付けるように一点を責め立てられる。一番気持ちいいところを刺激されて、ルナリアは5分も経たず追い詰められてしまった。


「あ、それだめ、もうイく……ッ!」
「っ……!」


 襞が収縮して、テオの熱を締め付ける。それが刺激になったのか、珍しくテオがすぐに欲を吐き出した。


「はぁっ、はぁっ、君のナカが気持ち良すぎてもたない……っ」
「んっ! あ、テオ様」
「〝様〟はいらない、テオだ。ルナリア」
「っ……テオ」


 テオの身体を求めるように両腕を伸ばす。察してくれた彼は身をかがめて、ルナリアにキスを落とした。背中に腕をまわして、腰に足を絡みつける。
 驚きで瞠ったテオの目を至近距離で見つめながら、ルナリアは自分から舌を絡め合わせた。テオの肉厚なそれを吸って、甘噛みして、表面を舐る。
 雫が垂れていくのも気にせず、ひたすら彼の口内を貪った。
 テオの両頬を両手で包み込む。


「もっと、ほしい……っ」
「……お望みとあらば」


 ルナリアのおねだりが予想外だったのか、テオが不敵な笑みを浮かべてルナリアの腰を掴み直した。
 その後の行為は、今までのどの夜よりも濃厚だったのは言うまでもない。




 ***



(残り3日だったのに……やってしまったわ……)

 朝どころか夕方を迎えた頃に目を覚ましたルナリアは、顔に両手を当てて小さく呻いた。
 隣ではすっきりした顔のテオが、ルナリアにひっついている深い眠りについている。
 裸体の彼の下半身は、すでに勢いが衰えた状態になっていて、少しばかり赤くなっていた。そっと手を伸ばして、ふに、と先端をつまんでみる。
 いつもガチガチになっているそれは、今やしおれたきのこのようだ。感触が気持ち良くて、暫くぷにぷにといじって出てきた先端の残滓を指で掬い取った。
 じんじんと疼く自身のそこに塗りつける。
 それだけでもう身体が興奮状態になるのだから、テオにはしてやられた。
 

(こんな淫乱な身体にされてしまうなんて……っ)


 こぷりと溢れてきた愛液と、彼が残していった白濁がまじりあって、水音を鳴らす。
 ルナリアの指の上から、テオの大きな指が重なってどきりと心臓が跳ねた。


「朝から一人で楽しむなんてずるいじゃないか」
「……もう夕方です」
「…………そんなことよりも」
「あっ……!?」
 
 
 テオが、膨らんで来た蕾をきゅっと指で挟み込む。
 そのまま激しく上下に動かされて、興奮しきっていた身体はあっけなく達した。


「俺も楽しませてくれ」
「テオ……っ!」


 もとよりルナリアに拒否権はなかった。
 返事を待たずして剛直が埋め込まれる。


「ルナリア、愛してるよ」
「ふあっ、あ~……ッ」
 
 テオが愛を囁くたびに心もナカもきゅんと疼く。もう、無視できない。
――彼は私を愛している。
 こうしてテオの愛を十分に感じたルナリアの、絶倫阻止化計画は失敗に終わったのだった。



 終わり
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