鬱の手記

北川 聖

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鬱の手記2

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ー2ー

 だいたい自分は死ぬのに生命の起源などどうでもいいではないか。そんなに知りたいかい。それなら未来人が教えてくれるだろう。あなたの隣にいる。というのはSFの見過ぎだが論理的に存在を科学的に解明することはできない。存在を産んだものは何か、それを産んだものは何かの無限連鎖に陥るからだ。私たちは訳の分からない世界を生きていると言う以外ない。なぜ生まれたか分からずなぜ生きるのかも分からずなぜ死ぬのかも分からない不安定極まりない存在なのだ。全てが幻想と言ってもいいが物事はあまりにも明快にはっきりとある。ただ夢を見ている時は全く理性が働いていない世界を彷徨う。なぜ夢を見るかの効能は分かり始めたようだがなぜ見るかは分からない。もしかすると夢には驚くべき働きがあるのかもしれない。予知夢とか前世の夢とか不思議な報告はされている。だが私にはどうでもいいことだ。私はただの鬱病患者、この手記が少しでも長く続くこと以外何も考えていない。今、自分を生かすために食事をする。帰ってきてこの手記が続いているかどうか分からない。
 食事をしてきた。3食お茶漬けである。お金がないからである。たまには魚や肉も食う。ちなみに私が小さい時は魚や肉が食べられなかった。可哀想であるからだ。飲み込もうとしても吐き出してしまった。それで随分虐められたが彼らはもう死んでいると思っている。悪いことをする奴は早死にすると思っている。この手記は色々な角度に傾くことを知ってくれ。
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